…私が一番…




 荒野を走るジープに男1人に女が3人乗っていた。
「ミンそれでどこに向かってるんだ?」
「…中立都市ヘイズや」
 不機嫌そうにハンドルを切りながらミンは答えた。その不機嫌の理由だが…
「やめ…あっ…そこは…こらぁ…あぁぁ…ふぁぁあはぁ…」
 後部座席でジュウゾウに服のしたをまさぐられ喘ぐアーシャの存在がはっきりいって不快なのである。
「くくく、とりあえずお仕置きはこれくらいで勘弁してやるか」
「まったく…人に運転させてなにやっとるねん…とりあえず発見場所がヘイズの統治領でよかったで、どこぞの国やといろいろと面倒なことになとるとこや。あそこならどの国も大規模な軍事行動を簡単におこせへんやろ」
「油断禁物…少数精鋭注意…」
 今まで黙っていたエクスが言葉少なく話して目をつぶる。
「はぁはぁ…確かに…軍も特殊チーム『ジークフリート』を派遣してるだろう…あっこら…やめ…あっそこだめぇ」
 折角呼吸を整えたアーシャだが再び乱れる羽目にあう。
「せやからジュウゾウ!まったく…」
「へいへい」
「せやけどほんまやっかいやで、どこも大規模な軍を動かせへんからグレゴリオ帝国はジークフリートをローグ共和国はガーゴイルの二大国をはじめに諸国はもちろんやしマニアや一攫千金狙いの連中と敵はおおいで」
 ミンは深いため息をつくが
「そんなのいつもの事だろ。それよりも今回はましな奴と戦いてぇなここんところ雑魚ばかりだし」
 と余裕のジュウゾウだが、常人にはとても雑魚とはいえないのだが…
「はぁはぁ…そ、それならぅぅん…はぁん…やめれぇ…」
「生意気な口を開くのはどの口かな?」
 調子にのってアーシャの体をおもちゃにし続ける。
「ジュウゾウいいかげんにしいや…そやないとエレスが危険やで」
 そのミンの言葉にジュウゾウはハッとなり顔をかくかくとさせながらエレスに向けとじっと無言で見詰めている。そう、ただ見つめているだけなのだ。
「げっ…」
 だがジュウゾウは何かに恐怖したのかアーシャを開放する。
「エ、エレスと、とりあず街についたら好きなものかってやるからそれだけは止めろな?」
「了承…」
「ジュウゾウも気いつけてや。エレス怒らすと後が大変何やから」
「判ったよ…」
 そういってごまかすように視線を外に移す。唯我独尊自己中心俺様男がただ少女に見つめられただけでこのような行動をとるのは不可解ではあるがただアーシャは自分を除く三人だけが理解しているのがなんとも腹立たしかった。
(なんなのだこないだもこのような気持ちに…むっ?)
「おい、後ろだ!」
 物思いにふけりながら外を見ていたアーシャの眼にとんでもないものが飛び込んでいた。
「なに?げっ…ミンとばせ!『鉄食い』だ!」
「なんやて!」
 鉄食い。それは全長400メートルもある巨大な鉄製の鉄食いミミズ。荒野を旅する人々にとって最悪の天敵である。
「ついてへんで!よりにもよって『鉄食い』やなんて」
 ハンドルをおもきりきながらミミズの牙(?)から逃れる。
「逃走不可…排除敢行」
 エレスはそういうとジープから飛び降りる。
「まちい、それはあかん!」
「ちっ…アレをやる気だ。ミンはそのまま突っ走れ時間は俺が稼ぐ!」
 ジュウゾウも車から飛び降りるとGEAを機動させ鉄食いの前に立つと黒い炎がその刃に集める。
「さてと、必殺技パート3!グラウンドクレパス」
 刃を地面に突き立てると黒い炎を地中奥深くに叩き込むと地面が陥没し『鉄食い』の全身が現れる。
「エレス!」
 ジュウゾウの言葉に反応するかのようにエレスはGEAを構える。
「了解…『GEA』]Wタワー…リミット解除…完全開放モード『ミュルニル』始動…」
 エレスのGEAが今までにないほど小型の銃へと変わる。
「おい、ミン!エレスは何をする気だ。それにジュウゾウを置いてどこまで行く気だ!」
 アーシャのあせりの声を上げる。
「だまっとき!舌噛むで!それに、はよ逃げへんと巻き添えにあうで」
「巻き添えだと?」
 その言葉にさらに疑問が深まる。そんなアーシャのことなど知らないエレスは銃口を『鉄食い』に向ける引き金を引く。
「照準固定…裁きの雷照射」
 白い光が『鉄食い』にあたるが何もおきない。
「よし!おっと、まずい武装『漆黒』」
 空に舞い上がった『鉄食い』に視線を向けながら漆黒の甲冑で身を包む。その僅か一瞬後
 ドゴォォォォォォォォォォォォォォォン
 大気を揺るがす白い轟雷が天空を、『鉄食い』を、そして大地を貫き穿った。
「なんだ…あの光は…あの巨大な『鉄食い』を蒸発させてなお威力が衰えないだと…まさか…あの威力はオリジナル『GEA』なのか」
「はぁ…ばれてもうた…せや、アレがエレスのオリジナル『GEA』]Wタワーの真の力、
普段は棺おけの形をとってるけどな」
「なるほどな。GEAのサイズは休眠モードの場合は小型化されているのにエレスのGEAが普段からあんな巨大な棺おけなのかと不思議ではあったがこれで合点がいった。ただの重火器になるだけのGEAではなかったのだな」
「そういうこっちゃ…GEAの中にも小型化できへんで普段から大型のまんまやったりするもんがあるさかい、ばれへんとはおもっとったんやけどな…はぁ」
 ミンは再びため息をつく。ちなみに小型がうまくいかずにある程度のサイズをあるGEAはレプリカと呼ばれ現存の科学力で再現された劣化品が大半である。
「任務完了…」
「ああ、疲れた…エレスとりあえずご苦労さん」
 ジュウゾウに頭を乱暴に撫でられながらエレスが少し嬉しそうにしながらバギーへと歩いてきた。

アーシャは不機嫌だった。それはもう今までにないくらい。
「ほら、エレス、あんさんが全力モード出すさかいばれてもうたやんか」
「なぜ…隠していた…」
 適当に腰をかけていたジュウゾウに静かな声でアーシャは口にした。
「おまえ馬鹿か?仮にもオリジナルGEAを狙っている敵のお前になんで教えてやる必要がある?」
 その言葉にアーシャはぎゅっと握りこぶしを握る。
「そうだな…私は…いや…くっ」
 言葉につまり走り出していった。
「……朴念仁…」
 それを見ていたエレスが容赦なくジュウゾウを棺おけで殴り飛ばす。
「…鈍感…」
 ゴスッ――
「…最低…」
 ドゴッ――
「…鬼畜…」
 ゴブッ――
「…馬鹿…」
 ドゴォォン
 容赦のない棺おけの連続攻撃がジュウゾウを叩きのめす。
「エ、エレスやりすぎちゃうか?」
 その様にミンはすこし引く
「…乙女心を蹂躙…必罰…」
 いつもと変わらない表情だがどうやら怒ってるようである。
「さ、さよか…しかし…あんた涼しい顔してやることエゲツないな」
「フォロー要請…私には…不得手…」
「しゃあないな」
 そういいながらアーシャの後を追って走り出した。

「くっ…私はいったい何を取り乱している…奴を付け狙いオリジナルGEAを奪うのではなかったのか…そうしなければあれほどの軍備を失った失態を埋め合わせることは…だが…なんだこの気持ちは…ああぁぁ」
 ジュウゾウたちと少し離れた場所でアーシャはその内に蠢く不快な感覚を切り裂くように剣を振っていた。昔から嫌な事などがあったときなどにそれを忘れるために一心不乱に剣を振るのがアーシャの癖のようなものであるが…
「なにやってるかと思うたら、でたらめに剣を振ってるだけかいな」
 その様子を少し前から近くの岩に腰掛けながら見ていたミンは見ていた。
「はぁはぁ…何のようだ…」
 無駄に力を入っていたのか動きを止めたとたん呼吸に乱れだす。
「そやね…『GEA』天河珍鉄起動ととりあえず手合わせしようか?少しはすっきりするで」
「いいだろう…手合わせ願おうか、ゴヴァノン・モード・ロッド」
 ミンは地面に立つと間合いを計り構える。
「ほないこうか?」
「いざ、尋常に…」
「「勝負!!」」
 二人の掛け声で勝負が始まる。
「はっ!せい!はぁぁぁ!」
 最初に仕掛けたのはアーシャだった。ロッドの長さから生まれる遠心力を利用した連撃を繰出すが、ミンはその攻撃に合わせて棍で軌道を変える。
(なかなか激しいやないの…せやけど…)
「そこや!」
 連撃の間にできる僅かな隙を正確に射抜く様に放たれた突きがアーシャの体を捉える。
「ぐっ…馬鹿な…あの速度での連撃を捌くなど…」
「なにゆうてんねん、あんな隙だらけの技、見切るんはわけないで」
「なんだと…」
「心に迷いのある今のあんたの技を見切るんわ分けないことや」
「くそっ…くそっ…」
 四つんばいになりながら悔しそうに地面を殴る。
「まったくあんたは、まじめな子やね。ジュウゾウに敵言われたんがそんなんショックやったん?」
「ち、違う…私はもともとアイツの敵なわけだから…」
 言葉の勢いが弱くはっきりと答えられない。
「ジュウゾウは罪な男やで、せやけどそこも魅力なわけなんやけどな。けど、そんなおちこまんでもええで?ジュウゾウが敵なんていうんはそれなりに認めとる証拠やしな。それにや!ジュウゾウは敵言うたけど嫌いとは言うてへんし、ジュウゾウは嫌いな奴をそばにおかへん」
「だから私はアイツのことなど!」
 顔をまかっにして怒ってはいるがどこか嬉しそうでもある。
「まー、今はそういうことにしとたる。けど、あんま意地はると後でなき見るさかい気いつけや。あとな、おもろいこと教えたるエレスも昔はあんたと同じように敵やったんやで」
「なっ…」
 驚き言葉を失うアーシャを尻目にミンは
「まー気が済んだら戻ってきいや」
 それだけ言い残して去っていった。
「私は…」

 一方――

 エレスの過剰のツッコミに意識を失ったジュウゾウであったが…
「エ・レ・スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!」
 地獄のそこから響くような声とともに復活した。
「てめぇ、今回のはちょっとやばかったぞ。なんかきれいな花畑と大きな河が見えたじゃないか」
 すこし涙目である。
「不可抗力…」
 その気迫に呑まれたのか珍しく冷や汗を流しながら下がる。
「不可抗力じゃねぇぇ!これはお仕置きだ…『イキ』地獄を見せてやる」
 ジュウゾウの指が怪しく動く。
「…!」
 足元の石につまずき尻餅をつく
「ふふふふ、覚悟しろ」
「ダメ…あっ…はぁん…ああ、ダメ、あっ…イク…はぁはぁ…そこ…拒絶…はぁん…連続…あっ…はぁ…優しく…あぁ…ふぁ…ひゃう…あぁ」
 倒れたエレスの服の下に手を滑り込ませそのまま弄る。そして、僅かな時間で何度も絶頂を迎えさせられるがジュウゾウは止めない。
「ほらほら、ここと、こことそれにここも感じるだろ?」
「やっ…そんな…ダメ…はぁん…そこは…ああぁ」
 敏感な所とはいえない場所にも関わらず何度もイカされ呼吸は乱れ思考は白濁していく。
「下のほうは嫌どころか待ちどうしい見たいだぞ」
「罵声厳禁…意地悪…」
 頬が紅くそまる。
「そうかじゃ次は」
「…そこは…ちがっ…あっあっ…」
 アナルにジュウゾウのペニスを挿入され悶えながら快感に震える。
「いつもアーシャのケツ穴犯されてるところ羨ましそうに見てたろ?」
「回答拒否…」
「そうか」
「あっ…あっ…また…いや…そんな連続で…イクのいや…もっと…優しく…」
 乱暴にされながらも愛しい男に抱かれや感じさせられる。
「くくくくく、お前の性感帯は知り尽くした俺に抗えるわけはない、ほれほれ」
「ひゃう…おかひく…やめ…はうぅぅん…ふにゃう…」
 快感がエレスの心と体を溶かす。
「どうだエレス、気持ちいいか?」
「はあぃぃ気持ちいいでふぅ…お尻の穴じゅぼじゅぼしてくだはい」
「これじゃ、お仕置きにならないが…まっいっか」
 ジュウゾウは腰を激しく動かす。
「はぅ…しゅごいの…あぅ…ひゃふっ…はぁはぁ…」
 エレスの体がぐったりと地面に横たわる。
「ほら、呆けてる場合か、次は前の方でしてやるからおねだりしてみろ」
「オマンコにくらひゃい…もうがまんできなくて濡れ濡れでふぅ」
「スイッチが完璧に入ったか…よし、覚悟しろ」
 アナルに挿入していた剛直を引抜くと濡れて開いたヴァギナへと挿入した。
「あぁぁぁぁ…はふぅぅぅぅぅぅん」
「いい締め付けだ、たっぷりと出してやる」
 そのまま抜かずに出され再びエレスは絶頂を迎える。
「まだまだ」
「ああ、もっと…もっとくださいぃぃいい」
 エレスはこのあと気絶するまで犯され続けるのだった。

 ★ ★ ★

 ちゃぱっ…ぺちゃ…
 ミンが戻ってみたのはエレスがジュウゾウの股間に顔をうずめペニスにしゃぶりついてる
ところだった。
「なにしとるん…」
 怒りで肩を震わす
「いや、お仕置きのつもりがスイッチが入ってだな…」
「おんどれは!!エレスのスイッチが入るようなことしたんかい!!人が折角フォローにいったちゅうのに…この色魔!!」
「げふっ!」
 ミンの回し蹴りがジュウゾウの顔面にヒットし気絶するが、自業自得である。

 翌朝――

「そろそろいくぞ」
 アーシャは戻って来なかった。
「せやね…ところでエレス大丈夫かいな?」
「大丈夫…少し…腰が痛いだけ…」
 この場所を立ち去ろうとジープに乗り込む。
「はぁぁぁぁせい!」
 キーン…
 上空よりアーシャが剣を振り下ろした刃をジュウゾウが太刀で受け止める。
「どういうつもりだ?」
「私はお前の敵だ…だからこれからもお前の命を狙わせてもらう!」
「いまさら、何をいっているんだお前は?うんなわかりきった事をほら行くぞ。とっととのれ」
「いいのか?」
「好きにしろ、大体お前に寝首をかくまねなんてできないからな。いつでも相手になってやる。ただし、俺がかったらいろいろとさせてもらうがな。くくくく」
「良いだろう…覚悟しろ」
 何かが吹っ切れたかのように笑みを浮かべながらジープに乗り込むと小声でミンとエレスに向かって
「お前たちにも負けぬぞ」
「…私が一番…負けない」
「ふふふ、敵に塩をおくってもうたみたいやね」
 結局、この四人の旅は続くのであった。


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