4 天狗さんの、ぱぱらっち


取材。鴉天狗の少女、射命丸文(しゃめいまる・あや)は、弄られていく同僚の痴態を、取材していた。
「椛さん、椛さん、現在の心境は!?」
触手責め。白狼天狗の少女、犬走椛(いぬばしり・もみじ)は、触手責めされていた。
緑色の粘液滴る触手(もはやツタというより触手)に絡め取られ身動き出来ず、白い天狗の衣装の襟元から袖から袴の下から、緑の粘液滴る触手に這いずり舐められる。
腋をくすぐられ、膨らみかけの胸元を弄られ、耳の裏を舐めとられる。
「あっ!んんっ!そこぉ、よわいの…やだぁぁ!…ふぇ?」
果断なく流される甘く蕩ける刺激に、犬耳がピクンと動き…次の瞬間。
「きゃうぅぅぅんっ!?」
ビクビクビクッ!耳から尻尾の先まで刺激が突き抜け、ふにゃふにゃと力が抜けていく。
「ふあっ…はうぅ…あっ…やさまぁ…たす…け…んっ!むくううぅぅ!?」
口の中まで侵入され、インタビューは不可能であった。
尤も喋れたとしても、鴉天狗のパパラッチに聞く耳なんぞ、無い。全く無い。
「んっ!ぐっ、けほっ!はぅぅ…」
息ができない。喉に絡み付く粘液は、オクラと何故かお芋の味がする…。
薄れる意識の中、椛がそう思い、飲み下した…ごくん。
…ドクン。ゾクゥ。ピクッ、ゾクゾクゾクッ…!
(…え?カラダが、熱い…?)
椛の戸惑う間もなく、カラダの奥底から物凄い快感が湧き上がってくる。
「ああっ!?や…なに…す…すご…っ…ふあああああっ!あっ!んんんっ!きゃあぁぁぁぁん!」
生真面目に任務を遂行してきた狼少女には、想像だにしない感覚。
触手に愛撫されるたび、白い犬耳も尻尾もピィンと総毛起ち、可愛らしい口元から涎を零しながら、喘ぎが止められない。
「ふあっ、はあああ!んぁ、あああ〜〜〜っ!!」
パシャ!パシャ!射命丸、黒い羽根散らして飛び回りながら、シャッターを切る。
実は触手の攻撃対象には文も入っているのだが、幻想郷最速の鴉天狗はウザイ程の神速で、カスリもしない。
ニタニタ笑いながら、ゴシップの犠牲者の撮影を続けつつ、耳元で囁く。
「さーて、だいぶキモチ良くなってきたようですねぇ」
「…はぁ、はぁ、きもち、いい…ですか?」
「あやや、椛は知らなかったのかしら?今、貴方はキモチ良くなってるのよ♪」
(やれやれ、この子って真面目すぎて、世間知らずですねぇ。ま、私のように、幻想郷中飛び回って、カラダ張って取材している天狗の方が、少数派なんですけどね)
妖怪の山の異端児は悪戯っぽく笑うや、天狗の使命に誇りを持つ優等生に、少し意地悪してみたくなる。
「あやや、でもですね、普通の妖怪少女なら、多少弄られてもキモチ良くはならないんですがね?」
「…ふぇ?あや…さま?」
「椛。貴方の使命は、侵攻する敵からお山を守る、哨戒だよね?」
「んっ!くっ、は…はいっ、そのとーり…れすっ」
「あやや?なのに、この醜態はどーした事かなぁ?」
「…っ!」
「それでも誇り高き天狗かしらー?あ!そっか、椛貴方って…エッチな娘だったのね♪」
椛は言葉の意味は分からずとも、どういう事なのか、理解し…顔が真っ赤に火照る。
「な!?」
「だって、さっきから、ハズカシイ喘ぎ声止まらないでしょ?まるでサカリの付いた犬だわ」
「…っ!ち、ちが…ぐすっ、私、え…えっち、じゃ、な…」
上司の侮蔑に、必死に否定するのだが、駆け巡る快感はもはや抗いようもない。
突然。涙目で抗議する椛の胸元に、文の指が差し入れられる。囁く程近かった犬耳に、ベロッと舌を這わせた。
「きゃあああんっ!!?」
ビクゥゥ!ゾクゾクゾクゾクッ!
上司の、思わぬセクハラ。快感に思わず犬のように喘ぐ。
パシャ!パシャ!
「今の、イッてる表情、可愛かったですよぉ♪これ、記事に使えるわ♪」
「…っ…やだっ…やだぁ…っ」
文はふるふる震える椛のカラダを漆黒の翼で包むよう抱き上げ、更に愛撫し続ける。
触手は未だ椛のカラダを弄び、もう一匹の獲物も狙うのだが。
怪奇植物の触手が容赦なく襲うのも意に介さず、文は飛び続ける。
尤も、触手の射程圏から付かず離れず、椛だけが弄られるように。
「あっ!んっ、…あや…まぁ…め、てぇぇ!きゃ!あっ!くあぁぁあああ〜〜〜っ!!」
ビクビクビクビクッ!!椛のカラダが弓なりに反り上り、今までで最大の衝撃が全身を貫いていく。
(…ん?ふぇ…?)
パシャ!パシャ!シャッター音が椛の呆けた脳髄に響き、音の方に虚ろな目を移すと…。
「あややや!椛さんのアソコから、大量の白い汁が噴き出てきましたあ!少女、絶頂中てとこですか♪」
(……や…だ…はずかしいよぉ…っ…写しちゃ…やだあ…)
途切れていく意識。緑の怪物に、黒い翼と意地悪な瞳、カメラのフラッシュその他の景色が、溶けていく。

・・・・・・。

旋符『紅葉扇風』

射命丸文のスペルカード発動。
巨大竜巻が怪奇植物を根こそぎ薙ぎ倒し、遥か天高く巻きあげる。間髪入れず、切り札発動。
竜巻『天孫降臨の道しるべ』
自身中心に竜巻発生!巨大植物を薙ぎ倒した紅葉扇風を遥か凌ぐ風圧を叩き込み、真空の刃で切り刻んでいく。
ゴオオオオッ!!!
そして静寂…。怪奇植物は跡形なく消し飛んでいた。

「ん〜〜、ちとやりすぎたかなあ」
怪奇植物にではなく、腕に抱く、グッタリとした部下に。
「あやや、ちょっとからかってみただけですよ。
せっかく撮れた写真だけれど…やめときますか。あ、椛が悲しむからじゃあ、ないですよ?
一面は私射命丸が山の異変解決!の方がインパクトあるっていうか、うん」

「あ、でも…椛のかわいい写真は、私が個人的に楽しませて貰いますけどね♪」

・・・・・・。

?「お姉ちゃぁぁん飛ばされるぅぅこわいよよぉぉぉ!!」
?「あうぅ、なんで私達がこんな目に……」
ぴゅーーーーーーーん。

それはともかく。
射命丸文のスペカで完全に吹き飛ばされ、異変は今度こそたぶん、解決した。
ぴゅーーーーーーーん。(怪奇植物の種子、ついでに神様姉妹)


どーーーん!!!!爆音轟かせ、白砂が美しい庭園に大穴が穿たれ、そこには…。
「っ!何事!?」
白銀ショートボブの美少女が凛っ!と剣を構え…
そこに、妖しく美しい、幽雅な姫君が幽然と現れる。
「あらあら、お庭が騒がしいわね。お客様かしら?」
「大変です!庭に、みょんな植物が生えています!危険ですから、下がってて下さいっ!」
主を護り、異形の闖入者を斬らんと、少女剣士の剣気が昂る!

つづく。


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