「はい注目ー♪紳士淑女の皆様、これより私アリスと可哀相なお人形さんで遊びませんこと?」
邪悪な魔女アリスが可愛らしく芝居掛かった仕草で、拘束されているヴワルの民に語りかける。
その声は可憐ではあるが威圧的で、嘆き悲しむ民衆、ついでにオネダーン教授配下の崖下兵共も水を打ったように静まり返る。
観客の目が集中する。いつもの如く観客を魅了し得意げな美貌、だがすぐに苦虫を噛み潰すように歪んだ。
普段なら、自身が操る人形より可愛い自分が注目される筈なのに…

(姫様…美しい!可愛すぎるッッ!)
(パチェルート様なんてはしたないお姿をを〜っ)
(ああ〜目が〜目が〜っ姫様の、白い裸はぁはぁ…)

(グヘヘヘ!幼女趣味の俺らだが、あのお姫様のカラダ最高過ぎるぜぇぇ!)
(姦りてェェ!魔王様羨ましいぜぇ〜っ!)

全ての注目は、全裸で触手に絡まれる美しき姫君に注がれていた。
「いや…お願い…みないで…」
囚われたパチェルート姫の、消え入りそうな涙声すらも、この場の者たちの耳に吸い込まれる。
チッ!と舌打ちする、アリス。
(ふん、この田舎者どもが…それに…生意気な娘だわ!)
(俺様が主役だったのに外野になってるなんて…これが人形師のやり方なんですか…?)
ついでに魔王も面白くなさげであったが、誰も注目しちゃいなかった…。

「ふふ、人気者ねぇお姫様?慕ってくれる民達の前で恥知らずにも素っ裸、いやらしいわ!」
と言うや、アリスの指先がパチェ姫の小振りな美乳を撫でるように弄ぶ。
「ふあっ!?」
ピクン。
魔王の大雑把な責めとは違う、繊細で意地の悪い責め。既に強力な媚薬触手で感度を高めさせられた胸から、新たなる快楽が湧き上がる。
「ふふ、可愛く鳴いてくれるじゃない王女様?」
「あっ…くっ…んくっ…あぁ……ふぁ…」
(だめっ!民たちの前では、王女の威厳を保たなければ!)
決して己だけの羞恥ではない。嘆く民を想いやる、王女としての気高き矜持であった。
(んくっ、魔王の触手に比べたら、なんとか…ガマン、できるわ)
ジリジリと嬲るような快楽を堪え、少し余裕を取り戻すパチェルート。
だが。パチェルートの健気な想いを踏みにじるように、悪の人形遣いの責めが続く。
凌辱はパワーだぜ!が信条な魔王の媚薬触手による強引な快楽程強くは無い。
しかし、官能のツボを直に刺激していく、粘ちっこい責めであった。
輝く月のように白く瑞々しい肌に、狡猾な指先がピアノを叩くように這いまわる。
ねと…。媚薬キノコの粘液が掬いあげられ、胸の谷間に筋が通り…それもすぐに粘液で覆われていく。
アリスの指先はそのままパチェルートの鎖骨をなぞり、背筋をツツ…と滑らせる。
ゾク…ゾクゾクゾクゥ…!
ピクン、ピクン、ピクン…
「あっ…あはぅ…くっ!ふぁ…だめっはあぁぁん…ら…めぇぇ…あああっ!」
ピクンピクン…触手に縛られた裸体を快楽に震わせ、喘ぎ声が止められない。
(そんな…ただ、指で触られただけで…きもち…んくっだめ!声が出ちゃ…あぁん…)
痺れるほどの快楽を必死に堪えるも、可憐にして官能的な喘ぎ声は最早、ヴワルの民たち含め全員の耳に届いてしまっていた。
男たちは畏れ多さと罪悪感に苛まれながらも、あまりに美しい王女の痴態から目を逸らせる者は、一人も居なかった。

「あらあら王女様、貴女を慕う民たちが呆れてるわよ?自分たちの姫がこんな淫乱娘だったってね!」
「っ…!そんな事…えっ!?くぅああぁぁあぁ!?」
嘲る人形師に反抗する間もなく、強さを増した快感に身悶えるパチェルート。
小振りな美乳が揉み解され、既に勃起させられた乳首をクリクリと捏ねまわされる。
魔界最強の媚薬が染み込んだ身体に、大雑把な触手とは違う魔女の指先が容赦なく快楽を強要する。
「…っ!…あっ!…くぁ…っはぁぁん!」
首がガクンと天を仰ぎ、綺麗な紫髪を振り乱し涎と涙がこぼれ、民を思いやる余裕も掻き消されていく。
それでも。
「はっ…くぅっ…どんな辱しめを受けようと、負けるわけには、いかないっ!」
(みんなの、民たちの希望を消してはいけない!それに…)
まだ、彼がいる。希望は、ある!
勇者が来てくれるかも。その想いは、卑劣な闇の快楽や屈辱に屈しそうになるパチェルートの最後の支えとなっていた。
殆ど虚ろとなった紫紺の瞳にかすかな光。それを見逃さず、意地悪な笑みを浮かべるアリス。
(ふふふ、やっぱり希望を与えといて良かったわ。その方が…絶望も大きいからね♪)
凌辱は頭脳(ブレイン)よ!なイヂワル魔女の凌辱が続く…

「その生意気なお口、黙らせてあげるわ」
言うや、パチェルートの唇を奪うアリス。
「むきゅ!?ふぅ…んっ…あぁ……」
瞳を見開き、硬直するパチェルート。
抵抗する術もなく、舌を舌で絡まれ、蹂躙されてしまう。
じゅる…ちゅく…ちゅるるっ…
「うふふ、キスは初めてかしら王女様?ま、お子様同士のキスしか知らないのならお姉さんが教えてあげるわ♪」
ちゅく、ぢゅく、じゅるんっ…
「んっ…んんっ…ふぁっ!はぁふぅぅっ…んん〜〜〜っ!」
(ああ…いやっ!キスなんて!あぁ…嫌よ…レミィ以外と、なんて…っ)

王子レミリオが勇者として旅立つ前、最後に逢った日にかわしたキスを思い出し…だが愛しい想い出もすぐにボヤけていく。
甘い官能が口いっぱいに広がり、既に力を使い果たした身体中から、残された力も気力も吸い取られ、それがとてつもなく甘い痺れとなって脳髄を白く染め上げる。
ぴくっ…ぞくぅ…ぶる…っ
王女の無垢なカラダとココロが、とろけていく。
(ふぁ…そんな…こんな…きもち、いい…?)
濁る意識の中、愕然とする。
狡猾なアリスの舌遣いは、無垢なパチェ姫に、未熟な王子とは比較にならぬ官能を強いるのだった。
…ごくん。
アリスの唇から、唾液に交じり、邪悪な薬が口移しされる。
為す術なく喉を落ちていく。そのことに、弄られるパチェルートも、他の誰も気づかなかった。
「お、俺様が最初にパチェ姫にキスしたかったのぜ…ずるいのぜアリス…」
と嘆く魔王を無視し、にやりと笑い、次のイジメに移行するアリスだった。

捕まった民たちが固唾を飲んで見守っている。
パチェ姫への接吻を終えるやその民達に再び冷酷な声をかける、アリス。
「ふふふ、おまえ達御自慢の王女様は本当にかわいいわねぇ。でも、本当はこんなイヤラシイ雌豚だったのよ?」
ざわざわ…
動揺する民達。それでも誰ひとりとして王女を非難する者も蔑む者も居ないのは、容姿の可憐さだけではない、パチェルートの気高さと優しさが愛されている故であった。

スゥ「そんな事ないもん!パチェルート様は素敵なお姫様だもん!姫様をイジめるなばかぁー!」
ルゥネ「お願いです姫様にひどい事しないで…それに、ココア様もはなして…ぐすっ」
まだ幼い姉妹が勇気を振り絞って抗議をするや、人形遣いの悪のオーラに委縮していた民たちが一斉に立ち上が…

「黙りなさい、田舎者どもが。マナーのなってない観客は先に処刑するわよ?」
ゴゴゴゴコ…!
パチェルートに匹敵する美少女でありながらその邪悪な威圧感で憐れな民衆を黙らせるアリス。
「はぁ…ふぁ…やめ…て…!みんなに、手を…ださないでっ」
追い詰められても尚、守るべき民達を想いやるパチェルートだったが。

「ふん、生意気な王女め。そうね。なら、この雌豚が如何にはしたない娘か、よく見ておくと良いわ。ねぇ?ミストレイン」
「ぜぜ!?なんで俺様に振るんだぜ?」
「パチェ姫の両手の拘束を解いてあげて」
「?…わかったぜ。どうせ魔力使い果たして媚薬で体が痺れて動けないからな」
触手の拘束を解く、魔王。
嬲られ続けグッタリするパチェルート。可憐なふくらみが切ない吐息で上下し、乳首が震える。
「さあ王女様、貴女は今、とっても気持ち良くなっているのでしょう?」
「はぁ…はぁ…ふ…ぁぁ…っ…」
(ふぁ…悔しいけれど…気持ちいいっ!でも…)
「どう?もっと気持ちよくしてあげるわよ?貴女が私達に屈服したら、ね♪」
「っ…!」
屈辱的な申し出に反発するが…今までの媚薬粘液や淫魔胞子がタップリと染み込んだカラダは芯からグスグスと甘い快楽で蕩け、責めが中断した今もパチェルートの精神を蝕んでいる。
それでも。
「くっ…!私は…決して、負けないわ!」
地獄の快楽責めに抗い、尚も誇りを失わない。
まだ、守るべき大切な民たちがいるから。
そして、愛する人への想い…勇者がいる。そう聞かされた事が、パチェ姫の心の支えとなっていたから。
(全く、可愛いわね。計算通りの反応だわ♪)
「うふふ、お口では強がっていても、カラダは正直ではなくって?」
「ふぁ…んくっ、どういう…意味、です…」
キッとにらみ返すパチェルートに、アリスが囁く。
「ねぇパチェ姫?そんなにキモチ良いんなら、貴女が自分で慰めれば良いのよ♪」
「な…そんな恥ずべき事、できないわ!」
誇り高き姫は、卑劣な要求を毅然と拒絶する。

ざわざわ…
ヴワル民衆「パチェルート様はあいつらに無理矢理やらされてただけだ!」
「そうだそうだ!それが姫様がご自分の意志でいやらしい行為をなさる筈がない!」

「全く煩い田舎者どもが。ふん、まあいいわ。お前達が愛する王女様がどういう娘か、教えてあげる」
アリスは口元を歪め、誇り高きパチェルート姫の耳元でスペルを発動する。


傀儡「コズミックマリオネーション」

アリスの詠唱は、他の誰にも気付かれず…

ドクン。「…え?」
ビクン、と一瞬の硬直の後。
愛する大切な民達を守るために全ての力を使い果たし、疲れて動けない筈の両腕がすーっと動き出し、自らの胸と秘部に添えられてしまった。
(あ…そんな…からだが、勝手に!?…くっ、んっ…いや…だめ!だめぇぇ!!)
「あらあら王女様、恥ずべき行為はしないんじゃ無かったのかしら?」
ニヤニヤ嘲笑うアリス。戸惑いと恐怖に悶えるパチェルート。
細くたおやかな指先が限界まで敏感にされた胸と秘部に触れた瞬間。
ピクン…ゾクゥゥゥ!他者に嬲られるのとは違う電流が理性を消し飛ばす。
「っ!?あっあああ゛っっ!!?」
ピクンピクンピクン……!
「ち、違…私は…っああっだめえぇぇぇふあ゛〜〜〜〜っ!?」
肩と腰を依然触手で固定されながら、幾度も幾度も自らの指で絶頂に達する。
オナニーをした事の無い純真無垢なパチェ姫は、禁断の快楽に最早抗う事が出来なかった。
幾多の魔導書のページをめくり、叡智を集めてきた、その細く白魚のような美少女の指先が、自らの敏感な乳首をクリクリと捏ね、神聖な秘部に指を挿れてグチャグチャと水音を立てる。
ピクンピクンピクン…ビクゥゥゥッ!
「あっふぁあああ゛ぁぁんっっっ!!!!」
クリトリスと乳首を同時に弄った衝撃で、イってしまうパチェルート姫。
弓なりに反った裸身が痙攣し、ガクンと落とした首を激しく振り乱し、衆人環視の中、涙とヨダレと愛液が迸る。
「あっ!あ゛うううっ!らめぇぇぇぎもぢいっ!んくっ!あんっ…ふあ゛ああ〜〜〜〜っっっ!!!」
(だめっ!ダメよパチェルートなにをやっているの!?みんな見てるのに!こんな、はしたない事…ふあ゛っでも!ダメっらめえぇぇ!!)

「あははははっ!見なさいよ、なんて淫乱な王女様かしらー♪国民が見てる前で、全裸でイケナイ遊びに興じる、恥知らずなお姫様だわ!」
アリスの哄笑とパチェ姫の絶叫が響き…唖然とする民衆(と、魔王)

ざわざわ…
「そんな…清楚でお優しく賢くお美しい、我らのパチェルート様が…」
「まさか…姫様が自ら、こんな、はしたない事を…?」
「し、しんじられぬ…王女様が、こんな淫らな…!」

信じられない、信じたくない光景。
それでもパチェルートに注がれる民衆の感情に未だ侮蔑が無いのは、如何にパチェ姫が慕われていたかを物語っている。
だが。

「さあお前たち、この淫乱姫のカラダで遊んでみたい人、いるかしらー?」
アリスの思わぬ呼び掛けに対し。
「ゲヘヘヘ!アリス様ぁ俺らにお任せ…うぼぁー!?」ピチューン。
名乗り出た教授配下の崖下兵の一人が、アリスに瞬殺される。
ちなみにオネダーン教授はニヤニヤ笑って静観するのみ。
「崖下とかは却下よ。対象は、この淫乱姫を慕ってる憐れな民衆よ」
一際、イヂワルな笑みを浮かべるアリス。慌てる魔王。
「ぢょ!?パチェ姫は俺様のモノだって言ったろ!?アリスぅ…?」
「まあお待ちなさいミストレイン。大丈夫、処女貫通は貴方のモノよ。この田舎者どもにちょっとイジらせてやるだけよ♪」
「う゛ー」(俺様の出番が無いだって?こんな事が本当にあるのか…?)

アリスの呼び掛けに、シンと押し黙る民。
男衆は皆、憧れの高嶺の華、最高に美しい王女に触れてみたい欲望に囚われていた。
それでも、自分達が毎日平和に豊かに暮らせるのは、可憐なる大賢者、目の前の美少女のお陰である。
『本と知識と日陰の姫』パチェルート王女への恩義から、最後の一線を超える不届き者はいなかった。

「全く、これだから田舎者はイヤなのよ!ふふ、私が手伝ってあげるわっ♪」

傀儡「コズミックマリオネーション」

再び邪術を発動するアリス。
ヴワル民衆の男「な、なにィーーっ!オラの体が勝手に…」
まるで操り人形のように、男の腕がパチェルートの震える裸体に伸びていく。
純朴善良そうな男はしかし、敬愛する王女の痴態に股間を膨張させていた。
その無骨な手が、花のような美少女の乳房に触れ…
ピクン!
「ああぁん!」
「うおおっ!姫様…なんて柔らかく、芳しいっっっ!?」
善良だった男はアっという間に理性が飛んでしまい…
「ゲヘヘヘヘああ姫様ぁかわいいぃぃパチェルート様ぁぁぁぁ!!」
乱雑に柔らかなふくらみを揉みしだき、頂きで震える蕾に乳首にむしゃぶりつき吸い上げ極上の美少女の感触に溺れてしまった。
「ああ…いや…やめっふあぁぁ嫌あ゛あぁぁあぁぁ!!」
ピクンピクンビクウゥン…!
命を掛けて守ろうとした民に凌辱される、そのショックは量り知れない。
「姫様すまねぇオラもうガマンできねぇだ…んほおおぉぉすっきりー!!」
どぴゅっ!どぴゅぴゅぴゅ〜!
「嫌あ゛ああああ〜〜〜っ!!」
アッと言う間に射精した男の白濁液が王女の高貴な美貌に白くこびり付き、絶望の涙と共に滑り落ちていく。

「うう、オラは何て事を…ごめんなさい姫様ぁ」
我に返り呆然とする男に、魔界の傀儡師が悪戯っぽく囁く。
「あら、気にする事はないわ。だってこの王女様、とっても淫乱でこういう事大好きなんですもの♪」
(ぁ…ぁ…違…っ)
否定する言葉も出ないパチェルートに、アリスが追い打ちをかける。
「さあ、他にも自分の国の王女様を犯りたい人はいないかしらー?お前達のような田舎者がこんなチャンス一生ないわよ♪」

ざわざわ…
「た、確かに…姫様御自身がお望みならグヘヘ」
「も、もう辛抱堪らんパチェルート王女ォォォ!」
「俺もだ俺も姫様とヤらせろぉぉ!」

男たちの目が狂気に支配されていく…。
パチェ姫は胸を揉まれ乳首を捏ねられ秘部を唇を吸われ射精した精液を飲まされ全身を穢されていく…。
「あ…あ…そん…な…」
目の前が真っ暗になっていく。
(私が王女として、みんなを守れなかったから…?みんなの模範となるべき私が、こんなはしたない事したから?これは、その罰…なのかな?)
群がる民衆に凌辱されるパチェルート。それでも尚。
気高き王女に、心優しきパチェ姫に、民を恨む気持ちは微塵も無かった。
(ごめんね、みんな…守れなくて…ごめんね、穢されちゃって…レミィ…)


「みんな、やめて!!!正気に戻ってください!!!」

赤毛の少女の叫びに皆がハッとする…
三下衆に弄ばれボロボロにされていた美少女。ココアが精一杯の力を振り絞り、皆に訴えていた。
「姫様は…私達の大好きなパチェルート様はっ!私達を!みんなのために頑張ったのよ!恥ずべき事なんて何もないわ!それは!みんなも分かっているハズよ!お願い正気に戻って!」
その想いはヴワルの民に届き…懺悔とすすり泣きが場を包み込む…。

「ちっ、ここにも田舎娘が居たのね。余計な真似を…興醒めだわ」

三下衆
「イーッヒッヒッヒッ!また出しゃばりおって小娘がァ!」
「ついアリス様の凌辱劇に見入ってて後回しにしてたが、そろそろ再開するザマスよ!」
「生意気だー!!犯した後ころしてやるー!!」

力尽きたココアに再び凌辱が開始され…

「あ〜あ、人形劇はお開きね。魔王、後は貴方の好きにすれば良いわ」
「おお、やっと俺様の出番なのぜ♪んじゃ、とりあえず…」


「ヴワルの民衆共は、全員処刑だアァァァ!!!ぜーっぜっぜっぜーっ!!」


魔王の死刑宣告に、恐怖で凍り付き泣き叫ぶ民衆たち。
「な………やめ…て…だめえええ゛ーーーっ!!!!」
自分を凌辱した者達であっても、大切な民たちに変わりは無い。
決定的な絶望がパチェルートを襲う。

「ひゅっひゅっひゅっ、いいのかい盟友よ?屑共もドレイとして役立ちそうだが?」
とオネダーン教授が助言するが。
「構わんぜ。この屑共、俺様のパチェ姫を穢しやがってムカつくのぜ!殺せ殺せェェ!!」
民衆をそう仕向けたのはアリスの仕業だが、今はそんな事はどうだっていい、重要な事じゃない。
「教授、さっさとコイツらを処刑してくれなんだぜーっ!」
「まあミストレインったら、なんて冷酷なの…ステキね♪」
と(散々ないがしろにしてたクセに)惚れ直すアリス。
「ひゅっひゅっひゅーっ♪了解だぞ盟友よ。さあ吾輩の機械兵よ!ギロチンモードで処刑開始だぞー♪」
ギギギキギ……ガコン、ガシャーーーン!
ヴワルの民衆全員が、教授の機械兵のギロチンに首を括り付けられる。

「あぁぁぁんこわいよーお母さぁぁんお姉ちゃぁぁん!!」
「ひっく…だいじょうぶだよスゥ…みんな一緒だから死ぬの、こわく、ないよ…」
「はるですよぉ…(ああ、せめて娘たちの命だけでも…誰か、助けてーっ)」
あまりの恐怖に絶望に、叫びよりもすすり泣く声が広場を支配する。
「ひゅーっひゅっひゅーっ♪お祈りは済ませたかいゴミ共♪んじゃ、サヨナラー♪」
オネダーン教授が合図を送るや、ギロチンの刃が一斉に振りおろされ…
ヒュゥゥゥゥ……ドスン。

「嫌あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!」
(みんなが!みんなが死んじゃう!助けて!助けてぇぇ!!!)
パチェルートの悲痛な叫びが木霊し、残されたのは切断された大量の首と胴体…。
ブシャアアアアア!!!
パチェ姫の紫の瞳が真っ赤に染まる。噴出する真っ赤な血潮………


血…ではなく、機械油だった。無残に転がる機械兵の残骸…。



天罰「スターオブダビデ」!!!!

凛とした美少年のスペルが発動する。
六芒星の魔法陣に展開される強大無比な攻撃魔法のレーザーが、一瞬で機械兵どもを薙ぎ払い、民衆は無傷で助かった。
「ひゅい!?馬鹿な吾輩の機械兵が全滅めつめつ!?な、なんだこの強大なカリスマわァァァ!?」
驚愕するオネダーン教授。
「ぜぜっ!?まさか…奴は…っっ!!」
「うふふ、ええそうよ魔王。お待ちかねのゲスト、勇者様のご登場よ♪」
凛々しい美少年の登場に、アリス一人を除き慌てる魔王陣営…。

「あ…あ…ほんとに…来て、くれたんだ……」
「君を、助けに来たよ。遅くなってゴメンね……パチェ」

「レミイ…レミイィィィィ!!!!」

つづく!


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