「ひゅーっ!勇者め!ひねり潰してくれるわーっ!」
ヒソウテンソクの巨大鎌が振り下ろされる。
グオォォオォォ!!!
巨大過ぎて影が広場全体を覆うその一撃は、高空から金切り音を上げてレミリオ王子を薙ぎ払う。
「くっ…!」
王子は背中の翼で飛翔。空を切った鎌が大地を抉り轟音と地鳴りが起こる。
恐怖に慄く民衆そして心配するパチェルートを眼下に、ヒソウテンソクから距離を取った。
「おのれチョコマカと〜っ!」
巨体に見合わぬ速度で迫るヒソウテンソク。
禍々しい翼で飛行する巨兵。
ブウウウゥン!!ゴオオオッ!!
轟音を上げる鎌が空を切る。紙一重で回避しつつ策を練るレミリオ。
(パチェ達を巻き込むワケには…それに、空中戦なら…!)
ギュン!高速飛行で巨人を旋回しつつ、魔力を収束させ…
(今だ!)

必殺『ハートブレイク』!!

槍状に形成した魔力を振りかぶり、投擲する。紅の弾丸がヒソウテンソクのコクピットを精確に打ち抜く!だが。
「甘いな勇者ァ!」

障壁『オーラバリア』
ギイィィン!

「なに!?」
紅い槍が光の壁に阻まれへし折れる。
「ひゅーっひゅっひゅっ♪効かんなァ!」
「ちっ!結界か!」
「これがヒソウテンソクのオーラバリアなのだァ!弾幕は無駄無駄ァァ!」
「くっ、ならば…接近戦で仕留めるッ!はあああっ!」

夜符『デーモンキングクレイドル』!!!

ギュルッ!全身に紅いオーラを纏い、自らを超高速の弾丸と化し突撃。
深紅の一撃が邪悪魔人を穿つ…瞬間
「ひゅーっひゅっひゅっバカめ…」

光学『オプティカルカモフラージュ』

キュゥン…
天を覆わんばかりの巨兵が蜃気楼のように消失していく…
「なっ!?奴の姿が消え…」
デーモンキングクレイドルが空振りしレミリオの体勢が崩れ…
≪ひゅっひゅっひゅっ、隙だらけだぞ勇者ァ≫

河童『のびーるアーム・ロケットぱーんち』!!!

唸る不可視の剛腕。その空圧が透明な脅威となりてレミリオに迫る。
「南無三!」
咄嗟にカリスマガードするが…
ゴシャアッ!
「うわあああっ!!」
キィィィン……ズダダダタァン!!!
「がっ…はぁ……っ!」
高空から大地へ叩き付けられ、穿たれたクレーターの中心で激痛に呻く。
「ぅ…つ…強い…でも、パチェの前で…絶対!負ける、もんか…」

「ああっ!レミィ!しっかりしてレミィ…!」
レミリオの危機に悲痛に叫ぶパチェルート。
「ぜーっぜっぜっ!流石俺様の盟友だぜーっ!
残念だったなぁパチェルートよ愛しの王子様はあのザマだぜぇ!」
ミストレインの哄笑もわなわなと震えるパチェ姫の耳には届かない…。

≪お、王子!くっ、やはり私も加勢を…!≫
≪いや…君は作戦通り隙を突いてパチェを取り戻すんだ≫
≪し、しかしっ!≫
≪大丈夫、僕を信じてくれ。僕が君を信頼するように、ね♪≫
≪……ッッ!はっ。我が君よ…御武運を…!≫


「ふぅん、オネダーンのお人形も大したモノだわ。これは面白くなってきた♪」
一人くすっと笑うアリス。
(これはゴリアテを出すまでも無いかしら?それより…ふふっ、筒抜けよ?勇者主従さん♪)


激痛で動けないレミリオを見下すオネダーンイジョー。
「他愛のない…勇者などしょせん子供だましのかりちゅまに過ぎん…そう…このヒソウテンソクの前ではな!!」

ゴゴゴゴゴコ…!悪しきオーラ力が増大していく…
「ヒソウテンソク…!確かに実力は6ボス以上かも知れない…だが…この強大な霊力は…」
「ひゅーっひゅっひゅっ!勇者よ!そして憐れな民衆どもよ〜っ!吾輩のヒソウテンソクの強さの秘密を教えてやろう♪」
と頼まれてないのに得意げに解説し出すオネダーン教授。
しゃがむヒソウテンソク、背中から透明なカプセルが出現する。

「背中にもう一人!?」
勇者だけでなく、その場に居た者達の目に、その異様な光景が映し出される。
しゃがんでも地上数mの高さに設置される透明カプセルに、少女が浮かんでいた。
鮮やかに波打つ若草色の長髪。蛇と蛙をあしらった髪飾りが可憐に映える。エメラルドグリーンの瞳の美少女。
カプセルは溶液で満たされ、少女は全裸で囚われていた。
年の頃はパチェルート姫と同い年くらいの少女は、途上ながら豊かに育ちつつある胸も、美しい肢体も、既に散らされてしまった乙女の秘部も、隠す術もなくさらけ出している。
否。隠す意思すら失っている事が、完全にハイライトの消えた虚ろな瞳が物語っている。
ざわざわ…
禍々しい巨大魔人に組み込まれた美少女の存在に場の者たちがざわめく。

「ほう、あの小娘…俺様たちが滅ぼしたモーリヤ帝国の…」
「その通りだヨ、盟友。紹介しよう!吾輩のオモチャ、サナ皇女だゾ♪おっと『元』皇女だがネ」
「サナ姫か…確かに飛びきりの美少女だが…性格がウザ過ぎて俺様の好みじゃなかったぜ」
「ひゅっひゅっひゅっ、ソレを吾輩が貰ってにとり教育を施したのだヨ♪」

≪サナと申します…私は…オネダーン様の、ドレイです…≫

強力な思念波がその場の全員の頭に直接響く。清楚で美しいが生気の消失した声。
「ひゅーっひゅっひゅっ調教は万全のようだナ♪最初はナマイキでウザかったが、吾輩と崖下共で徹底的に凌辱し今や吾輩の忠実なるオモチャなのだァ!」
崖下(復活)「ぐひょひょ〜!サナたんペロペロ〜♪」

ズーン大陸諸国でも新興勢力の神聖モーリヤ帝国の皇女。
サナ姫は外の世界出身の外来人(がいらいびと)である。
「外来人は幻想人よりオーラ力が強いが、サナ姫は実に素晴らしい実験素材だヨ!彼女を調教しヒソウテンソクに組み込み、更に特殊なオーラ増幅機によって…その奇跡を起こす程度のオーラ力を極限まで搾取し尽くすのダ!」
≪はい。私の奇跡の力…この命…身も心も…全てはオネダーン様の為に…≫
「ひゅーっひゅっひゅっ良い子だ…後で御褒美に吾輩のキュウリをたらふく食わせてやるゾ♪」
≪…はいっ♪私…頑張りますから…!≫
虚ろな瞳に鈍い輝き。絶望と快楽によって完膚無きまでに従属させられた憐れな少女の瞳。
かつては常識に囚われない東風のように自由な少女であったが…
その素直で天真爛漫な性格と自信に満ちた可憐な美貌で帝国臣民から愛された美少女は、今や巨大兵器に搾取され下種どもに弄ばれる雌奴隷でしかなかった。

「そんな…なんて惨い事を…!このままでは彼女の命は…!」
ヒソウテンソクの非道なシステムに、心優しいパチェルートは我身の顧みず愕然とする。
「パチェの言う通りだ!オネダーン!その娘を…サナ姫を弄ぶのをやめるんだ!」
「煩いなぁ。吾輩のオモチャを吾輩がどうしようと勝手だヨ♪死に損ないがァくたばるがいい!」
キイイイイィィィン!
再び飛翔するヒソウテンソク。
「ぐっ!」
ズキン。傷の痛みを押して飛び立つレミリオ。
(彼女を傷付けずにアレを墜とすッ!それにパチェを救うには…コイツを引き離さないと!)
痛みを堪えて再び魔力を集め、スペルを放つレミリオ。

紅符『ブラッディマジックスクウェア』!!!

魔力が無数の深紅の刃となりて邪悪魔人の視界を覆い尽くす。
「ひゅーっ馬鹿め弾幕は効かんと言ったァァ…!」

障壁『オーラバリア』

ガギギギギィィィィン!!ドドドドゥ…!
障壁に阻まれた弾幕が紅い血煙りを上げて視界を遮る…
「ひゅっひゅっ、学習能力のない馬鹿勇者め…ひゅい!?」
「隙ありだオネダーン!うおおおおっ!!」

夜符『バッドレディスクランブル』!!!

弾幕スペルが効かないのは承知、目晦ましの隙に連続でスペルを発動。
「小癪な勇者め弾幕で目晦ましの隙に接近戦スペルとはーっ!」
(説明セリフ)
空中を蹴り超加速、魔力を纏い突撃。狙うはオネダーンのコクピット!

「なんちて♪馬鹿めーーっお前の動きは読めてるゾ♪これで終わりだァーっ!!」

河童『スピン・ザ・セファリックプレート』!!!

読んでいたオネダーンが迎撃スペル発動。スペル発動の度に、サナ姫のオーラ力が掠奪される…
「くっ!しまった…うわあぁぁ!」
増幅された弾幕が勇者渾身の突撃を、無残にも粉砕する…刹那。

≪…はぁ…はぁ…ごぼっ、もう…ちから、が…申し訳、あり…≫
「ひゅいぃぃ!?何故発動せん!オーラ力の不足だとォォ!?ウボアァァァ!!!」
ドゴオオオオッ!!!
ピチューン。
バッドレディスクランブルの一撃にさしものヒソウテンソクも大ダメージを受け、吐血するオネダーン。
だが撃破には至らず…。

「サナ…この愚か者め!!雌ドレイの分際で怠けおってェェェ!!」
激怒するオネダーンイジョー。
≪あ…嫌…助け…オネダーン様御慈悲を…≫
バチィ!
≪ひあ゛っ!!?≫
ビクンッ!
バリバリバリバリバリ!!!
≪嫌あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!≫
バリバリバリバリバリ!!!
カプセルの水溶液に流された苛烈な電撃が一糸纏わぬ少女を貫いていく。
水溶液の呼吸と生命維持の機能により命を奪う事は無いが、溶液は強力な媚薬でもあり、全身に染み込み敏感にされた身体中を激痛と快楽が蝕んでいく。
ちなみに水溶液で満たされたカプセルの中で溺れないのは、エ○ァのエン○リープラグと似たシステムである。
≪あ゛ぐうぅぅっ…ふあぁぁぁっ…壊れ…めぇ…許し、て…≫
ビクン!ビクン!ビクン…ピクピクピク…。
プシャア…水溶液が一瞬だけ黄色く濁る。失禁したのだ…
すぐに浄化される水溶液が、止め処なく流れる愛液で白く濁り…再び透明となる。
サナ姫の焦点を失った深緑の瞳は苦痛と恐怖に見開き、痺れ痙攣する美しい肢体は激しく弓なりに折れ、発育の良い乳房を揺らして身悶える。
≪申し訳ありません申し訳ありませんですが私は…≫
「言い訳はいらん」
バチイィィ!ビリビリビリビリ……!!
ピィンと勃起させられた乳首に無慈悲な電流が貫通する。
ビクゥゥゥン!!!
≪〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!≫
「お前はヒソウテンソクの一部であればよいのだ」
バリバリバリバリバリ!!!!
≪ひゃぐうぅぅぅ!!?あ゛あ゛〜〜〜っっっ!!≫
……ドプッ!!!!
壊れる程の壮絶な痛みと快楽に、既に心を壊されている少女は何百回目かも分からぬ絶頂を、透明で遮る物の無いカプセルの中で衆人に見せつけるのだった。

「ぜっぜっぜっ、教授もなかなか楽しそうな事するじゃないか。まあ俺様のパチェ姫が一番可愛いがな♪」
「……ぱるぱる」(やはりこの田舎娘…生かしてはおけないわね)
崖下「ぐひょひょ〜パチェ姫も最高の美少女だがサナ皇女も極上のエロ可愛さだぜーっ!電気責め萌え〜!」

「や…やめてーっ!彼女が死んでしまうわ!」
「ひゅっひゅっひゅっ御心配にはおよびませんゾ、パチェ姫よ…部品のメンテナンスは万全。
オーラ力を絞り尽くしても、精液を大量注入すれば生体オーラ供給機としてリサイクルできるゾ♪」
崖下A「ぐひょひょ〜っ俺らにおまかせを!俺ら全員で犯し尽しナカにドッッップリと出してあげますぜ〜っ」
崖下B「これ程の美少女のカラダを毎日味わえるとはオイシイですグェッヘッヘッヘッ♪」
崖下C以下略「ぐへへへ楽しみだねぇサナちゃん♪俺らと毎日毎日毎日毎…遊ぼうね〜♪」
≪……あはっ…ふふふ…あははははっ…≫
サナ姫はエメラルドの冥い瞳から涙を零し、壊れたように笑い続ける…。


「外道共が…!絶対に許さないぞ、オネダーン!」
「ひゅっひゅっ満身創痍の勇者に何が出来る…さぁドレイよ!お前の全ての奇跡をオーラ増幅機に注ぐのだァ♪」
≪…かひゅーっ…かひゅーっ…はい。御命令の…まま、に…ごぼっ…≫
苛烈な電気責めに加え限界を遥か超えるオーラ力を搾取され続けた少女に、命の危機が迫っていた。
それでも決して逆らう事は出来ない。逃げられない。絶対的な痛みと絶望と、快楽の鎖からは。
「いいゾぉサナよ素晴らしい奇跡の力だ…では勇者よ見せてやる!このヒソウテンソクの真の力をな!!」
ヒュイイイイ……
(これは…更にオーラ力が増している…それに、しまった!姿が見えない!)

光学『ハイドロカモフラージュ』

完璧なるステルス性能を発現するヒソウテンソク。巨体を完全隠蔽するエネルギー源として、サナ皇女の命が削られる…。
「死ね勇者レミリオォォ!!」

究極『オーラ幻影斬』!!!

ガガガガガ!
不可視の斬撃がレミリオを切り刻む。
「うわあああっ!!!」
ズダダダタァァン!!!!
再び大地に叩き付けられ…爆音と土煙の中、倒れ伏す。
「く…ぅ…ぐ…ガハァ!」
どさっ。
「あ…そんな…レミィ…?嫌…レミィが…っ」

「フフ…すばらしい威力だオーラ幻影斬…カリスマというだけで勇者を名乗る愚か者…己がカリスマのブレイクを思い知ったか…」
「っ!そんな言い方…レミィは!私や皆を守る為に戦ってくれてるのに…!」

「いいんだパチェ…たしかに最初はそうだったからな…」
「レミィ…?」
「だけど今は違う…幻想郷に呼ばれて…戦い続けて…出会った多くの人々…信頼してくれる者…」
≪レミリオ様…!≫
「そして僕の愛する…パチェ」
「レミィ♪」
「そのみんなが呼んでくれるから…僕は勇者を名乗るんだ…!!」

「その勇者の誇りが教えてくれた…あんたのヒソウテンソクは存在してはならない!!」
「レミィ!」
ビュウウウウゥ!!
人々の想いを集め、勇者レミリオが起つ。

「…おもしろい。ならば勇者の誇りとやらどの程度のものか…見せてもらおうか――!!」

光学『ハイドロカモフラージュ』
究極『オーラ幻影斬』

ゴガガガガガッ!!!
圧倒的な火力と密度な上に不可視の回避不能斬撃がレミリオを切り刻んでいく。
「レミィ―――!!」
「パチェ…僕を信じて!」
「っ…!負けないで!レミィ―――っ!!」

(落ちつけ…まどわされるな!!弾幕の流れを見るんだ!)

「そこだぁ――――!!!」
神槍『スピア・ザ・グングニル』!!!!

愛する者の想いを力に変えて、深紅の槍が悪の魔神を貫く。

「バ、バカな…このヒソウテンソクが…!?これが…これが!勇者のカリスマだというのか…!!」
ズダダダダダダタアァァァン!!!!
「やめろよーぅ!!!」
ぴちゅーん。
ZUUUUUUN!!!!!
悪の技術者オネダーンイジョーの断末魔が響き、熱核邪悪魔神ヒソウテンソクが轟音と共に崩れ去る…。

民衆(妖精メイドL)「や…やったぞ!さすがスカーレットの勇者様じゃ!」
勇者レミリオ王子の勝利に沸き立つ民衆の歓声が木霊する。
「レミィ…よかった…」
「パチェ…勝ったよ。君の為に…」
「レミィ!貴方が無事で…ほんとうによかった…」
「パチェ…心配かけてゴメン。いますぐ、君を助けるよ!」
「レミィ♪」

「あわわわっ俺様の盟友が負けちゃったぜ!?こんな事態、理解出来ないし…納得もできないよ…」
悪の盟友オネダーンイジョーの敗北に動揺する魔王だが。
「ぜっぜっぜっ、こうなったらまたパチェ姫を人質にして…」
再びキノコ触手でパチェルートの拘束を強める魔王。
「嫌ぁ…レミィ…!」
「ぜーっぜっぜっぜっ!勇者よパチェ姫がどうなってもいいのかぁ?抵抗するなだぜ!」
「くっ!卑怯者!レミィ!私に構わないで!お願い…」
魔王が約束を守らない卑劣漢だと知るパチェルートが叫ぶ…その刹那


≪そうはさせないわ…卑怯者の魔王さん≫
「ぜ!?」
≪この時を待っていたわ!我が主君の命により!ヴワル王女パチェルート様は返してもらうわ!≫
美しき銀髪の少女騎士が魔王陣営の死角から奇襲を敢行する。

奇術『幻惑ミスディレクション』

ミスディレクション。あまり注視して欲しくない場所から相手の意識を逸らす技術の名を冠するスペルが発動。
死角からの無数の銀ナイフが、パチェルートを拘束する触手を細切れに切り裂き次の瞬間、囚われの姫の体を抱いて離脱する…筈であったが。

「ふふっ…あはははははっ甘いわぁ♪私の可愛い人形たちよ!迎撃なさい!」
仏蘭西「ワレらレンゴクノナナクイにオマカセヲ、マスター…」
オルレアン「ゲイゲキトいワレルガ、ベツニ、アレヲタオシテシマッテモかマワンノダろウ?」
和蘭「ワタシタチ、マすターにシンライサレテテシアワセダナー」
露西亜、倫敦「コノニンムガオワッタラ、ワタシタチ、アリスサマニホメテモラウンダー」
命をくれた。造ってくれた敬愛するマスターの為に。喜び勇んで出撃する人形たち。
七体の人形たちが降り注ぐナイフに立ちはだかる。
「くっ!気付かれていた!?それでもこの距離なら!パチェルート様をお救いし王子の元へ…!」
神速のナイフは防げまい。弾幕が煉獄の七杭の迎撃をすり抜け…る瞬間。にこっと微笑むアリス。

魔符『アーティフルサクリファイス』♪

京「…エ?」
閃光。炸裂。轟音と爆風。叩き落とされた無数のナイフと、自爆させられた人形たちの残骸。
西蔵「マス、ター?なゼ…?ワタシタチは、イッタイ…」
「くすっ♪捨て石御苦労さま。私の可愛いお人形たち♪あははははっ♪」
哀しそうな目で見つめる人形たちの残骸を踏みにじり哄笑する可憐な魔女。
「私の都会派な歓迎はお気に召したかしら?可愛い勇者の従者さん♪」
「悪趣味ね貴女…」
(姫様が人質にされる前に!なんとしてもお救いせねば!)

「安心なさい。魔王の二番煎じなんて、とかいはじゃないわ。さあ貴女も私のお人形にしてあげる!」
「やれるものならやってみなさい。悪しき魔界の人形師…!」
(レミリオ様…パチェルート様は必ずや貴方の元へ!我が命に代えてもッ!!)



…つづく!
(俺様の存在感が無いだって…?こんな事普通じゃ考えら…r)
(ちなみに人形たちは後でちゃんと直すわよっ♪)
(ヨカタ♪オワッタカトオモッタヨ…)


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