不敵に微笑む悪の魔女に正義の剣を突き付ける、銀髪の少女騎士。
年の頃は勇者より2つ上の美少女。騎士鎧に身を固めた勇姿は勇ましくも少女らしい可憐さも匂わせる。
囚われのパチェルート姫を救出すべく敢行した奇襲を見抜かれるも、その瀟洒な身のこなしに一点の迷い無し。

妖精メイドA「きた!盾きた!メインメイドきた!これで勝つる!」
妖精メイドB「何と美しく瀟洒な女騎士様じゃ…!」
妖精メイドC「いったい何者なのでしょう?」
ざわざわ…苦戦する勇者に加勢に現れた美少女騎士登場に色めき立つヴワル民衆に、ココアは
「あ…あのお方は…!」
妖精メイドD「知っているのですかココアさま!?」
「はい。あの方はスカーレット王国の騎士団長、サクヤ様です。勇者様の右腕として活躍された騎士様なのですよ♪」
サクヤの実力を知っていたココアの表情が希望で輝く。
「……そうさ。サクヤは僕の一番信頼する大切な仲間なんだ」
「ゆ、勇者様!」
誇らしげに微笑む勇者レミリオ王子。
「でも、敵は卑劣な罠を残している!僕もサクヤに加勢してパチェを…ぐふっ!」
「勇者様!?まだ御無理をなさっては…!」
がくっ。フラつき膝をついてしまう勇者を慌てて支えるココア。
勝利したものの、オネダーンの操るヒソウテンソクから受けたダメージは深刻であった。
「私が回復魔法を…!」
「…いや、僕は大丈夫。それより、サナ姫を早く…治療してあげるんだ…」
オーラ増幅器の水溶液から救出されたサナ姫。
その濡れた裸体に貼りつく緑色の美しい髪そして、こびり付いた白い愛液…。
ビクビク震えるたび、その秘部からは止め処なく愛液が垂れ流される。
完全にハイライトの消えたエメラルドグリーンの瞳は虚ろで最早何も映ってはいなかった…。
「な、なんて惨い…分かりました、サナ様は私が治療いたしましょう」
「頼むよ、ココア…僕は、パチェを救い出さなくては…ぐっ!」
「ああっ!ムチャです勇者様!そのお体では…!」
「無茶は承知…!それでも!僕は…勇者はッ!戦わなくてはならんのだッ!」
ココアの制止を振り切り、不死身の勇者レミリオが立つが…

「お待ちください王子。ここは私に任せて休んでいて下さい」
「サクヤ…しかし…」
「…貴方はズーンの勇者…人々の、いえ!この私の希望なのです!」
「サクヤ…!」
「王子…貴方はこうして立ち上がり…見ていて下さるだけでも、私に勇気を下さる!私は負けません。ですから姫様は私に任せて、安心してお休み下さいませ」
「ふっ…いいだろう、君に任せたよサクヤ。でも、回復したらスグに加勢するよ?つっ立ってるだけのほうが逆に疲れるからね…」
「ははっ!御任せを我が君よ!」
固い信頼で結ばれた勇者主従のやりとりを見て、嘲笑する影あり…


「ふっふっふっ…あはははっ!任せろだなんて、私もナメられたものだわっ」
「魔界の傀儡師…アリス!貴女を倒し、パチェルート様を返してもらうわよ!」
チャキンッ!白銀の剣を構え、アリスと対峙するサクヤ。
(姫様を人質にされたら厄介ね…何とかその前に…!)
「ふふふ…!前にも言ったけれど、私は貴女に対しては姫を人質にはしないから、安心なさいな♪」
サクヤの懸念を見透かしたように余裕の笑みを見せるアリス。
「…!ならば好都合…覚悟なさい魔女めッ!」
ヒュン…ザザザザ…!
長剣を突き出し一挙に間合いを詰める。
(魔女は接近戦は不得手の筈…今ヤツの身辺に護衛の人形兵は居ない…!)
「受けよ我が秘剣…!」

傷魂「ソウルスカルプチュア」!!!

神速の飛ぶ剣撃が無数の刃となりて丸腰の人形遣いを討つ!
ガキイィィィィン!!!
「決まっ…なっ!?」
ギリ…可愛らしく微笑む人形遣いを切り裂くかに思えた斬撃が、突如出現した人形兵に止められていた。
「ククク…このテいどの剣デ我がマスターを討つなど笑止千万ダナ、ホーライよ」
「シャンハイの言う通リダ…フッフッフッ」
人形兵と鍔迫り合うサクヤの背後にもう一体の人形兵が出現、凶刃を振り上げる。
「くっ…人形兵がもう一体!?」
「死ぬがヨイ!」
ギィィン!ドガッ!
「がはっ…!」
並外れた反射神経で剣を後ろに回し斬撃を防ぐも、その威力を殺せず吹き飛ばされるサクヤ。
「強い…!煉獄の七杭とは一味違うわね…」
「フフン当然ダ。京やオルレアンが如き出来損ないの不良品とイッショにされては困るナ!」
「左様。ワタシとホーライこそが、アリス様に作らレし最高傑作…ッ!勇者ノ従者風情がマスターに触れる事スラ敵わぬわァ!」
ゴゴゴゴゴ…!

「如何かしら?私の可愛いお人形たちは…あーっはっはっはっ!」
ギィン!キン!カキィィン!
「ぐっ…くぅぅ!」
常人の目にも止まらぬ高速剣を二人掛かりで仕掛けられ、防戦一方のサクヤ。
鎧が破損していき、ジリジリとダメージを蓄積させていく…
「口ほどにもないわね勇者の従者さん?もう終わりかしら…」
自慢の人形兵2体の圧倒ぶりに満足げに笑うアリス。その時…

「がんばれー!まけないでー騎士さまぁー!」
「スゥ!…うん!お姉ちゃんも応援するわ!…騎士様負けないでッ!」
金色の髪の、あどけない少女の声援。姉の緑髪の美少女もそれに続き、ヴワル民衆も勇気を出して
リリーホワイト「負けないで下さいー騎士様ー!」
妖精メイドG「メイン盾は砕けない!」
妖精メイドH「黄金の銀の塊で出来たフラワリングナイトが人形装備の魔女に遅れを取るハズが無い!」
やんややんや!
…イラッ「ちっ、煩い観客共がァ!…特に、あの金髪のお嬢ちゃんが生意気だわ…っ」
「黙りなさい民衆共。今に貴方達も人形にして全身バラバラにして遊んであげるわよ…!」
ゴゴゴゴゴ…!
妖精メイド達「ひっ…ひぃ〜っ」
邪悪な威圧感で民衆を黙らせるアリスの瞳に、一人の幼い少女が捉えられていた。
民衆たちがビビって押し黙る中、一人勇気を振り絞り声援を送る、人形のように愛らしい美少女。
(さっきから煩いガキだけれどあの子…ふぅん、よく見ればとても可愛いわ…気に入った♪)
ニヤリ、と邪悪な笑みを浮かべるアリス…

崖下「アリス様!なればあの幼女は我らにお任せを〜っブヒヒヒっ」
俺ら「ぐえっへっへっ、俺は緑髪のお姉ちゃんの方が…」
紳士「ひーっひっひっ、では俺はココアちゃんチュッチュ」
…イラッ「お前達も黙りなさい」

魔光「デヴィリーライトレイ」 !!

俺ら全員「ウボァー!!」
ピチューン。

「全く…。さぁて、新しいお人形さん、こっちにおいで…♪」
変態どもを始末した後、改めて暗黒闘気を放つ、アリス。

≪うふふふ…そこのおチビちゃん、私のお人形にしてあげるわっ♪≫
「…!?こ、怖いよぉルーネお姉ちゃん…スゥの頭の中に怖い人の声がするよぉ!」
「スゥ!?いったい、これは…!」
妹の異変に気付くルーネの前で、カラダの自由を奪われていくスゥ…

≪憐れなる幼子よ…我が暗黒闘気の糸によりて人形となれ…!
…闘魔傀儡掌…!!≫

「…!う…あ、あ…お姉ちゃ…助け…」



キン!ギィィィン!ヒュン!ザシュウ!
「フハハ、コレマデノヨウダナ女騎士ヨ!」
「シャンハイよ、このままイッキに仕留めるゾ!」
「…はぁ!はあっ!くうぅっ!」
追い詰められるサクヤ。
「サクヤ!危ないわ!私のことはいいから、逃げて!」
見かねたパチェルートが叫ぶ…が、勇者は微動だにせず。
「ふっ…心配要らないよパチェ…サクヤは強いっ!絶対、負けないさ…!」
主からの絶対の信頼に、瀟洒に微笑み返すサクヤ。
「当然です。さて、そろそろこのガタクタ達を片付けるといたしますわ」
「ナニィ!フザケオッテ…ホウライよ!全力攻撃ダ!」
「オウヨ、シャンハイ!シヌガヨイワ〜〜〜ッ!」
激昂した二体の人形兵の凶刃が交差する、刹那…!
「ふっ…私にばかり気を取られすぎよ?貴方達に我が手品の種は見抜けない…!」
「ナニヲワケノワカラン事……な、何ィィ奴の姿が消え!!?」
攻撃が空振りし、次の瞬間、絶句するシャンハイとホウライ。
「バ、バカなイつノ間に!?全方位にナイフだとォォ!!」
二体を取り囲む無数の聖なるナイフが満天の星空の如く輝き…

幻世「ザ・ワールド」!!!!

ドガガガガガガガッ
シャンハイ&ホーライ「ウボァーーーー!!!」
ピチューン×2

サクヤの必殺剣が炸裂。
全員をハリネズミの如く貫かれた人形兵の断末魔の叫び…。
その威力により、地面を抉った銀ナイフが濛々と土煙をあげアリスの視界を遮る…
「チェッ…シャンハイとホーライのうすのろめ。どうせ死ぬならサクヤを倒してから死ねばよかったのに…」

「命を賭け戦い散った部下に労いのひとつもないのかしら冷酷な魔女さん?」
「なに…!?」
「真の狙いは貴女よ!覚悟なさいアリスッ!」
人形兵を撃破したスペルで煙幕を張り、人形師本人を狙った必殺の剣!その一撃が金色の髪の美少女の首を捉えた!
かに思われたが…!

「なっ!?」
………ぴたっ。
すんでの所でサクヤの剣が止まる。
「あーらヒドイ騎士さんねぇ。こんないたいけな子供を斬るところだったなんて♪」
「…くっ!これは…!」
アリスの盾になるように、幼い少女が立ちはだかっていた。
否、人形師の人形として、盾にさせられていた。
「ふえぇ…体が勝手に動いちゃうよぉ…怖いよぉ…ルゥネお姉ちゃん…」
「す、スゥーーーッ!?どうして妹が…!」
「ふふふ…!この金髪のお嬢ちゃん可愛いから、私のお人形にしてあげたのよ!我が邪術、闘魔傀儡掌でね!」
「闘魔傀儡掌ですって!?」
「そう。本来は人形たちを操るのに使う技だけどね♪暗黒闘気の糸で自由を奪われたスゥちゃんは最早私のお人形ってワケ♪」
ちなみに闘魔傀儡掌は精密な動きに向いておらず、隠密に精密に操るコズミックマリオネーションとは使い分けていた。
「くっ…無力な幼子を盾に取るとは卑怯な…!人質は取らないと言ってなかったのかしら!?」
「あら?私はパチェ姫は人質に取らないと言ったまでよ?ふふふ、さあ貴女も人形におなりなさい!」
「…っ!私の身体にも邪術を仕掛ける気ね!そんな手には乗らないわよ!」
全身に剣気を漲らせ、邪術に備えるサクヤ。暗黒闘気を見切り糸を断ち切ってしまえば怖るるに足らず!
だが…!
「…フフフッ…愚かな騎士さんは網にかかったことすら気付かぬと見えるわ!!」
ズズズズズ…
「なにっ!!?」
バババババババ!
アリスを中心に暗黒闘気の糸が蜘蛛の巣を張るが如く展開されていく…
「バカな…!これがアリスの暗黒闘気の底力なの…!?」
「…さあ!私のお人形になりなさいっ!」

暗闘「闘魔滅砕陣」!!!!

「ぐっ…あっ!あぐぅ…か、身体が…動か…っ!」
「掛かったわねサクヤ!これで貴女も私のお人形よ!」
まるで蜘蛛の巣に絡め取られたかのように自由を奪われた身体が、宙に浮いていき…空中で固定される。
全身を締め付ける邪悪な糸の圧迫に、鎧は軋み、激痛に呻くサクヤ。
「うあぁぁん痛いー!いたいよおぉぉっ!」
同時に網に囚われたスゥの身にも危機が迫っていた。
「…ぐっ!その子は関係ないでしょう…やめなさいアリスッ!」
酷薄な笑みを浮かべるアリスを睨みつけるサクヤ。自由を奪われ腕を捩じられようとも、未だ剣だけは落とさない。
「あら?私のお人形を私が壊そうが私の勝手でしょ♪ふふ、この子はお気に入りだから、スグには壊さないけどね♪」
バババババババ!
「貴女もよサクヤ?壊れる前に、楽しませなさいっ♪」
「ぐっ…うわあぁぁぁぁっ!!!」
ギリギリギリギリッ!
サクヤの身体に更なる暗黒闘気を注ぎ込むアリス。
その鍛えられた華奢な身体が見えない糸でピィンと張り詰め、弓なりに反り返り、壊れかかった胸当ての上からも僅かに膨らみの見えるカラダのラインが強調される。
その美貌は苦痛に歪み、暗黒闘気流で重力に逆らって浮き上がった銀髪がサラサラとなびく。
それでも。
「ぐっ!くはぁっ!レミリオ様がッ…我が主が見ておられる前でッ!負けるワケにはいかないわっ!」
「ば…バカな我が暗黒闘気にまだ抗えるなんて…!しぶとい女ね!」
サクヤの闘志にちょっと僅かにビビったアリス。その時…

「ぜーっぜっぜっぜっ!アリス!俺様も手伝ってやるんだぜーっ」
(つーかようやく俺様の出番なのぜ?こんな事普通じゃ…)
「あら魔王。すっかり忘れてたけど、貴方何をするつもりなの?」
「ひ、ひどいなあ…俺、仲間はずれですか?」
と悲しくなったので腹いせに…
「なんだっていい!サクヤを倒すチャンスだ!」
媚薬「淫魔キノコの胞子」!!!
バフッッ!!
いきなり媚薬の胞子を放つ魔王ミストレイン。
濛々と撒き上がった胞子が、闘魔滅砕陣で動けないサクヤの身に降りかかる。
「けほっ!?…こ、これは…っ!」
「ちょ、私まで吸い込んじゃったじゃない!魔王ったらいきなり何するのよ!」
「けほっ!けほっ!くるしいよぉお姉ちゃーん…」
サクヤだけでなく、アリスとスゥも媚薬胞子を浴びて、けほ、けほっ!としばし咳が止まらず…
「あ、すいません!ついうっかり…」
味方のアリスに誤爆してしまった魔王は(てへ!)と謝るのだった。

「けほっ!…はぁ…ふあっ…魔王…何を、したの…!?」
激しい身体の疼きと動悸を覚え、戸惑うサクヤ。
(んっ…闘魔滅砕陣の拘束が緩んでいる!?アリスの闘気も乱れている…チャンスだわっ)
いつの間にかアリスによる拘束が少し緩み、抵抗を開始するも…
「んっ!くっ…ふぁ!身体が…熱い…どうして…くぅぅっ!」
ゾクウゥゥ。ガクン…。
鎧の中で皮膚が擦れるたび、痺れるような甘い疼きに力が抜けてしまう。
「ふぁ!んっくぁぁ…さすが、ミストレインの媚薬胞子は効くわ…下着が濡れちゃったじゃない、全く…」
人形のように愛らしい頬を赤く染め、呼吸が荒くなっていくアリス。
洋服や下着がカラダに乳首に擦れるだけで甘い疼きを覚え、暗黒闘気の維持は困難であった。
その時…

崖下(復活)「辛そうですなぁアリス様?カラダの火照りが収まるまで、しばし休まれては如何かと」
俺ら(復活)「その間、このお美しい騎士様は我らにお任せをイーッヒッヒッ!」
紳士(復活)「ボグはこのちっちゃなお人形ちゃんをグェヘヘヘ!」

「あ、あんたたち…なんてしぶとさなの!?ふふふ、まあ良いわ…このナマイキな女、存分に可愛がってあげなさい!」
俺ら全員「グエッヘッヘッヘッ!サクヤさんを凌辱できるとは〜っ耐えた甲斐があったぜーっ!」
「ぜっぜっぜっ!俺様はパチェ姫一筋だから別にいいのぜ!なぁ、アリスっ☆」
ポン、とアリスの肩を叩く魔王。
ビグンッ!ゾクゥ…!
「あぁん!?ちょっとミストレイン!いま私敏感だから、さわらないでよっ」
「わ、わかってるよ…」(って、言っとかないと、説教が長くなるからな…)
…な感じの魔王陣営のやりとりを見て

「む、むきゅ…いけないわ!このままではサクヤが…!」
「ぐっ、サクヤが危ない!今行くぞ……ぐふっ!」
「ああっ!勇者様まだ動いてはダメですーっ!今私が治癒魔法行使中ですから、少し待ってて下さい!」
「ぐうーっ!ココア!急いでくれ…」
(すまない…しばらく耐えてくれ!今いくぞ…サクヤ!)


「ブヒヒヒッ!覚悟はよろしいかな、サクヤさん?」
「俺らがターップリと可愛がってあげますぞ…イーッヒッヒッヒーッ!」
「はぁ!ふあっ!くっ、誰が貴方達のような、ゲスなんかに…っ!ふあぁっ!」
(んくっ!王子が…レミリオ様が見ておられる前でッ!無様な姿をさらすものか…ッ!
貴方様が来られるまで…耐えて、みせるッ!!!)

つづく!



(……あれ?9話なのにあたいの出番は…?)
展開上出番無かったです。ごめんね。


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