02:自慰


 朝、目が覚めると、あそこがべとべとしていた。
 昨日の神無堂様との行為の証だ。
 頬を触ると、ザーメンが残っていた。
 それを指で拭い、口に運ぶ。
「……美味しい」
 頬を涙が零れる。
 こんな犯された証が美味しいと思えてしまう自分が嫌で仕方なかった。
 そしていきなり、お腹の中で何かが震えた。
「アァァァン!」
 甘い声が漏れる。
 あの携帯電話がメールの着信を知らせる。
 そこには、新しい命令が書かれていた。


 あたしが登校し、昨日と同じトイレに皆を集める。
「神無堂様から新しい命令が来たよ」
 その言葉に、複雑な顔をする皐月ちゃん。
 如月ちゃんが詰め寄る。
「早く教えて! 何でもするから!」
「如月、落ち着いて」
 師走ちゃんが制止するがその手を払い如月ちゃんが言う。
「眼鏡フェチにたっぷりご褒美を貰った貴女には、解らないのよ! あの後、何度も何度もオナニーして、すればすれほど、チンポが、ザーメンが欲しくなって、満たされないまま朝を迎えた、私の気持ちなんて!」
 如月ちゃんが泣き崩れる。
 あたしは、何も声をかけられなかった。
 そんな中、卯月ちゃんが言う。
「命令を守れば、ご褒美がもらえる」
 その言葉に、あたしは、皆に命令を伝え、最後に言う。
「やるタイミングは、命令にあった通り。開始は、あたしの中に入れられた卵型バイブが震えたら。合図後に、あたしの携帯に見えるようにオナニーを初めてね」
 皐月ちゃんや師走ちゃんは、青褪める。
 卯月ちゃんですら、言葉を無くしていた。
 ただ一人、如月ちゃんだけは、違った。
「やってやるわよ。そうしなければご褒美がもらえないんだったら!」
 こうして、あたし達の最悪な学校生活の一日がまた始まる。


 一時間目の授業中、最初の振動があたしのオマンコの中の卵型バイブが放つ。
 あたしは、卯月ちゃんに合図を送る。
 そして、卯月ちゃんが手を上げる。
「保健室に行って良いですか?」
 無表情の卯月ちゃん、先生も仮病とは、気付かない。
「一人で大丈夫か?」
 卯月ちゃんが首を横に振り、あたしを指差す。
 先生が卵型バイブの振動を必死に堪えるあたしに言う。
「ついていってくれるか?」
 あたしは、席を立ち言う。
「解りました」
 そして、あたしと卯月ちゃんは、保健室に行かずにトイレの個室に入る。
 そこで、卯月ちゃんは、下着を脱いで割れ目に指を這わせ始める。
 卯月ちゃんへの命令は、授業中に女子トイレでオナニーである。
 無事絶頂に達したら命令達成だが、卯月ちゃんのオナニーは、単調だった。
 無言でひたすら割れ目を擦るだけ。
 そんなに気持ち良くないのだろう、直接触っていないが、卵型バイブで刺激されているあたしの方があそこを濡らしている。
「葉月、オナニーってどうやる?」
 この段階になってから基本的な事を聞いてくる卯月ちゃん。
「えーと、エッチな事を考えながら、オマンコ、特にクリトリスを弄れば良いと思うよ」
「僕は、そういうの苦手」
 卯月ちゃんは、頭も良いが、イメージするのが苦手らしい。
 それでも肉体的には、神無堂様達に開発されているので、クリトリスを弄ればそこそこ濡れてきた。
「ウゥン」
 しかし、そうしている間に、あたしの卵型バイブの振動が止まる。
「タイムオーバーみたい」
 あたしは、携帯に送られてきたメールを見せる。
「……そう」
 トイレットペーパーであそこを拭いて下着を履く卯月ちゃん。
 何時もと同じ無表情だが、それでも何処か、悲しそうに見えた。


 次の振動は、二時間目の後の長い休み時間に来た。
「師走ちゃん、図書室に行こう」
 その言葉に師走ちゃんの顔が引きつる。
「駄目?」
 他の人に解らない様にやるか確認すると、師走ちゃんは、戸惑いながらも顔を赤くして言う。
「……良いわ」
 そして、あたし達は、図書室に行く・
 師走ちゃんは、他の人たちから死角になる場所に行き、椅子に座って、一冊の本を立てて、オナニーを始める。
 確かに死角になるが、周りからは、他の生徒の声が聞こえる。
 師走ちゃんは、声が聞こえるたびに肩を震わせ、怯えながら指を動かす。
「……アァン」
 声を堪えようとするが、師走ちゃんの口から甘い声が漏れる。
 見られるかもという感覚が気持ち良いんだ。
 あたしは、神無堂様達との行為の中、何度かやった公開オナニーを思い出す。
 見られると意識をすればする程、恥ずかしさと共に気持ちよさが高まる。
 そんな事を思い出しているだけで、あたしのオマンコからは、愛液が滴ってくる。
 それを考えれば、こんな不特定多数に見られるかもって言う状況でオナニーしている師走ちゃんの快感は、どれだけのものだろう。
 そんな中、師走ちゃんが大きく口を開ける。
「アァァ……」
 大きな声を出しそうになった師走ちゃんの口を、あたしが慌てて押さえた。
 そして、その声に釣られて、何人かがこっちをみる。
「どうかしたのか?」
 あたしと師走ちゃんは、慌てて否定すると、皆、元の場所に戻っていく。
 その後も師走ちゃんは、オナニーを続けていたが、一度途切れた事と、ばれる可能性が高くなった為か大人しくなった指の動きの所為で達する事無く、あたしの中の震えが止まり、タイムオーバーのメールが届いた。


 三度の目の震えは、昼休みの開始だった。
 あたしが男子と共にグランドに行こうとしていた皐月ちゃんに声を掛ける。
「皐月、行かないのか?」
 皐月ちゃんは、手を合わせて言う。
「すまん。今日は、ちょっと用事が出来ちまった」
「そうかよ。用事終ったら来いよな!」
 外に出て行く男子達。
 あたし達もグランドに出る。
 そして、あたし達は、グランドの脇の茂みの中に居た。
 皐月ちゃんは、暫く固まっていた後に言う。
「女は、度胸だ!」
 そのままズボンと下着を脱いでオナニーを始めた。
 正直、今回は、物凄く不安だ。
 茂みの直ぐ横では、何人もの生徒が遊んでいる。
 何時ばれてもおかしくない。
 そんな中、皐月ちゃんは、口を食いしばり、オマンコを弄る。
 そしてオマンコの濡れ方が尋常でない。
 でも、解る。
 必死に声を出したいのを我慢しているが、物凄く気持ち良いんだ。
 直ぐ近くにさっき声を掛けてきたクラスの男子の声もしている。
 その日常との紙一重な事が、気持ちよさを更に上げている。
 そんな中、サッカーボールが茂みに入ってきた。
「何処に蹴っているんだよ!」
「ワルイ! 直ぐにとってくる」
 さっき、声を掛けてきた男子が真直ぐこっちに向かってくる。
 あたしは、慌ててサッカーボールをとって茂みの外に出て男子に手渡す。
「はい、これ!」
 男子は、驚いた顔をする。
「ありがとう。だけど葉月、お前にこんな所で何をしてるんだ?」
「色々よ!」
 そう怒鳴ってあたしが、茂みに戻ると、絶頂に達して脱力している皐月ちゃんが居た。
 多分、ボールが入ってきた事の激しいショックでいってしまったんだろう。


 最後の振動は、午後の授業中に発生した。
 あたしが、直ぐ後ろの席の如月ちゃんに合図を送ると、如月ちゃんは、頷き、あたしの椅子に置いた携帯に見えるように足を開き、シャーペンでオナニーを始めた。
 あたしは、先生に気付かれないように確認するが、如月ちゃんは、机に突っ伏し、必死にシャーペンを動かし、オマンコを刺激していた。
 そんな中、あたしが先生に声を掛けられた。
「後ろを見るな! 黒羽も迷惑だろう」
 あたしを叩き、如月ちゃんの方を向く先生。
 その瞬間、如月ちゃんが完全に机に倒れた。
「おい、どうした!」
 慌てる先生。
 あたしは、慌てて近寄って気付く、如月ちゃんは、絶頂に達したと。
 あたしが声を掛けられたその瞬間にいってしまったんだろう。
 その後、あたしは、如月ちゃんを保健室に連れて行った。
 当然途中でヌレヌレの下着を脱がして、万が一の為に持っていたスペアの下着に替えてから。


 そして、帰宅後、皆が集まる前から、あたしは、神無堂様に抱かれていた。
「友達を待つことも出来なんで淫乱だな」
「淫乱で構わない! あたし、ずっと見せられ続けて、我慢できないの!」
 あたしは、卵型バイブですっかり解されたオマンコにチンポを咥え込み、自分から腰を動かす。
 そうしている間に、皆が来る。
 そして、如月ちゃんが言う。
「命令を守ったわ! 早く、ご褒美を頂戴!」
 一着で何十万もするワンピースを脱ぎ捨てる如月ちゃん。
 神無堂様が頷く。
「良いだろう。皐月、お前も良いぞ」
 皐月ちゃんも服を脱いで、ゲームサークルの男性の元に行く。
「これが欲しかったのよ!」
 久しぶりのチンポの感触に涎を垂らし、感じまくる如月ちゃん。
「俺のオマンコに入れて下さい!」
 フェラチオをさせられながらも腰を振って求める皐月ちゃんにもチンポが入る。
 そして残ったのは、二人。
 睨む様にこっちをみる卯月ちゃんと不安そうな目をする師走ちゃん。
 神無堂様は、言う。
「まあ、師走の方は、我慢が足らなく、卯月は、勉強不足だな。そこでだ、師走。お前は、オナニーのやり方を卯月に見せてやれ、上手く出来たら、舐めさせてやるぞ」
 その言葉に師走ちゃんは、少しだけ躊躇したが、直ぐに服を脱いで、股を開き、卯月ちゃんに見せ付ける。
「卯月、よく見ておきや。ただ擦るだけじゃ駄目何や」
 そういって、オナニーの実演を始める師走ちゃん。
 それを凝視する卯月ちゃんであった。


 昨日の分も取り返すようにやりまくった如月ちゃんと皐月ちゃん。
 名残惜しそうに口の中のザーメンを味わっている師走ちゃん。
 オナニーのやり方を試しながら帰ろうとする卯月ちゃん。
 こうやって、あたし達は、このゲームの中で、どんどん狂気に飲み込まれていってしまう。
 このゲームに終わりがあるとして、その時、あたし達は、正気でいられるのだろうか?

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