10:冥
「この位は、食べられるでしょ?」
お母さんがそういってサラダを出してくれる。
しかし、今の私には、それすらも辛かったのです。
私は、逃げ出すように席を立ち、家を出て海が見える崖に向かいました。
「誓唯さん、ごめんなさい!」
あの御守を投げ捨るのでした。
しかし、御守は、私の手の中に戻ってきてしまいます。
「もう、棄てる事も出来ない」
私は、どうしようもない不安の中、崖に向かって足を踏み出そうとします。
死への恐怖に震える足。
それでも不安と困惑の中で生きる事への絶望が私を進めようとした時、舞夏ちゃんがやって来ます。
「一夏、死んじゃ駄目! 死ぬんだったらあたしだよ。あたしは、人間じゃないんだから!」
そう必死に言ってくれる舞夏ちゃん。
その時、私は、バランスを崩して、崖から落ちてしまいます。
もう駄目だと思った時、舞夏ちゃんの手が私を掴むのです。
「一夏、早く、崖に掴んで!」
私は、必死に崖に手を伸ばしますが、届きません。
「舞夏ちゃん、手を離してください。このままでは、舞夏ちゃんまで!」
「一夏が死ぬなんて絶対に嫌なの!」
そう叫んだ舞夏ちゃんの手が滑り、落下していきます。
私も落下する中、崖に手をかけ、舞夏ちゃんの手を掴みました。
「舞夏ちゃん、早くして」
舞夏ちゃんは、直ぐに自分でも崖を掴みました。
そして、私達は、助かったのです。
家に戻った私は、パンを食べます。
しかし、今の私は、何を食べても砂を食べてるように苦く、苦痛でしかありませんでした。
それでも、舞夏ちゃんの為にも負けないと誓ったのです。
午後私達は、両親と共にお墓参りに行くのです。
その中で、私は、お父さん達も不思議な夢を見た事を聞きました。
この一連の出来事が私が生まれる前から決まっていた事だと実感する中、私は、舞夏ちゃんに尋ねるのです。
「舞夏ちゃんは、私の味方だよね?」
長い沈黙の後、舞夏ちゃんは、辛そうに言います。
「ごめん、応えられない」
その言葉のショックに御守の力が発動します。
私の瞳が赤く輝き、エッチなコスチュームに変わり、顔を布で覆ったジンが現れました。
そして、次々に幽霊が現れた。
その中には、お祖母ちゃんの幽霊も、お祖母ちゃんに触れた時、お祖母ちゃんが見た映像が頭に浮かぶ。
中々子供が出来ない中、お母さんは、落ち込んでいました。
「私が悪いのでしょうか?」
「そんな事は、ない。今に出来るよ。その為にも今夜も」
お父さんは、そういってお母さんにキスをしたのです。
そのまま二人は、ベッドに横たわるり、お父さんがお母さんのオマンコにチンポを突っ込みます。
「アァァァン! 貴方、貴方のが子宮に当たってるわ!」
「解ってる、君の中を僕の精子で満たす!」
ザーメンを射精するお父さん。
「貴方!」
「お前!」
二人は、強く抱きしめあいながら絶頂に達しました。
私には、解りました。
その時、私が産まれたのだと。
映像も終わり、ジンが消えました。
「一夏、大丈夫。また、ジンの力に飲み込まれたのかと」
心配そうな顔をする舞夏ちゃんに私が告げます。
「舞夏ちゃんは、私に嘘を吐かなかった。本当に私の事を利用しているだけだったら、いくらでも嘘を吐けたのに。だから私は、そんな舞夏ちゃんに応える為に、この運命と正面から戦う。そう決めたのです」
それを聞いて舞夏ちゃんが微笑む。
「一夏、強くなったね?」
私は、頷き、舞夏ちゃんの手に御守を握らせて、オマンコに導く。
「だから、私のバージンを舞夏ちゃんに貰って欲しいのです?」
舞夏ちゃんが驚いた顔をする。
「良いの?」
「きっと、私は、バージンは、近い内に奪われると思います。誰か解らない人に奪われるくらいなら、舞夏ちゃんが良いのです」
私の言葉に舞夏ちゃんが頷いてくれました。
「解ったよ。私が一夏のバージンを貰うね。絶対に大切するから」
御守を持つ舞夏ちゃんの指が普段より、深く入って来ます。
「……」
痛みが私を襲いました。
「痛いの?」
不安そうな顔をする舞夏ちゃんに私が微笑みます。
「痛いけど、決めたから。このまま続けて」
舞夏ちゃんの指が更に奥に入ってきました。
「お父さんとお母さんのセックスは、今まで見たどんなセックスとも違いました」
「そうなんだ?」
舞夏ちゃんが持つ御守が私の処女膜に触れます。
「アァン! 今までみたセックスの大半がお互いの快感を求める物でした。しかし、お父さんとお母さんのセックスは、本当に子供が欲しいと言う純粋な思いに溢れていました」
「そうだよ、一夏は、そんな思いの結晶なんだから。そんな一夏ちゃんのバージン、私が貰うよ」
舞夏ちゃんがそう言って、力を入れると私の処女膜が裂け、痛みが走ります。
「痛い!」
思わず叫ぶ私を抱きしめる舞夏ちゃん。
「我慢して、中途半端で止めるなんて出来ない。だから最後まで遣り通さないと」
「解っています」
私が頷くと舞夏ちゃんは、私の処女膜を切り裂くのです。
全てが終わり、私の割れ目からは、バージンだった証の血が流れ落ちていきます。
私は、生理用に持っていたナプキンでそれを隠します。
帰り道、舞夏ちゃんが十個目の輝きを取り戻した御守を掲げて言う。
「これであたしは、一夏の……」
「舞夏ちゃん!」
私が怒鳴ると舞夏ちゃんも笑います。
しかし、私達は、解っていたのでした、そんな幸せな時間は、もう殆ど残されていないことに。
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