第九話【 予兆 】
夢を・・・・見た。
陰湿な俺の手で穢した、無垢な身体だった少女の・・・・
一度触れてしまえば、途端に壊れてしまうような微睡の中で、彼女は儚げに微笑んでいたが、その一方で、内心ではこんな絶望的な自らの状況下に嗚咽している。
確かに彼女はこうなることを望んだのだ。その証拠ともなろう、決定的な映像も残っている。彼女は想いを寄せる彼氏の前で、処女喪失ともなるSEXを俺に懇願したのであった。
しかも事前に排卵日当日と測定させた直後に、生挿入による膣内射精のフルコース。およそ普段と変わらぬ彼の姿に絶望しつつ、彼女は妊娠当確ともなろう、俺の体液を受け入れるのであった。
証拠となる映像には、何処にも催眠術に関する会話はない。
当然、これを見た誰もがレイプと思うまい。
それから俺たちは幾度もなく関係を結んだ。
俺のマンションの一室で・・・・時には、課長室と呼ばれる俺の部屋で・・・・俺たちは何度もSEXをし、それと同じ回数だけ、俺は彼女の膣内で果てていった。
ある日、俺は股間のむず痒い刺激に目が覚めた。
彼女が先に目を覚ましたら、奉仕するようにお願いしておいたのだが、彼女はそれを忠実に遂行し、俺の覚醒を待ちながら、彼女は手にしたそれを小さな舌を駆使し、つたない知識を総動員して奉仕する。
「・・・・そろそろ、だ」
長年の夢であったそれが実現し、思いの外、俺の射精感が高まっていく。
「・・・・全部、飲み干し・・・・て、くれ・・・・」
俺の意を理解して頷くと、琴乃は小さな口で懸命に含み、口内の舌が更に俺を刺激する。
くっ、もう限界であった・・・・
「んっ!」
途端に可憐な表情に苦悶が浮かび、彼女は決して零さないと口内だけで受け止め、そしてゆっくり・・・・喉を鳴らしてゆっくりと嚥下していく。
逆に俺のほうが先に目を覚ませば、俺の腕の中で眠る美少女の寝顔を一瞥して、片方の手を彼女の股間へと忍ばせていく。
感度の良い身体それだけに、俺の指が彼女の膣内に入るだけで、彼女の膣内は凝縮を開始し、熱い粘液に満ちて滴らせていく。目覚めとほぼ同時に絶頂間際に追いやられて、潤んだ瞳で儚げに見据える。
「・・・・課長・・・・」
琴乃は手で俺の怒張を確認すると、それに比べれば細い指だけでは物足りないのか、ゆっくりと自らの身体に埋没させていく。
そんな甘い、甘過ぎるような毎日が続いていた。
こんな日が続いてくれれば、いい・・・・と願っていた。
そう、ずっと・・・・
「・・・・」
俺はそんな朝の波寄せる海岸をホテルの部屋から見通しながら、室内を同伴してきた少女の身体を一瞥する。
琴乃との同棲生活が始まって、既に二週間が過ぎていた。
会社も盆の夏季休暇に入り、それに関わりなく、俺と琴乃はSEX漬けの毎日を送ってきたわけであったが、夏季休暇中、ずっと室内でSEXをしているだけでは、俺も彼女も精神上、余り好ましくはなかった。
「でも、場所が変わっても、することはするわけで・・・・」
「ん・・・・」
昨晩の激しいSEXによって、琴乃は今も深い眠りに陥っている。
チェックインしてから、まず着衣のまま一発。ホテル系列の温水プール施設の中、人目を忍びながら場所を変えて三発。室内に戻って更に一発。一緒にお風呂に入りながら、二発。就寝前に一つのダブルベットで三発。最後はお互いに身体を繋げたまま、抱き合うように眠ってしまっていた。
「少しは自重しないとな・・・・」
俺はゆっくりと頭を掻いた。
琴乃に催眠術を施した天野の言う期限は、約二週間の限定期間である。もう俺たち(正確には、俺)に残された時間は少ないのだろう。もう何時、この関係に終焉が訪れてきてもおかしくはないのだ。
まぁ、だからなのかもしれない。
せめて許される今のうちに、彼女を抱いておきたいのだと・・・・
「・・・・」
「ん・・・・あっ・・・・」
ようやく眠れる姫君のお目覚めであるようだった。
「やぁ、おはよう。琴乃くん」
普段と違う光景に戸惑いつつ、俺の姿を見つけてから今の状況をゆっくりと思い出したようであった。わざわざこんなところまでに連れてきて、グッタリと疲労するまで抱いてしまった。抱かれることを求められた、その結果とはいえ、悪いことをしたような気がしなくもない。
「課長・・・・おはようございます」
「今、コーヒーを淹れたけど・・・・飲むかい?」
彼女は頷いて、俺が差し出すカップを受け取った。
「今日は雲一つない晴天・・・・最高の海水浴日和、ってやつだな」
後で海岸に出ようか、と誘いをかけ、彼女は笑顔でそれに応じた。
海。
押し寄せてくる小さな白い波。
海水浴に訪れた、溢れんばかりの人々。
海岸線の向こうにはクルージングを楽しむ若者たち。
居並ぶ出店、笑いながら駆けずり回る子供たちの姿。
そんな光景を見渡しながら、俺は持参していたビニールシートを展開する。何処の会社も夏期休暇ともあって、家族サービスをする家庭が多いこの時期、自分たちの居場所を確保するのも一苦労ではある。
「風に飛ばされないように、四方に重しをつけておこうか」
「ハイ」
笑顔が眩しい。が、俺は即座に目を逸らしてしまった。今は上着を羽織ってはいるが、下のほうには水着が完全に露出しており、正直、目のやり場に困る・・・・しかし、室内では彼女の裸体にも慣れてきているのに、何故、こうも水着だと変に意識してしまうのであろうか?
「課長は泳げます?」
「うん? まぁ得意ってほどじゃないけど・・・・」
最後に水泳をしたのはかなり昔のことではあるが、泳ぎそれ自体は不得手ではなかった。まして海水なら人の身体は浮くようになる。溺れるような無様な姿を晒すような心配はないだろう。
「それじゃ、今から泳ぎに行きましょう」
「い、今から・・・・?」
「ハイ」
彼女は羽織っていた上着を脱ぎ捨てる。と、周囲の男の視線が彼女に向けられたのは無理もない。そんな彼女が俺の手を取って海岸に向かおうとすると、明らかな嫌悪感の眼差しが俺に向けられた。
まぁ、向こうには保護者程度にしか見られないだろうが。
案の定、俺が琴乃から少し離れるだけで、彼女は大抵、男たちからナンパされていた。中には複数人がかりで声をかけようとした輩たちも居る。
「すいません・・・・今日は・・・・」
と、一蹴して、彼女は必ず近くに居るであろう俺の姿を見つけ出すと、俺の腕を掴んで離さなくなった。
まぁ、余所の目からでは保護者扱いにされるのが普通で、気分的には害虫除けの蚊取り線香のようなものであろうか。
「課長って、泳ぎ、得意なんですね」
「まぁ、実際に計ったら、それほど速くはないけどね」
「でも仕事もできて、料理もできて・・・・尊敬しちゃいます」
ボートを漕ぎながら、俺は思いがけない言葉に思わず赤面してしまったが、それほど誇れたものでもなかった。料理は一人暮らしが長かった賜物であったし、何より、人生経験では彼女の約三倍も重ねてきた結果のことである。
まして彼女の目からしてはともかく、俺が仕事のできる人間であるのならば、ジャーナリストとしての名声の確立は無論、今の職場でももっと出世できていたことであろう。
そう、決して誇れることではなかった。
「泳ぎぐらい不得手かな、って思ったのに・・・・父様とは、大違い」
「琴乃くんのお父さん?」
彼女と奇妙な(っていうか、SEXだけの)同棲生活が始まって二週間が経過していたが、彼女が家族のことに・・・・プライベートのことに言及するのは初めてのことであった。
「父様、いつも・・・・いつも海を見つめているだけで、全然泳ごうともしないんですよぉ〜〜私がどんなに誘ってもぉ!」
「ははっ・・・・」
海水浴と一口にいっても、人にはそれぞれの楽しみ方がある。
海、といえば泳ごうとする者。ボートを漕ごうとする者。波に乗る者も居れば、魚を釣ることに楽しみを見出す者も居る。
それぞれの趣味に千差万別の楽しみ方があっても不思議ではない。
「海水に入ることもできないんですからぁ!」
これまで彼女が家庭の話題を口にしたことがなかっただけに、俺としては興味津々ではあった。勤務中の礼儀正しさは解かっていたが、それは私生活においても変わりはなく、それはこの二週間の同棲生活を経ても揺るぎはない。
その彼女を育ててきた人物を想像するに、相当な厳格者であり、礼儀を重んじるようなタイプではないだろうか?
無論、それは想像の範疇から抜け出ない、俺の勝手な推測ではあったが。
「もしかして、水恐怖症か何かな?」
「さぁ、解かりません」
「琴乃くんはお父さんが嫌い?」
ふと気になってしまったことを口走る。余計な詮索をして、他人の家庭をどうこう言う気にはなれなかったが、既に両親を亡くしている俺としては、やはり後悔することだけは薦められない。
「大嫌いです!! あんな人・・・・」
それは俺が初めて見る、嫌悪を露わにした表情であった。
そう思っていたさすがの俺も、唖然とせずにはいられなかった。
「まいったな・・・・」
なんとか、それだけを口にして、
「余所の目のあるうちは、父親のつもりで振る舞っていたのだが・・・・」
「課長は父様とは違いますよ・・・・」
琴乃は海水に揺れるボートの上にも関わらずに立ち上がると、漕ぎ手の俺に近づき、ゆっくりと唇を重ねていった。
「父様とは、こうしたいって感情、抱きませんから・・・・」
「琴乃くん・・・・」
およそ普段のあどけない彼女の表情に戻り、俺の内心では安堵の溜息を漏らしていた。
「じゃ、この旅行中の間だけでも、彼氏の代わりでいいかな?」
軽いジョークのつもりであったが、悪乗りし過ぎたようだ。
あくまでも今、琴乃が俺の側に居るのは、天野の催眠術のおかげであって、自然の成り行きというわけではない。本来なら、彼女の側には部下の田中・・・・傍から見てもお似合いであろう、カップルなのである。
少なくとも、こんな中年の自分などよりも・・・・
その彼氏である田中を差し置き、琴乃は俺に処女を捧げ、これまでに何度も俺とSEXで身体を重ねてきている。彼女がそんな彼に対して罪悪感を憶えないはずがないのだ。
例え催眠術で誘導された行動とはいえ・・・・
「ごめん、悪乗りし過ぎたな・・・・」
「い、いえ・・・・」
それから、ややぎこちない雰囲気でありながらも、久しぶりの海水浴を楽しみ、次第に辺りは赤みを帯びてきていた。
設置したビニールシートを片付け、そんな夕日を眺めながら、俺はこの時点で予兆していた。
もう彼女と共用(この場合は、強要か?)できる時間は、もう余り残されていない・・・・と。
そもそも催眠術をかけた当人である、天野の保証した期間(出産確定の催眠は除く)は既に過ぎている。いつ彼女が田中のもとに戻ってもおかしくはないのだ。
あれから天野に尋ねてみたことがある。
この期間をもう少し、延長できないものか、と。
《そりゃ、もう一回、催眠にかければ、それも不可能じゃない・・・・けどぉ、以前にも言ったと思うが・・・・重複は人格崩壊の危険も・・・・》
言い辛そうではあったが、天野もそれに賛同はしなかった。
そう、俺の独りよがりの我侭を押し通して、彼女を廃人にさせるわけにはいかない。
何より・・・・
「課長、どうかしましたか?」
「ん、いや・・・・夕日がね・・・・」
「ハイ、綺麗ですよね!?」
俺は横目で琴乃の表情を盗み見る。
例え期間が延長できた、としても・・・・今はもう、俺はそれを素直に喜ぶことはできなかっただろう。今でも垣間見る、彼への罪悪感に際悩まされる彼女の苦悩を知ってしまった。
その彼女の苦悩を知ればこそ、そのときは琴乃を解放してあげるべきではないか、と・・・・
ホテルに戻って夕食を済ませると、地元自慢の温泉に身を委ねた。心地よく火照った身体ともあって、俺は散歩がてら砂浜に向かった。
「か、課長、何処に?」
「んん、少し散歩に行こうかな、とね」
「あ、私も一緒にいいですか?」
「そりゃあ、勿論」
本当は一人で考えごとを纏めたい、とも思っていたのだが、彼女からの要望とあっては断るわけにもいかない。
今はこの残された時間を、もっと貴重に思うべきなのである。
《ザッ ザッ》
歩くたびに砂が舞い、小波の静かな水音が《ザザァー》と、断続的に押し寄せてくる。ごく自然の出来事なのであるが、やはりこんな暗闇ともなると不気味ではあろう。
既に周囲は暗くなり、人影も余り見受けられない。いや、いるにはいるが・・・・既に男女よろしく真っ最中のカップルだけとなっている。
琴乃は俺の手を取り、繋ぎ合せてきた。
「・・・・」
俺は暗闇の帳に視線を向けた。
「か、課長・・・・」
「ん・・・・どうしたの?」
「その・・・・私たちも・・・・しません、か?」
彼女の言葉が何を求めているのか、周囲のカップルを見れば一目瞭然であろう。
「琴乃くんがその気なら・・・・」
俺の返答を耳にして、彼女は立ち止まるとゆっくりと瞳を閉じる。
俺たちは夜の海岸で抱き合い、静かな波間の音に囲まれながら、お互いの唇を重ね合った。カップルの中には、こんな中年のおっさんと、これほどの美少女がキスをしている光景に驚いていたかもしれない。だが、もうそんな外野のことは意識の外に置いた。正確には、それが気にならないほど・・・・彼女のキスの技巧が増した、ということであろう。
「んっ・・・・んっ・・・・」
お互いの口を塞ぎ、お互いの唇の間をお互いの舌で触れ合う。
恐らく彼女の股間はもう・・・・濡れていることであろう。
俺はそれを指で確かめる。
「濡れているね・・・・」
「うん・・・・凄く感じちゃった・・・・から・・・・」
「そうか・・・・」
もう小手先の愛撫もなしに、彼女の身体は準備万端であった。彼女の浴衣を肌蹴させ、晒したペニスを彼女の股間へと宛がう。琴乃を破瓜してから、何度も彼女と身体を重ねたのにも関わらず、未だに綺麗な色合いを維持し続けている。
催眠術などにも関わらず、彼女の身体は穢れる、ということを知らない身体なのかもしれない。
「んっ・・・・あっ・・・・うう・・・・ふ、深いぃ・・・・」
それでいて、この強烈な締め付けに、この心地良過ぎる膣内である。今では挿入した時点で、俺の腰のほうが勝手に動いてしまう始末である。余りの与えられる快楽に、もはや自分の行動を抑制できないのだ。
「あっ・・・・いい・・・・んっ・・・・そこ・・・・あん・・・・」
琴乃の身体の感度もいよいよ開発され、今では挿入されるたびに喘ぎ声が漏れるようになっていた。それに伴い、彼女の膣内の反応にも変化が訪れ、挿入される男の存在を歓迎するそれが、初めてのころの比ではない。
「あっ・・・・あっ・・・・そ、そんな・・・・もう・・・・」
琴乃が俺を受け入れつつ、首筋にぎゅ〜と抱きついてきた。
もう限界なのかもしれない。
「か、課長・・・・い、いっしょ・・・・に・・・・」
「ああ、そ、そろそろ・・・・いくぞ?」
「・・・・う、うん・・・・」
俺と視線を重ねると律動する動きをそのままに、唇を重ね合わせて、お互いに自分本位の快楽の絶頂を求めて突き進み、邁進し、腰を動かした。
「んんっ!!」
くぅ!
そしてお互いが同時に、SEXによる絶頂を極めた瞬間であった。
何度も俺のペニスが波うち、《ドクッ、ドクッ》と彼女の膣内に注がれていく。これが何度目の膣内射精かなんて覚えてもいない。だが、間違いなく三桁は越える、膣内出しを受け止めたことだろう。
それから暫くして、俺たちは場所を変えては激しく求め合い、ホテルに戻ったのは、俺が彼女の膣内で三回ほど果てた後のことであった。
部屋に戻り、キスを重ねながら一緒に風呂に入る。激しいSEXで汗をかいた上に、身体の節々に砂の後がある。大浴場ほどに広くはないが、それでも俺と琴乃、二人が入る分には申し分ない。
お互いに身体を拭き取り、リビングでキスを重ねる。
そのとき、彼女の携帯が鳴った。
「ん、電話だよ・・・・」
「うん・・・・彼から・・・・」
「・・・・」
時刻を見れば、確かに就寝するには少し早い時間ではあろう。
琴乃は一旦俺から離れて、意を決したように携帯に出た。
《初音、まだ起きてた?》
「うん。ひーくん、こんな時間にどうしたの?」
《いや、初音の声が聞きたくて・・・・その、ごめんな》
「ううん、嬉しいかも・・・・」
俺は邪魔しては悪いと思って彼女から離れようとしたが、退室しようとする俺の手を、琴乃は掴んで首を振った。
退出するな、ということであろう。
「今日、友達と海に行ってね・・・・」
《そっか・・・・ナンパとかされてない?》
やはり彼氏である田中としても、その心配の種は尽きないだろう。
確かに田中もかなりのイケメンだが、琴乃の容姿は更にその上をいく。
「うん。されたけど・・・・」
《なっ・・・・むむぅ・・・・》
「でも、私、その手の軽い人たちは好きじゃないから・・・・」
《うん・・・・それは、解かっている・・・・信じているけどさ》
「うん。ありがとう・・・・」
だが、会話している琴乃は辛そうであった。
「で、」
《初音、俺は信じているから・・・・》
「ん?」
《初音が誓ってくれた、誓い・・・・俺はずっと待っているから》
「う、うん。や、約束したもんね・・・・神に誓って・・・・」
《それじゃ、こんな遅くにごめんなぁ・・・・おやすみ》
「おやすみなさい・・・・」
琴乃は結局、通話が途切れた携帯を閉じて握り締めた。
頬から涙が滴り落ちる。
「田中と・・・・どんな約束を?」
「・・・・」
琴乃は大きく頭を振って、俺の疑問には答えなかった。
俺が知る由もない。彼女が天野の催眠術に掛かり、俺に処女を捧げる権利を認めさせたその前夜に、彼女は彼と約束し、神にまで誓っていたその事実を・・・・
もう絶対に果たすことはできないであろう、その誓いを・・・・
「課長・・・・お願いです・・・・」
「んっ?」
俺は苦悩に涙する琴乃を見つめた。
彼女が改まってお願いするのは珍しく、俺としては、俺が叶えられるものであるのなら、何でもしてやるつもりではあった。
「私のこと・・・・めちゃくちゃにして・・・・ください」
「え?」
「乱暴に・・・・暴力を振るっても、構いません・・・・から」
つまり、レイプしろ、ということであろうか。
だが、今更・・・・という気がしないわけでもない。何しろ彼女は既に催眠レイプをされ続けてきたようなものであるのだから。
だが、彼女がそれを要望するのなら・・・・
「いいのかい?」
コクリと頷き、琴乃は携帯を置く。
彼女の身体を抱き上げると、俺は寝室へと運んでいく。
それは彼女が望んだレイプ、強姦とは違ったかもしれない。
だが、彼女の表情を見て、俺は無理強いだけは避けた。従来のSEXをするだけの選択を選んだ。
その結果がどうなのか、なんて俺には解からない。
彼女の願いに沿えられたのか、さえも・・・・
だが、こんな俺にでも解かったことがある。
少なくとも、これだけは確かであっただろう。
もう琴乃との間に残された時間は・・・・
確実に俺との別れの時が迫っている、いうことが。
→進む
→戻る
→孕ませこそ男の浪漫よ!のトップへ
|