行間話【 交錯 】(視点・琴乃初音)


 講学社本社からの帰路、私は終始無言を貫いていた。
 車を運転している運転席の課長に至っても、父様との邂逅に思うところがあるのだろうか・・・・それとも?
 やはり・・・・結婚しよう、って、私に言ってくれたことを後悔しているのかもしれない。
(ほ、本当にプロポーズ、してくれたんだよね?)
「・・・・」
 私は思わず、運転に集中している課長の横顔を盗み見て、鼓動が高鳴るのを自覚せずにはいられなかった。

 課長自身は責任を感じているようであったが・・・・
 そもそもの発端となっている今回の出来事は、私の浅はかな考えから・・・・十五歳という年齢上から妊娠なんてしないだろう、という極端な思い込みを抱いてしまっていたことにある。
 その結果、お願いしてSEXをして貰う、という観点から、SEXに協力をして貰える課長には、せめて生で膣内出しをして貰えるよう、自分から願い出てしまった上での、私の妊娠なのである。
 故に本来ならば、課長が責任を負う必要はなかったのだ。
 ・・・・それなのに。
(・・・・課長。本当に、後悔をしない?)
 私のような、こんな小娘と結婚してしまっても・・・・
「・・・・」
「琴乃くん・・・・その・・・・」
 私の不安を余所に、課長は静かに問いかけてきた。
「今夜も・・・・泊まっていく?」
 明日、静岡県にある私の実家、琴乃家に赴くことが決まっていたこともあり、私はその問いに無言で頷きながら、再び運転に集中する課長の横顔を見詰め続けた。
「・・・・」
 この三日間、私は課長の彼女にして貰えて、自分なりに課長の存在を求めていたのだが、アプローチしてみたその結果は、全て空振りに終わってしまった。
(今日は・・・・恋人として、しっかり進展を迎えたいなぁ)
 ・・・・つまり、今夜はSEXをして貰いたいなぁ、である。
 課長に処女を捧げたあの日から、夏休み期間中を利用した同棲生活が始まり、その関係を復縁できた後も、絶えず私は課長に抱かれることが許された。
 しかし、課長に想いを告げて・・・・『彼女』という存在にして貰ったはずの翌日からの三日間、私は懸命にその関係を繋ぎ止めようと、課長にSEXをねだってみたのだが・・・・
(な、なのに・・・・課長、柴田さんを誘っているしぃ・・・・)
 まぁ、私の身体は・・・・柴田さんのように、胸があるわけでもないし、大人の課長から見れば、きっと私の身体なんかは子供なのだろう。
 でも課長に処女を捧げてから今日まで・・・・三日間もの間もSEXを断ってしまった日はなく、無意識に私の心身は寂しさを覚えてもいた。
(こ、これを・・・・性欲、って言うのかなぁ?)
 男の人に・・・・ううん、課長だけに抱かれたい。
 今夜は特に、だ。
 だから、今日は思い切って、お願いをしてみようかな?


 課長のマンションの駐車場に着き、私はもはや手馴れた手つきでマンションの出入り口を開錠する。そして一階にエレベーターを呼び出した。
 課長の部屋を出入りするようになって、既に一カ月以上が経過していたが、今日初めて、エレベーターでマンションの住人であろう、カップルに擦れ違った。
(私たちも恋人同士に・・・・見えたかな?)
 と、思わず期待を抱いてしまう反面、身に纏う学生服の私と、ビシッとスーツ姿で決まった課長との差を鑑みれば・・・・自分の容姿の幼さは顕著であっただろう。
(やっぱり、見えないよねぇ・・・・)
 と、魅力のない自分の身体を再確認し、更に落胆する思いであった。

 部屋に入り、住人の帰還を感知したセンサーが自動で、室内の電気とエアコンを稼働をさせていく。
 私は明るくなった室内で、思い切って課長に尋ねてみることにした。
「か、課長。本当に・・・・」
「ん?」
「か、課長は、私なんかと結婚しても・・・・後悔しませんか?」
 途端に難しい表情が浮かべられる。
「それは客観的にみて、普通・・・・俺の台詞だよね?」
「えっ、で、でも・・・・」
 やはり課長はまだ信じてくれていないのだろう。
 私がどれほど課長を・・・・一人の男性として慕っているのかを。
「課長が・・・・本当に私なんか、と結婚をしてくれるのなら・・・・私、その代わりに、本当になんでも・・・・します・・・・よぉ?」
「な、何でも!?」
 驚いたような表情を浮かべる課長の姿に、やはりまだ信じて貰えていなかったのだと、改めて実感をせずにはいられなかった。
「うん。何でも・・・・」
 私は頷く。
 実際に課長のため・・・・まして課長の妻に選ばれるのなら、私はなんでも受け入れるつもりであった。
 現在の課長は、自分が愛する、もっとも大好きな男性であり、自分の軽率な判断によって子供を身籠ってしまい、その責任を全て押し付けてしまうことになるのである。
 その課長とのためなら、私は・・・・


 マンションに戻れた時間が遅かった、ということもあって、課長は軽めの(きっと私の妊娠を気遣ってくれたこともあろう)夕食を用意すると、私は食卓で箸をつきながら、課長の要求する求めに応じた。
「ほ、本当に出来るのかい?」
「・・・・でも、本当にすれば、課長は信じて貰えるのですよね?」
 課長と結婚できるのなら、何でもする、という私の言葉を・・・・
 そして同時に、課長を慕っている、という私のこの想いを・・・・
「・・・・」
 課長はゆっくりと頷いてくれた。
 なら、私は・・・・


 課長は撮影機器である光学用メモリードライブを起動させて、寝室を撮影モードに展開する。この三次元による撮影は(現在の科学力でも)修正不可能であり、ここで撮影される映像は、完璧な証拠として残ることになるだろう。
「琴乃くん、マイクの調子はどうだい?」
『あ〜あぁぁぁぁ・・・・』
 制服の襟の部分に取り付けた超小型拡声器(マイクフォン)の具合を確認して、私は撮影中の寝室へ入室を果たすと、ゆっくりとベッドの上に腰をかけた。
「まず名前と年齢かな・・・・」
『琴乃初音、十五歳・・・・(もうすぐ十六歳)です』
 課長の(試すような)視線を受けて、私はゆっくりと頷く。
『わたくし、琴乃初音はここに宣言をしますぅ・・・・わたくし、琴乃初音は、場所、時に関わらず・・・・いかなる場合においても、わたくしの夫となって貰える・・・・か、方からの・・・・求めには、毎晩毎朝、必ず、応じることを・・・・ここに誓約を致します』
「神に誓って?」
『神に誓って、ですぅ!』
 課長という敬称に慣れ親しみ、課長の本名を呼び慣れていない気恥ずかしさもあり、私は発言の一部を濁してしまったが、これで私の身体が課長の所有物であると認めたことになった。
 完全な証拠ともなろう、この映像の中で。
 もし、この誓約を破るようなことになれば・・・・
『仮に・・・・この誓約を違えるような時があれば、わたくし、琴乃初音による痴態を・・・・こ、公表されることに、異存はありません』
 私はベッドから立ち上がって制服のスカートの裾を摘まむと、それをゆっくりと持ち上げていき・・・・その下には何も穿いていないことを強調する。無論、先に述べたように、この三次元映像には修正がなく、勿論、部分的なモザイク処理も不可能である。
 場合によっては、この日にAV女優になった瞬間であっただろう。
 勿論、私が課長の求めを拒む日はないだろうが・・・・
 ただ厳格な性格の母様が、このような私の映像を見てしまったら、さぞ顔を真っ赤にして激昂するか、もしくは真っ青になって卒倒することだろう。
『か、課長・・・・』
「ん?」
『ほ、本当に・・・・この三つ目もぉ?』
 私はその最愛の男性の笑顔による肯定に唇を噛み締める。
 ううっ。課長の意地悪ぅ・・・・
『また・・・・今後、わたくし琴乃初音における、排卵された卵子は、その全ての権利を課長に譲渡し・・・・課長だけに受精されることを、ここに誓約を致しますぅ〜〜』
 私は赤面しつつもその最後まで、課長の希望に誓約を果たした。
 これによって私の身体は、今現在、妊娠している課長との子供を出産した後にも、私の有無に関わらず、排卵日には課長に抱かれて、受精されることを容認したことになる。
(一年に一人、出産できたとして・・・・も、大家族だなぁ)
 私は自らに、そして未来への自分に問いかける。
(私のこれから排卵できる卵子は、もう課長だけのものなんだからね!)
 と。
「それじゃあ、琴乃くん・・・・」
『あ、あの・・・・課長ぅ!』
 私はこれから自分の痴態を撮られるべく、自慰を強要されていた私であったが、誓約した過程の中で疑問に思ったことを口にする。
「ん?」
『そ、その・・・・離婚させられちゃった、としても・・・・』
「う、うん・・・・」
『排卵日には・・・・私を抱いて・・・・妊娠させて貰える、ってことですよね?』
「うっ。そ、それは・・・・」
 課長は(思わぬ?)反論をされることによって、押し黙ってしまう。
『か、課長ぅ!!』
 必ず私を妊娠させてくれる、って約束してくださいよぉ!!
「う、うん。まぁ・・・・それは、だな。これからの琴乃くんの自慰次第、ってことで・・・・」
『ううっ・・・・』
「そうだな、琴乃くんの自慰がエロティックで、俺を興奮させてくれるような、イキッぷりを見せてくれたら、まぁ、考えてあげるよ」
『そ、そんなぁ・・・・』
 私は力なくベッドの上に座り込み、意地悪をする課長を見据えた。
 ただでさえ自慰の経験なんて乏しく・・・・課長との同棲生活を区切ってしまった、その時期に一回だけ・・・・であり、自信なんてとても持ちようがなかった、それだけに私は途方に暮れるしかなかった。
「それじゃ、琴乃くんの自慰行為・・・・見せて貰おうかな?」
『・・・・』
 私は制服のスカートを捲し上げて、自らの指で股間に触れてみた。
 触れてみて初めて体感する。これは・・・・この指も、違うと。
 そう。これまでは課長にして貰っていたのだ。私が快感を感じられるSEXをするにしても、その愛撫をして貰うにも。課長の触れる手は優しくて、もっと繊細で・・・・そして課長に挿入して貰える『アレ』は、もっと力強く、逞しくて・・・・
『んっ、か、課長・・・・』
 課長にされていることを懸命に思い浮かべて、私は自分の指を動かし続けていき、
『んんっ・・・・んん、か、かちょうぉ・・・・』
 次第に私の口からは自然と声が漏れ始め、そして自分でも驚くほどに私の膣内は濡れていた。
 この三日間、課長から求められることもなく(懸命にアプローチした努力も実らず)SEXだけに限らず、性欲を解消させられなかったことが原因かもしれない。
(こ、これなら、私の指でも・・・・)
『くぅん・・・・んっ・・・・』
 こ、これなら、自慰で課長にイク、ところだってぇ・・・・
 自然と私の心の中に希望が光が灯っていくようだった。
 まさか帰宅後に食した夕食に、『媚薬』という薬が盛られていたことなど、私の知るところではなく・・・・いつの間にか私は、指で股間を弄り、ただ無我夢中で快感を貪り始めていってしまう。

 だが・・・・
『あっ・・・・んんっ・・・・くくぅ・・・・』
 既に頭の中には、これが撮影中だったことなど微塵も覚えていなかった。ただ愛する人の前で、その人に愛して貰いたいがために、私は懸命に痴態を晒していた。
「琴乃くんも好き者だなぁ・・・・」
(わ、私・・・・へ、変態なんじゃ?)
 一度も果てることもなく、更にどんどんと高みに昇って行ってしまうような、私の感覚・・・・まさに限界の際限がない、そのエンドレスだった。
「股間をグチャグチャにして、実は、凄い変態さんだったのかなぁ?」
(こ、こんなんじゃ・・・・か、課長に・・・・き、嫌われちゃう!)
 それでも私の指は止まらない・・・・止まらなかった。
 頭の中では懸命に抑制しよう、こんなに淫らにただ乱れまくるような浅ましさでは課長に嫌われてしまう、と心の中で悲鳴を上げていたが、その私の意思に反して、股間を弄り続ける指は、尚も更なる快感を求めていってしまう。
(んんっ!!!)
 一瞬、視界が閃き・・・・私は絶頂に達するような感覚を憶えた。
(んんっ!?)
 だが、その瞬間・・・・私の感覚は途端に重くなり、激しい昂りは燻っているのにも関わらず、果てることができなかった。
 まるで、身体の性感だけが絶頂の一歩手前に引き摺り下ろされてしまったような・・・・そんな感覚であった。
(ど、どうして!?)
 とりあえず軽くでも果ててしまえば、気分は一旦落ち着いて、もっと冷静に、課長の求めるような痴態を演じることができるだろう。だが、絶頂寸前で引き摺り下ろされてしまった今、私の身体は先ほどよりも強烈に、更に貪欲に絶頂への意欲だけ込み上げて、抑えきれようにもなかった。
『んんっ!!』
(こ、今度こそぉ!)
 四肢を痙攣させて、間違いなく絶頂を自覚できた私であったが、今度もまた・・・・その絶頂の寸前で押し留められてしまった。
(な、なんれ(で)ぇぇ!?)
 もう泣きたい気分だった。
 いや、実際に涙が頬から伝って落ちていたが・・・・
 課長の盛った薬・・・・『媚薬』が、男女による性交をすることでしか満たされないものである、という事実を知らなかった私は、懸命に愛液を滴らせて、尚も満たされないジレンマに悶え苦しみ続けることだけしかできなかったのだった。

『!!』
 私は一体、何回・・・・絶頂のお預けを受けたことだろう・・・・
 もう、私の頭の中は『更なる快楽を!』『早く絶頂を!』の二つだけしか考えられなくなってしまっていた。
「琴乃くん?」
『か、かちょぉぅ・・・・』
 み、見ないでくださいぃ・・・・
「やはり無理だったみたい、だな?」
 落胆させてしまったようだった。
 もう私の不甲斐ない自慰・・・・浅ましい限りの姿に、それでいて果てることもできない私の身体に呆れてしまったのだろう。課長は撮影室である寝室に入室し、私はそれすらも気付けないほどに乱れ、悶え続けてしまっていたのである。
「やはり、俺が抱いて・・・・SEXしてやらないと、イクこともできないような、粗悪品なんだな・・・・琴乃くんの身体は?」
『・・・・はひ・・・・』
 私は頷いて、自力で果てることもできない自分を詫びるしかなかった。
 課長は覆い被さるようにしてから、もう立ち上がることもできそうにない私の身体を抱き上げると、逞しいばかりの課長のそれを、私の膣内に宛がう。
「淹れて・・・・欲しいか?」
『・・・・はひ・・・・くらはぁい・・・・』
 この地獄のような、絶頂寸前巻き戻し地獄から解放されるのには、もはや呂律も回らない口で、懸命に哀願するしかなかった。
 その課長が・・・・私の耳元で囁き、私がゆっくりと頷く。
「じゃ・・・・言われた通りに、俺におねだりをするんだ!」
『ごしゅじんさまの・・・・それでぇ・・・・は、はちゅねのぉ・・・・腐れマンコォにぃ・・・・淹れてくらひゃい・・・・』
「もう一回、何にだぁ!?」
『は、初音のぉ・・・・腐れマンコにぃ、でぇすぅ!』

 課長は私の哀願を聞き終えると、既に愛液でグショグショだった私の膣内を掻き分け、一気に私の身体の膣内を抉っていった。
 その瞬間、私の中で何かが弾け散る。
『!!!!』
 課長の首筋を抱き締め、私はただひたすら腰を動かし、課長の逞しい存在を求め続け、それまでに得られなかった快感を貪って行ってしまう。
「琴乃ぉぉ、そぉの腐れマンコ、気持ち良いかぁあああ!?」
『・・・・』
 もう課長の問いに、考えて答えられそうにもなかった。
 快感に痺れる余りに思わず、舌先を曝け出し、ただ無性に腰を上下に動かし続け、もはや課長とのSEXだけの虜にと化してしまっていたのだった。
「琴乃くんの・・・・この・・・・腐れマンコは、・・・・一生・・・・例え離婚させられても・・・・俺だけのモノだぞ!?」
『・・・・ハ、ハヒィィィ・・・・イクゥゥゥゥゥ!!!!』
 私は課長の首筋でただ頷いていた。
 その言葉を正確に理解できていた状態ではなかったが、課長が求めるものなら私は応じるだけのことであり、何よりも今は、このSEXによって得られる快感だけが、ようやくに絶頂に達することができることだけで、その絶頂の連続だったそれだけに、課長には行為を止めて欲しくはなかった。
「琴乃クンの・・・・この身体は・・・・琴乃クンの・・・・この子宮は俺だけの、精液タンク・・・・だなぁ!?」
『・・・・んんっ、イクッ・・・イクッぅぅぅ!!!!』
「だなぁ!?」
 私はガクガクと何度も頷いた。ただ頷いていたのではなく、何度も快感を与えてくれる課長の言葉を噛み締めていく。
 絶頂の連続だっただけに、私は快感だけに痺れて、まるで身体が溶けてしまいそうだった。
 だが、私を抱く課長の表情は険しく、時折に苦悶の呻きさえ漏れ落ちる。
 きっとそれだけ、私の腐れマンコが酷いのだろう。
(私だけ、じゃなくて・・・・課長にも、もっと・・・・もっと気持ち良くさせてあげたいのにぃ!)
 きっと柴田さんぐらいの素晴らしい女性なら、きっと課長を満足させてあげられるのだろう。何で私の身体は、こんなにも粗悪品なのぉ?
 こんなんじゃぁ、課長を満足させてあげることなんてぇぇぇ!!

 次第に課長の腰の動きも激しくなり、課長も限界が近いのだろうと本能的に察することができていた。私は懸命に課長のそれを受け止めて、膣内射精への誘導を推し進める一方で、私もいよいよ限界となろう絶頂を得られようとしていた。
「も、もう、らめえぇぇぇ(駄目ぇ?)・・・・」
 こんな快楽の極限があるなんて、思ってもみなかった。
 これまでにも課長にSEXをして貰うことによって、絶頂を極めさせて貰えたことは数えきれない。だが、今のこれは私が初めて訪れる極地であり、それだけに怖くも、恐ろしくもあった。
 私は情けなく涙を流し、快楽に痺れた舌を突き上げ、課長の首筋に抱き着く腕を締め付けるだけで、頭の中は真っ白にフラッシュし続ける。
「ならあぁ! その腐れたマンコでぇぇ・・・・」
 それまでの・・・・(これまでの課長とのSEXとは明らかに異なる)激しいばかりの渾身の衝撃だった。
「受け取れえぇぇぇ〜――!!」
『んんんっ!! いああぁぁぁぁぁ〜―――ぁぁ・・・・』
 課長の三日間(柴田さんとSEXをしていなかった前提で)もの激しい濁流を、私は既に懐妊している子宮で受け止めて、何度も感じ取っていた。
(お腹の中のあ、赤ちゃん・・・・お父様だよ・・・・)

「ふぅ・・・・」
 私はベッドの上に、捨てられるように落とされ、だらしなく開いていた股間から、膣内に収まりきれないばかりの精液を溢れ、滴らせていく。
 そして課長は無言のまま、撮影室だった寝室を後にする。
『・・・・』
 頬に流れ落ちる涙で愛する人の枕を濡らし、愛する人をロクに満足させることができない、膣内に射精して貰えたのに、全てを受け止められない、そんな自分の身体に嗚咽することしかできなかった。
『ううっ・・・・』
 ほ、本当に・・・・
 愛する人を満足させることもできず・・・・
 愛する人の全てを受け止めることもできない、私の身体は・・・・
 ・・・・本当に、腐れマンコ、なんですね。

 それは自分の身体に相応しい表現であり、課長の素直な感想なのだと理解した。きっと柴田さんぐらいなら、課長の全てを受け止めることができるのだろう。
 そして・・・・課長を満足させることも。

 結局、課長はその晩、それ以上に私を抱くことはなかった。
 後に聞かされた話では・・・・
 私の身体に疲労が感じられた、また明日の久しぶりの帰省となることを考慮してのことであったらしい。
『・・・・』
 だが、その時点での私は、自身の身体の状態に気付くふうでもなく、ただひたすら啜り泣きをすることしかできなかった。
 いつか・・・・課長に捨てられる・・・・
 そんな日が訪れてしまう、そんな予感がして・・・・

 私はひたすら涙するのであった。


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