第四章【華燭の輪舞曲】

(6)

 膝を抱える少女を、アデューは優しく抱きとめた。
「!!」
 過去のトラウマによって思わずレンヌの心が拒絶するも、硬直した身体はただ震えるばかりで・・・アデューもただ優しく抱きとめるだけで、そんな彼女にかける、慰めの言葉一つさえ見当たらなかった。
 しばしの時が、まるで止まったような時間だった。
 レンヌは・・・ゆっくりと頭を振って・・・抱きとめてくれる男の胸に号泣した。

 レンヌ皇女の両親は、荒れ狂った豪雨の水害・・・事故死とされ、また彼女の身に起きた忌々しい出来事は、限られた人物だけに留められた。皇帝ジェームズ一世、宰相のミストラルフ、それ以外に現場へ駆けつけた僅かな皇帝親衛隊の一部、彼女の身の回りを世話する侍女数名だけである。
 シンルピア帝国はこの一連の・・・特にレンヌ皇女については、当然、黙秘を貫いた。まさか、皇女がレイプ、輪姦されたなどと公表できるはずもなく、帝都ルーンパレスにおいても絶対の禁句とされた。
 その一方で、皇女妊娠という最悪だけは免れたものの、この後シルンピア帝国が、ロンバルディア(当時は闇の一組織)を、不倶戴天の敵として見定めていたのは当然の事だった。

 腕にある少女が尚も震えている。いや、彼自身の腕も震えていたかも知れない。皇女レンヌ・カスタネイドの衝撃的な告白は確かに、アデュー・ウォルサムの心を逆撫でした。無論、彼女に対してではない。彼女はあくまでも被害者でしかなく、十五歳の誕生日という記念すべき日に・・・両親の目の前で破瓜され、破瓜された直後に両親を殺害され、その亡骸の傍らに、一晩に渡って輪姦され続けたのである。彼の怒気は、むしろ、彼女の口から出てきた男の名前の方に向けられていた。
 (・・・カリウス!!)
 アデューはまだ、顔さえ知らぬ男に憤怒する。
 無論、レンヌ皇女をレイプした男が、あのカリウスと断定された訳ではない。あくまでレンヌ皇女が耳にした会話の中での事であり、同名の可能性も否定できない。だが、シンルピア帝国領、それも皇帝直轄占用地で、皇女をレイプするという、大胆なまでの所業を行える人間、組織は限られていよう。
 少なくても、あの男は・・・アデューの知るカリウスという男は、数多の人間が集っていた公の場で、仲間であるアデューたちの眼前で、パッフィーをレイプするという、非道な性交をやってのけた。
「こ、こんな・・・穢れた、私・・・アデュー様も、嫌ですよね・・・?」
 アデューの腕から逃れ、彼女は気丈にも笑って見せた。 可憐な瞳を真っ赤に晴らして、尚も微笑もうとする彼女の姿勢が痛々しくも、アデューにはいじらしく思えてならなかった。
「お父様や、ミストラルフには・・・私の方から・・・」
「穢れたなんて、そんな悲しい事、言うなよ!」
 【敗北した港倉庫】【捕らわれた少女】【数多の観衆、自分たちの前で破瓜された、無残な光景】【それを静観するだけしか許されなかった、己の無力】
 アデューたちの身近にいた、彼女もまた、陰惨な運命に翻弄される憐れな少女であった。そして、彼女の場合は・・・実の父親によって、レイプされるという、背徳的な悲しい現実でもあった。
 アデューは、パッフィーもレンヌも・・・決して穢れた、汚れたとは思えなかった。悪いのはあくまでも、彼女たちを犯した男であって、その忌まわしい限りの行為には、彼女たちが追うべき責務は一つとしてない。
「俺は・・・君と同じような・・・境遇にあった、女の子を知っている」
「・・・パ、パッフィーさまの・・・事ですね・・・」
 アデューが頷き、レンヌの表情が更に曇った。
 レンヌが同世代のアデューに憧れていたのと同様、同性であるパッフィーにも憧憬する崇拝の対象であったとしても、何ら不思議ではない。
「だから、俺には、レンヌ皇女も・・・穢れたなんて、思わないよ」
「・・・あ、・・・」
 一度振り解いてしまった腕が、再び彼女の身体を包み、その裏の全くないアデューの言葉に、レンヌは再び関をきったように涙した。
 そう、誰かに言って貰いたかった。そう、誰かに優しく抱きとめてもらいたかった。

 全ての事情を知った宰相ミストラルフの採った政策は、事態の公表を避け、事情を知る者には黙秘を求めるものであった。皇族の権威と帝国の沽券に関わるという、体面的な事情がその理由であろう。
 また、溺愛する御祖父、皇帝ジェームズ一世に至ってもまた、私人として孫娘を思う心境に嘘偽りはなかったが、その心の何処かに、公人としての問題を痛感していた。純潔を失った皇女の今後、政治的価値観の低下、国政的な事情に頭に悩ませていたのだ。
 皇族だけに限らず、王女や姫と呼ばれる立場にある女子は、定められた殿方に嫁ぎ、その人物に純潔を捧げる事によってのみ、国益となるのだ。それは王族、皇族として生まれた女子にとって課せられた責務であり、それはいつの時代も変わる事がない。少なくても、それがシンルピア帝国の皇族の習慣であり、その時点でレンヌ・カスタネイド皇女は、既に疵物であった。

 憧れていた男性に抱きとめられ、その胸元で号泣する事ができたレンヌは、ある決意した思いをアデューに望んだ。
「・・・私を・・・く、暗闇の・・・中で・・・犯してください・・・」
「えっ!!」
 その衝撃的な発言だけでなく、アデューが驚くのも無理はない。【暗闇】と【雨】、【男】は、それは今も彼女の記憶に鋭く刻まれたトラウマである。
「私を・・・あの男たちがしたように・・・レイプして・・・ください。私、アデュー様となら・・・耐えます。耐えられますから!!」
 まるで戦いに挑むような懸命な瞳が、同世代最高の、あと少しで十六歳を迎える少年に向けられた。
 レンヌがこのトラウマを克服するには、破瓜された・・・輪姦された時と同じく暗闇の中で、男を受け入れる以外にない。荒療治というものであろう。だが、当のレンヌは既に萎縮から硬直しているような状態で、到底憧れるアデューを受け入れられる状態ではない。
 つまり、アデューがレンヌの心を癒す術、ないし、トラウマ解消法は、同じ暗闇の中、レンヌを無理矢理にレイプする、それ以外に他なかった。
「レ、レンヌ皇女・・・」
「・・・たぶん、怖くて・・・激しく抵抗するかも知れません・・・」
 今でさえ、アデューの腕に抱かれている事に、身体は拒絶反応を起こしているぐらいである。その彼女の予測は、決して誇張ではなかった。逆にそれが破瓜された時と同様、ただ身体を硬直して、ただされるがまま、になる可能性も否定できない。
「たとえ・・・どんなに私が抵抗しても・・・さ、最後まで・・・」
 ただレンヌは、この忌まわしいトラウマを乗り越え、憧れるアデューと結ばれたかった。そして、その遣り遂げた時にこそ、レイプされる前の自分のように、自分を再び好きに・・・誇れるようになれるだろうから。
「私は・・・アデュー様となら、例え・・・な、何をされても・・・構いませんから・・・」
 そのレンヌの言葉こそ、男を殺す(射止める)最高の殺し文句ではなかっただろうか。少なくても、レンヌの嘘偽りない正直な告白に、アデューはパッフィーと向き合った時だけにしか感じた事がない、男である高揚感を憶えずにはいられなかった。


「!」
 室内の明かりを全て消し、静粛の帳だけが満たす暗黒の空間。
 予め頭では解っていても、身体は素直に正直である。あの時と僅かに違うのは、荒れ狂うばかりの豪雨、室内に一人の同世代の少年だけである。
 暗闇に目が慣れない彼にも、腕の中で血の気を引いている彼女の様子が手に取るように解った。
「だ、大丈夫・・・?」
「・・・・・・」
 正直に言えば、怖い。怖すぎる・・・この暗闇の中では、嫌でもあの日の光景が・・・強引に破瓜され、誕生日を祝われながら輪姦された、あの恐怖が幾度もなく蘇る。
「そんな気遣い・・・あの男たちは、口にはしませんでしたよ・・・」
 当然ではある。これからレイプしよう、という男の何処に、相手の女性の心境を気遣う男がいるだろうか。
「今は・・・そんな優しさは不要です。この衣装もお気に入りではあったんですが、構いません・・・私を、本当に・・・レ・・イプ、するつもりで・・・」
「わ、解った・・・」
 その彼女の意思を尊重して、アデューはレンヌの身体をベッドに押し倒した。が、そのベッドに押し倒した、アデューの手、腕、仕種のいずれもが、冷酷と呼ぶには程遠い、優しいものではあったが・・・
 今、小柄な少女の肢体を見下ろす、一人の男。
 そんなレンヌの気丈な姿勢を他所に、アデューは次第に混み上がってくる、ドス黒い感情に戸惑わずにはいられなかった。女の子を無理矢理にレイプする。それは彼が最も嫌悪するべき行為であり、その心境は決して変わる事はない。
 だが、擬似的にとはいえ、レンヌ皇女を犯すという行為は、さすがのアデューも興奮を憶えずにはいられなかった。
 大陸の英雄であり、まだ十五歳の少年には違いにはないが、彼もまた紛れもない“男”であるのだから・・・
 (こ、これから・・・ど、どうすれば!?)
 童貞であり、性的知識にも乏しいアデューが、その判断に迷ったのは無理もない。だが、彼の理性を他所に、男の本能・・・野生は、彼の身体を無意識に働かせた。
 ≪ ピシィィィー ≫
 レンヌの衣服に手にかけ、引き裂く。完全防音である(皇女が夜な夜な悪夢を見続ける)ため、例えレンヌが大声で悲鳴を上げた、としても、室外を厳重に警護する男たちに聞こえる事はない。
 露となったブラジャーを剥ぎ取ろうにも、慣れない彼には容易な事ではなかった。力ずくでも剥ぎ取る事が可能ではあったのだろうが、それが強引に・・・とはいえ、擬似的な彼の限界であった。
 彼女の協力もあって、ようやく外気に曝け出された、およそ成熟されつつある豊満な乳房。可憐な色合いの乳首。これから犯そうという肢体を眺め見て、アデューならずとも、固唾を呑むような光景であろう。
 (・・・ああ、あ、アデュー様に・・・見られている!?)
 レンヌは敢えてその視姦に耐えようとした。が、そうでなくても既に硬直した身体は、抵抗一つする事さえできない。まさに彼女がかつて体験した、あの夜の再現である。
 その乳房を手にとっては、小粒のような乳首を舌で転がす。既に完成されつつある早熟型、そして一年以上絶っているとはいえ、一度は男を受け入れた身体だけに敏感な性感は、アデューの稚拙な手つきと、彼の唾液に反応を促す。次第に・・・次第に、レンヌの乳首は、鋭く突起する。
 アデューはこの日、何度目かの口付けをレンヌと果たす。
 (確か・・・)
「!!」
 口内に侵入したアデューの舌に、レンヌも驚きに瞳を見開く。が、舌を絡み取られて、次第になされるがまま、互いの唾液を交感していく。
 (???)
 レンヌは、その陰惨な一日でさえ感じる事はなかった、身体のそこから湧き上がってくるような兆候に、驚きを禁じえなかった。次第に発汗する身体も、それに不快はない。むしろ心地よい感覚が彼女の身体を縛っていく。
 (!!!)
 それでもアデューの・・・男の手が、スカートの内部に侵入し、ソフトタッチとはいえ触れられた事以上に、あの日の光景がフラッシュバックする。
 パンティーを引き摺り下ろされる感触が、レンヌの戒めを解き、叩かれてから初めて、性交行為に抵抗しようとした。無論、アデューにも抵抗する可能性は通達済みである。また、事、性知識に関しては疎いアデューではあるが、体術と戦闘経験は、同世代の中で右に出る者は皆無である。レンヌの太股を持ち上げ、抵抗する動きそれ自体を封じる事など、造作もない事であった。
 (・・・こ、これが・・・濡れている!? って、言うのか?)
 初めて直に手にした性器。以前、カリウスと繋がったパッフィーの結合部を眼前で見せ付けられた彼だが、直に手にするのは、生まれて初めての体験である。
 ペロペロと、味見するように舐め・・・≪ ジュル、ジュジュ・・・ ≫と溢れてくる蜜を口内に運んでいく。最初は嫌悪と抵抗の姿勢を見せたレンヌも、次第に襲ってくる快感の渦に、身を委ねていく。
 確かにあの陰惨な日から、男を絶っている事になるレンヌの身体ではあるが、一度は男を受け入れさせられてしまった身体である。不浄とも、はしたない行為だと解っていても、自慰に耽るか、泣き枕に早朝、ベッドに大きな湖を浮かべるか、そのどちらかである。
「んっ・・・くぅぅぅぅ!!!」
 突き上げられた細い両脚が、痙攣したように震える。アデューの眼前で繰り広げられた潮吹きは、アデューの着衣をふんだんに濡らした。
 絶頂に達したレンヌの身体から、弛緩したように力が抜け、男に股間を曝け出す、M字のようにして、絶頂の余韻に浸った。
 レンヌの身体の膣内、そのレンヌそのものの匂いを身に纏い、アデューは、もはや我慢の限界と言わんばかりの、猛々しく怒張した股間を、ズボンから外気に曝け出した。
「!!」
 あの日と違って、月夜のある今夜。また愛撫されている間に、暗闇に目が慣れてきた事もあって、その男の象徴が・・・これから受け入れなくてはならない、それが、彼女の目に留まる。
 ・・・性交前に、見るべきではなかったかも知れない。
 (ぜ、絶対に・・・無理・・・は、入るはずがない!!)
 レンヌを蒼白させた愕然も、当然のものかも知れない。
 父に初代勇者ラーサー、叔父に覇王ギルツ・・・この二大英雄とも言うべき肉親を持つアデューのそれは、まさに先の大戦、アースティア最高の英雄として称された男が持つに相応しい。その点において、まさにカリウスに匹敵するペニスだともいえた。
 それだけに、レンヌに与える衝撃は凄まじいものであったはずだ。
 その猛々しい、想像を絶する破壊力を秘めたそれが、レンヌの久しく使用されていない入口に宛がわられる。
 ≪ ズプッ! ≫
「あっ・・・くぅぅぅ・・・だ、だめ・・・」
 バタつかせる両腕を、アデューは片手だけで容易に封じて、その先端が突入したレンヌの膣内に、ゆっくりと、身体をスライドさせるように再開される。
 アデューの顔が、苦痛に歪む皇女の顔に迫った時、二人は現在、名実・生態的共に、身体を一つに繋ぎ合わせた。
 (す・・・こ、これは・・・)
 本能的に・・・能動的に、アデューは無意識のまま抽送を繰り返した。その時の彼には、受け入れている少女さえ気遣う余裕も、擬似的にとはいえ、レイプしている実感もなかった。
 アデューは、その禁断の果実ともいうべき極上の名器と交わり、かつて先の大戦の英雄が、一人の少女の身体に翻弄された。頑なに抵抗する少女の両腕を抑えつけて、その彼女の愛液にコーティングされたペニスを受け入れさせていく。
 後にこの二人を論評した男は、レンヌ・カスタネイドは早期に完成された早熟型、既に完成された身体、名器。パッフィー・パフリシアは、男を受け入れていく毎に際限なく完成していく、持続完成型であると評した。アースティア史上最高の名器、その頂点という点においては、既に男を受け入れていたパッフィーに軍配が上がるが、それでもレンヌの身体、最高峰の名器であるという、その評価が完全に覆った訳ではない。

 レンヌを犯すアデューの記憶の中に、レイプされた少女の場面が思い浮かぶ。レンヌの抗おうとするその頑なそれが、カリウスによって破瓜されたパッフィーの姿に重なったのだ。擬似感にも似たそれが、更にアデューのペニスを興奮させ、まさにレイプよろしく、擬似的にとはいえ、アデューは無我夢中で皇女の膣内を荒らしまわった。
 無意識だった彼が、パッフィーに対して、本能的に興奮していた事。
 (ああ、そうか・・・)
 パッフィーの、まだ意識も定かでない彼女の漏らす喘ぎに、無意識状態だったはずの彼が、興奮を憶えていた事。後に監禁され、その間にも見せ続けられた一連の出来事。
 アデューは嫌悪しつつも、パッフィーがカリウスにレイプされる、その合間に洩れる喘ぎ、意識なくても感じていた表情、カリウスに破瓜された瞬間、繰り返される抽送、膣内に出された結合部・・・その全てが脳裏に焼きついている。
 最も身近であったパッフィーに、カリウスは、今のアデューにとっては最高の見本を示したのである。だからこそ、彼は性的知識や経験がなくても、彼はレンヌに対して、無意識でも身体が動いたのである。
 (俺も、こうやって・・・ああやって、パッフィーを・・・レイプしたかったのかも・・・知れない!)
 パッフィーを強引に・・・いや、カリウスのように意識を奪って・・・その機会は、供に旅してきただけに、いくらでもあったはずだ。
 俺が破瓜していれば、カリウスに捧げる事はなかった。パッフィーにとっても、実の父親であるカリウスにレイプされる事によって、奪われるぐらいなら、まだ俺に捧げた方がいいに決まっている。
 もう戻る事がない時間。取り返しのつかない過去。引き裂かれた現実。
 そして、まざまざと見せ付けられた、結合による、その屈辱・・・

 十五歳の少年には余りに早過ぎた、レンヌ皇女、禁断の果実・・・
 それによって増幅されてしまった、曝け出されたアデューの邪な想い。
 (パッフィー・・・パッフィー・・・パッフィー!!!!!)
 (ア、アデュー!!)
 激しく受精を嫌悪する、パッフィーの表情が脳裏を過ぎった。
 (う、受け取ってくれ・・・バッフィー!!)
 幾度もなく想いを秘める少女の名を繰り返し、アデューはその邪な欲望をも増幅させた濁流を、その場の勢いに任せて、レンヌの膣内にぶちまけた。
 十五歳の彼女の誕生日、あの忌まわしい男たちが彼女に贈ったプレゼントと同様のものを・・・
 一度限りの性交だったとはいえ、レンヌは心の傷、トラウマへの抵抗に心身ともに疲弊し、童貞だったアデューもまた、アースティア最高峰の名器に翻弄され続けた結果、二人はそのまま深い眠りについてく。

 十五歳の(数日後に十六歳を迎える)アデューが放つ初めての射精・・・想い秘めるパッフィーのレイプされた光景、場面に興奮しても尚、放つ事はなかっただけに・・・その濃縮な濁流は逞しいばかりの生命力を発揮して・・・その数日後の、レンヌの遺伝子と結びつくまでに至る。
 無論、それはアデューの知る由もなく、また、レンヌ皇女自身も想定外の出来事ではあった。



 (パ、パッフィー!!・・・)

「パッフィー!!」
 突如、アデューは叫び、次第に視界が広がっていく。
「あっ、は、はい!」
 驚き跳ねる、久しく見てなかったような、可憐な少女。
 そのアデューの叫びに、他の仲間も駆けつけてくる。さすがにサルトビは忍者刀、懐にクナイ、戦闘態勢は万全だ。
「どうした!? アデュー!!」
「サルトビ・・・あ、あれ!? ここは・・・」
 アデューは周囲を幾度もなく見渡して、見た事があるような、ないような、曖昧な光景と、見慣れた仲間たちの表情に唖然とした。
「おいおい、まだ、寝惚けていやがるのか!?」
「フフッ、アデュー」
 人騒がせな叫びに呆れ顔のサルトビ。突然、周囲一帯に響くような大声で呼ばれた彼女は頬を赤らめる。
「さてと、地図によれば次のモンゴックまでは、まだかなりの距離があります。まぁ、ゆっくりと向かうとしましょうか」
 (モ、モンゴック・・・!?)
 かつて一度は滞在した事もある街の名前だが、この街道を利用するのは彼らでさえ初めての経験であり、イズミが慎重論を唱えるのは当然でもある。だが、それ以上にアデューは、その街の名前に衝撃を憶えずにはいられなかった。
 (モ、モンゴック・・・か、カリウス・・・)
 かつて滞在した事もあり、そして、この数十日後に起きる陰惨で屈辱的な光景。無情にも、まだ顔を見ぬ男に犯されてしまう、可憐な少女。
 (パッフィー・・・)
 アデューはまだ何も知らぬ、あどけない表情の彼女を盗み見る。
 ライトグリーンの長い髪を一つに束ね、大陸を代表するような、あどけない可憐な顔立ち。小柄な身体ながらも、女性らしく発育の良さを窺わせる胸の膨らみ。無駄な肉がない、ピシリと締まった胴元。ハイレグレオタードの狭間にあるミニスカートに隠れた股間。長細い両の脚。そして・・・この時点で、誰にもまだ到達を許していない膣口。唯一最初の男だけに許される処女の身体。
 レンヌと交わった事で、女性との性交の快感、膣内出しする征服感を憶えてしまったアデューだっただけに、その幾度もなく見てきたはずのパッフィーの身体は、非常に魅惑的なものであった。


 そして、アデューはまた深い眠りの中に、邪な願望へと誘っていく。


 かつてアデューは、生涯の師ギルツとの流浪の旅で、多くのものを学んだ。騎士への剣術の技や、戦いへの心構えだけではなく、野生の獣や鳥を狩り、肉にする技巧。様々な植物や薬草の知識。
 そして、サルトビとイズミ、パッフィーに盛った、眠り草の効果、特性なども・・・
 アースティアに現存する様々な植物の中で、眠り草と呼ばれる花がある。これは火を通さなくても、即効性の睡眠効果を得られるが・・・火を通して煎じた場合、無味無臭・・・透明の味付けとしてトッピングできる。これにはイズミやパッフィーには無論の事、嗅覚の優れた忍者である、サルトビでさえも気付けない。また、火を通して煎じた場合、遅効性だが確実に大きな効果を発揮する。
 四人は野宿でも同時に就寝する。見張りも夜番も、一行には必要ない。寝ながらでも、サルトビが周囲の警戒する・・・それが一行の野宿する習慣の常ではあった。
 だが、アデューの技巧で眠り草を盛られたサルトビが一度眠りについた今、三人は、よほどの衝撃、痛覚が与えられない限り、早朝まで起きる事は絶対にない。
 例え、その横でアデューが、パッフィーを・・・レイプしていた、しても!!

 (パッフィー・・・)
 暗闇の静穏の中、アデューは一人起き上がって、深い深い眠りに囚われた二人を他所にパッフィーの許へ立ち寄る。寝つきの良い彼女が気付いた様子は今のところない。薬が効いている証拠だろう。
 (パッフィー・・・)
 主に登山者などが代用で用いる紐草を片手に、彼女がかけている毛布をゆっくりと剥ぎ取ると、彼女の両手を後ろ手に拘束していく。無論、わざわざ拘束しなくても、アデューとパッフィーの筋力差なら、そのままでもレイプする可能だ。だが、何故か後ろ手に拘束しなければならない、そんな気がしてならなかった。
「んんっ・・・」
 眠れる少女が僅かに反応を示すが、まだ起きるような心配はない。
 その突き出されたような姿勢のパッフィーの、小柄な少女にしては発育の良い二つの胸の膨らみを、アデューは両手で、衣服越しから触れていく。
 (・・・こ、これが・・・パッフィーの・・・ゴックリ・・・)
 アデューは固唾を呑んで、まるで撫でるように、大切なものを扱うような手つきでパッフィーの胸をまさぐる。≪ トクン、トクン ≫と、彼女の定期的な鼓動が伝わり、彼女の心臓がアデューの存在を察知し、まるでアデューの行為を歓迎しているような、心地の良い心音である。
 (・・・待っていろよ、パッフィー・・・俺が今・・・)
 アデューはパッフィーの膨らみを優しくも揉みしだきして、その彼女の首筋に口付けをする。
「・・・ぁ・・・」
 優しい手つきから、次第に握力を込めて・・・指はその頂点に君臨するだろう、まだ見ぬ・・・そして後に幾度も拝めた突起物を挟み込む。
 深い眠りについたパッフィーのハードジャケットをはだけさせ、腰まで覆うアンダーシャツを胸元から引き摺り下ろす。アデューの眼前に、パッフィーの双乳が曝け出された。
 (パ、パッフィー・・・)
 海老沿りさせるのように抱えられ、後ろ手に拘束された状態から、意識のないパッフィーはまるで誇るように、双乳をアデューに差し出すような体勢になってしまう。
 アデューはその小さな突起物、乳首を指で弾き、小さな乳輪に沿うようにくすぐる。
 そしておもむろにスカートへ手を伸ばしては、未だ誰にも・・・そして後にカリウスに奪われてしまう、純潔を、一枚の布越しで曝け出させる。
 アデューはパッフィーのショーツを丹念に、その一箇所を唾液で濡らさせ、乳房乳首供に弄んでいく。股間から臍へ、そして乳房乳首へと舌を這わせては、パッフィーのその小さな蕾を唾液でコーティングさせる。
 深い眠りの中にあるとはいえ、彼女のその感度の良い身体は、確実にアデューの存在を感じていた。
パッフィーの頬に赤みが帯び、それに伴い口元から甘い吐息が漏れる。
 アデューは眠れる少女の、その唇を一気に奪った。
 (遂に・・・唇を・・・)
 それは彼が長い時の間、望んでいた唇であり、それがパッフィーにとって記念すべき、そして、後にカリウスに奪われる、ファーストキスである事を意味している。
 唇と唇を重ね・・・そして・・・
「んっ・・・んんんっ・・・んっ」
 そしてアデューはパッフィーの口内に舌を侵入させると、パッフィーの綺麗な歯並び、歯茎を堪能しつつ、愛らしい舌を絡み取った。そして、いずれカリウスに奪われるはずだっただろう、その唾液を飲み込んでは、自分の唾液を注ぎ込んだ。
「んんっ・・・んっ、はぁ・・・はぁ・・・」
 唇を幾度もなく重ね合って、それから解放された、眠れる少女は涙目にも、明らかに感じているようだった。
 アデューはいよいよ、パッフィーと結ばれるために、純潔を護る最後の一枚の薄布を剥ぐ。
 眼前に曝け出された、小さな小さな穢れない存在。初めて見る、そして幾度もなく見せ付けられた、カリウスと繋げる、パッフィーの結合部。アデューは、このパッフィーの処女を奪うのは・・・奪えるのは、自分だけと言わんばかりに、口付けすると潤いだしていた、パッフィーの身体純正の液体を舐め上げる。
「んっ・・・んんん・・・」
 静粛な暗闇の中、パッフィーの股間から奏でられる旋律、パッフィーの甘い吐息、喘ぎが耳についた。

「行くよ・・・パッフィー・・・」
 アデューはカリウスに勝るとも劣らない、先の大戦の英雄が持つに相応しい剛直を、同じく先の大戦の英雄であり、【聖女】と崇められた少女の身体に宛がう。
  ≪ ズブッ! ≫
 太股を抑え付け、アデューは改めて、パッフィーの膣内にその先端を沈めていく。それに伴い、アデューの男の象徴が、確実にパッフィーの膣内が受け止めていく。
  ≪ ズブズブッ・・・ ≫
 凶悪な凶器そのものが、パッフィーを・・・想い合う彼女の膣肉を掻き分けて、その身体を貫いていく。
「い・・・いっ・・・あっくぅぅ・・・」
 処女であるパッフィーの苦痛も無理はなかった。彼女に挿入しようとするアデューでさえも、この苦痛なのである。
「いたっ・・・くぅぅ・・・なっ・・・」
 そして、カリウスとのバージンブレイクの時とは異なり、ただの眠りだけにあったパッフィーも、さすがにこの痛覚には目を覚ます。また、先ほどまで眠りにあっただけに、暗闇にも慣れている彼女には、その眼前に映し出された視界に、驚きを禁じえなかった。
 そこでパッフィーが見たのは、想い合うはずの、自身をレイプしようとしている、アデューの悪鬼の表情、そのものであった。
「あ、アデュー!? ・・・や、やめて!」
 (パッフィー・・・目を覚ましたか!?)
 だが、もう遅い、とアデューは思った。既にその両腕は紐草で・・・だが、その瞬間、彼は愕然とせずにはいられなかった。容易に解けるはずのない紐草が解けており、後ろ手に拘束していたその彼女の両腕が、アデューとの性交を・・・アデューの身体を頑なに拒む。
 (な、何故だ!!)
 その驚きこそ禁じえなかったが、そもそも彼女とは歴然とした筋力差、男である体格的な有利がアデューにはある。アデューは力ずくで、その彼女の頑なな抵抗を両肩から抑え付け・・・
 (いずれ、カリウスに奪われるんだ!! だったら、俺が!!)
  ≪ メリメリメリメリィ!! ≫
 一気に下半身を貫く!!
  ≪ ピッ!! ブチプチブチ!! ≫
 気丈な彼女の性格にも似て、強固だったはずの彼女の処女膜も、強引な力ずくで突き破る。カリウスの時のバージンブレイクとは異なり、アデューのそれは、まさに性急速攻! パッフィーに破瓜される覚悟の暇さえも与えなかった。
 アデューのペニスその全てが、まるでパッフィーの身体を突き貫くように打ち込まれ・・・
「かはっ・・・!!」
 パッフィーは激しい激痛に反り返り、溢れんばかりの涙が宙に舞う。
 (あ、アデュー・・・どうして・・・?)
 互いに想い合う・・・少なくても、パッフィーにとってアデューとは、もはや、ただの戦友でも、自分の心を許せるただの友人だけでもなかった。勿論、彼に求められれば、パッフィーとて恥らいながらも、彼を受け入れた事だろう。
 それだけに、そのアデューにレイプされるという現実は、彼女にとって衝撃的な出来事だった。
 一度、パッフィーの身体から引き抜いたそれに、パッフィーが彼に純潔を捧げた証明、アデューが破瓜した鮮血が纏わりついている。
「ア、アデュー・・・い、痛い・・・お、御願い・・・」
「パッフィー・・・血だ・・・俺が、パッフィーを、破瓜した・・・」
 彼は嬉々として、パッフィーを破瓜した事に喜びを感じていた。そこにパッフィーをレイプした、その彼女の心境などを思う心は一欠けらも、見受けられない。
 (・・・まだ、まだだ。まだパッフィーの純潔を奪っただけだ!)
 カリウスから全てを奪い返すためにも、アデューはその鮮血が尚も滴るパッフィーの花弁に、自らのペニスを突き入れていく。
 奇しくもパッフィーの処女なる身体・・・その後にアースティア史上最高の、極上の名器とも称された、それは、アデューは唯一に交わったレンヌのそれと同等以上のものである。
「す、凄いよ! パッフィー! この身体!!」
 アデューは称賛を惜しまず、ただがむしゃらに腰を叩き付ける。
 パッフィーの破瓜した鮮血が纏わりつくペニスに、絡みつくような膣肉が素晴らしかった。その構造、受け入れ具合といい・・・激痛に歪ませるその可憐な表情、激しい抽送によって過剰とも思える、その反応も、レイプするアデューを愉しませた。
「あ、アデュー!!」
「パ、パッフィー様!!」
 (な、何故、サルトビとイズミが!!)
 薬を盛られていたはずの二人が、いつの間にか目を覚ましていた。が、誰の仕業は解らないが、二人のその姿を見て、アデューは安堵の溜息をついた。パッフィーを拘束した紐草のそれが、彼らの自由を完全に奪っていたからだ。
「あ、アデュー・・・お、御願い・・・止めて・・・」
「もう少しで・・・もう少しで・・・膣内に射精して・・・やるから、待っていてくれ! パッフィー!」
 (な、膣内に!?)
 激しい抽送を繰り返されながら、パッフィーは愕然とした。奇しくもその日はパッフィーにとって、カリウスにレイプされて結びついた、その前の排卵期末日にあたるからだ。
「パ、パッフィー・・・い、いくぜ!!」
 アデューにレイプされ、大粒の涙に愕然とする彼女は、哀願するように弱々しく頭を振った。
 もっとちゃんとしたかたちであったのならば、彼女もアデューの全てを受け入れる、例え、排卵期中の最も危険日であっても、受け止めるだけの心構えはあっただろう。
「い・・・いずれ、カリウスに射精されるんだ・・・」
 その未来の出来事を語る言葉に、レイプされているパッフィー、静観するだけしか許されない二人には通じる事はない。
 だが、だからこそ、アデューは決行しなければならないのだ。
「だったら、俺が今・・・」
 アデューはパッフィーとの連結部を完全に密着させた状態から、今、パッフィーの膣内、子宮でアデューの種を待ち望んでいる卵子に向けて、滾る男の野生を解放した。
「パッフィーを孕ませてやるよぉぉぉ!!」
 まるでパッフィーの卵巣までも、アデュー一色に染め上げるような、激しく夥しい限りの濁流が、パッフィーの身体全体に染み渡っていく。まさに彼女の膣内の蓄積許容量を遥かに超えていた。

 パッフィーと遂に結ばれ、その膣内に征服した証を注ぎ込んだアデューは、パッフィーが初めて受精し、受胎していくまでの過程を、その余韻をパッフィーと繋がったままで噛み締めた。
 ようやく、組み随えていた少女の身体を離し、その痛々しく陵辱された花弁から、パッフィーの純潔の証、アデューが征服した証が、だらしなくM字に広げられた股間から、溢れ出しては滴り流れ落ちていく。
 その果たされる事なかった願望を遂に成就させ、アデューはそのレイプした少女の姿に、満足感以上のものを感じずにはいられなかった。
「最高の処女マンコだったぜ、パッフィー!」
 かつて誰かが口にした言葉だった。が、今のアデューにはもう、どうでもいい事だった。
「ひ、酷い・・・」
「そ、それが騎士のする事か!!」
「そんな事をせずとも、パッフィー様は・・・」
 その仲間たちの視線、バージンブレイクさせ、レイプした少女の無残な姿に、アデューはこれ以上にない優越感を憶えていた。


 そして、再び、アデューの夢、邪な願望は異なる夢へと誘う。


 それは、パッフィーがあの港倉庫、黒いシルエットに破瓜される・・・その瞬間から、その結末までを再現させたものである。
 今度は一転、アデューも捕縛させられた、静観を余儀なくされた身である。あくまでその舞台の主役はカリウスという男であり、主演女優はパッフィーだった。
 アデューはそのパッフィーにされる残酷な行為、無残な光景に、穢されていく少女の表情に、この上なく・・・興奮していた。気がつけば、アデューは心から、パッフィーをとことん舐るようなカリウスに、期待、更に後押しする声援さえも、心の中で送っていた。
 (もっと、パッフィーの苦痛に歪む表情を見せてくれ!)
 (もっとだ、もっと射精してやれ!!)
 想い寄せる少女が見せる、苦痛に歪み、恥辱に悶え耐える表情。その曖昧なバランスの均衡が、アデューの興奮を・・・男の悲しき性が促すのだ。
 (い、いや・・・違う・・・パッフィー・・・)
 アデューは心の中で声援しつつも、僅かに戸惑う。
 (パッフィーを犯すのは・・・お、俺・・・)
 だが、その切実な思いとは裏腹に、その想う少女がレイプされていく光景を前に・・・アデューの股間は滾りさえ覚えていた。
 理性と本能が鬩ぎあう中、アデューは一つの事実に気がついた。
 そう、先の夢の、アデューがパッフィーを犯したそれは、かつてカリウスがパッフィーを破瓜し、レイプした行為をそのままに、踏襲したものであった。
「最高の処女マンコだったぜ、勇者さんよ・・・・・・」
 (・・・お、俺は・・・)
 カリウスにレイプされ、苦痛で表情を歪ませつつ、気丈にも恥辱には悶え耐えたそのパッフィーの表情は、アデューの知る限りの中の、彼女の表情の中でも、もっともエロティックで、もっとも扇情的であった。



 アデューは目覚めると同時に、レンヌ皇女のベッドの上で起き上がった。横では唯一に関係した彼女が、今も穏やかな寝顔を見せている。
 ハァハァ・・・ゆ、夢!?
 昨夜、擬似的にとはいえ、レンヌをレイプし・・・そのまま、深い眠りに陥っていたらしい。
 その擬似的なレイプ行為のそれが、アデューの心の中にあった、僅かな願望、男の性の本性を曝け出して、あんな夢を見せたのかも知れない。
 その目覚めの悪さは、まさに最悪だった。
「クッ・・・最低だ!! 俺は・・・」


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