第24話 砂漠


 ルオドールとの決闘から一週間がたち、新たに即位したユーノを頂点に貴族中心主義を放棄、民衆のための政治に専念することを宣言し、新たな道を歩み始めていた。八旗将の長に昇格したファンスロットはこれをエリックたちとユーノを共に支え、欠番となった残り4人の八旗将の育成にも乗り出す。
 そんなルオドールをエリウスは友好的に援助することを宣言し、貴族主義者たちによって虐げられてきた人々を支援する。これによりユーノとエリウスは民衆に受け入れられることとなった。エリウスは魔天宮でルオドールに移動、次の目的地ハイザンデの様子を伺っていた。そんなエリウスの元に知らせが届いたのはハイザンデへの侵攻策を練っている、そんな最中であった。

 「ハイザンデからの使者だって?また決闘でもやろうっていうのか?」
 「いえ。此度は親書を持っての訪問でございます」
 対応に当たったフィラデラから使者の話を聞いたエリウスは意外そうな顔をする。まさか親書を持ってくるとは思わなかったからだ。正直どう責めるか苦慮しているところへの親書であったので、裏を読もうとして色々な考えが浮かんでくる。色々と浮かんでは来るが、同時にそれを打ち消す考えも浮かんでくる。
 「今回は裏はない・・・な・・・」
 色々考え込んだエリウスはその結論に至る。直感ではあったが、自信はあった。
 砂漠の国ハイザンデ。不毛なる砂漠に覆われた国。作物は育たず、これといった鉱物資源もない。緑は少なく、水もない。それゆえ人が生きてゆくには難しい国とされてきた。それでも誇り高い部族はその地に住み着き生き抜いてきた。そんな彼らが唯一の生きる未知として選んだのが傭兵という道であった。
 「差出人はハイザンデ傭兵ギルドの長からか・・・」
 エリウスは親書に目を通してゆく。ハイザンデの傭兵ギルド。ハイザンデに住むものたちに傭兵としての心構えや戦い方、配属先の斡旋などを世話するギルドである。傭兵ギルドとしては世界最大規模となる。その長からの親書には会談を持ちたいとの内容が記されていた。
 「ふむ・・・無益な戦いをしないですむというわけか・・・」
 しばし考え込んだエリウスは会談を承諾する。傭兵ギルドの長が何か裏を持って会談を持ちかけてくるとは思えなかったし、たとえ罠を仕掛けられていたとしても逃げられる自信がエリウスにはあった。快諾を得た使者は新たにエリウスから返事の親書を託されるとハイザンデへと戻っていった。
 「さてと、どう行くのがいいかな?」
 エリウスは地図を広げると、会談場所であるハイザンデの首都ハイザンデへの行き方を熟考する。といっても進めるルートは2つ。一つが砂漠を横切るルート。正直このルートは最初から切り捨てて考えている。不毛な砂漠を魔天宮で進むことは不可能である。となれば馬で進むことになる。ハイザンデの住人ならばともかく、なれないものにこのルートを抜けるのは至難の業である。
 「最初からこっちのルートしかないんだけど・・・」
 エリウスが選んだルートは海沿いを行くルートであった。海沿いに進むこのルートならば快適な旅でハイザンデを目指すことが出来る。
 「船を手配しなくちゃならないんだけど・・・」
 海ルートを行きことを決めたまではよかったが当の船がないのではどうしようもない。ルドオールは海軍を持たない国なので船は漁船か商船しかない。もしものことを考えると出来れば軍船で進みたいエリウスにとって頭の痛いことであった。
 「軍船を持っている国となると、シーゲランスくらいしかないんだよね・・・」
 だがその場合シーゲラントの首都コンドルアまで戻り、国王の許可を得なければならない。その手間を考えると会談までの時間が詰まってしまう。どうしたものかと思案していたエリウスだったが、ふとあることを思いつく。
 「そうだ、そうだよ。これなら相手に強いインパクトを与えられて会談を優位に進められるじゃないか・・・」
 嬉しそうな顔をして一人納得顔で頷く。そんなエリウスの顔を見たクリフトとフィラデラは言い知れぬ悪寒に苛まれていた。
 「なあ、フィラ。エリウスがああいう顔をすると気って大概ろくでもないことを思いついたときだよなぁ・・・」
 「いたずらっ子が面白いイタズラを思いついたときの顔ですわ・・・」
 二人は溜息混じりに囁きあう。何を思いついたのか聴きたいところだったが物凄くいやな予感がして、聞く気になれなかった。そんなクリフトたちの思いを無視してエリウスは勝手に計画を立ててゆく。キールが部屋に入ってきたのはちょうどそんなときだった。
 「エリウス様。レオナ様とアリス様がお戻りになられました」
 キールがそう言うと部屋の中にレオナとアリスを通す。シーゲランスでの一件以来休養を取っていたレオナとそのお供をしていたアリスの帰還にエリウスは笑顔で答える。
 「お帰り、レオナ、アリス。ゆっくり休めたかい?」
 「はい、申し訳ありません。この忙しいときに。十分に休養を取れましたのでご存分にご命令下さい」
 エリウスの言葉にレオナは畏まって答える。アリスもお辞儀をして帰還の挨拶を済ませる。そんな二人を笑顔で迎えたエリウスは自分の決定を伝える。
 「レオナ、アリス。帰って早々に悪いんだけど、これからハイザンデへ会談に向かう。"巫女姫"全員を連れてゆくから君たちにも付き合って欲しい」
 帰って早々の命令だったが、レオナもアリスも嫌そうな顔一つせずにその命令を受け取る。次にエリウスはクリフトとフィラデラのほうに向き直る。
 「そう言うわけだから、クリフト、フィラ、後はよろしく頼む」
 「よろしくっておまえ、護衛はどうするんだ?」
 「そうです。交渉の細部を詰める者も・・・」
 自分たちが突いてゆくものと思っていたクリフトたちは慌ててエリウスを制止する。しかし、エリウスは笑みを浮べてそれを拒絶する。
 「護衛はレオナをはじめユフィナトアたちがいるじゃないか。交渉の細部はアリスたちが詰められる。今回は君たちはお留守番だ。いいね?」
 笑顔で命令されてはそれ以上何も言うことが出来ない。
 「わかったよ。で、何でハイザンデまで行く気だ?船ならコンドルアまで戻らないと・・・」
 「そのことなんだけど・・・」
 エリウスは笑ったまま自分の計画の全容を説明する。それを聞いたクリフトたちは驚きの声を上げる。
 「ほ、本気か、お前?」
 「おやめ下さい・・・冗談にも程があります・・・」
 「冗談じゃないよ。相手も会談を優位に薄めるために色々仕掛けてくるだろうからね」
 頭を抱えたくなるようなことを言うなとクリフトたちが窘めるが、エリウスはまるで動じること無かった。本気でやるといっているエリウスをとめることはクリフトたちには出来ず、結局エリウスは計画通りにハイザンデを目指して行くのだった。

 ハイザンデ首都・ハイザンデ。ここにハイザンデの傭兵ギルドの本拠地があった。ハイザンデ出身の傭兵はここで名前を登録し、訓練を受け各地に散ってゆく。ある者は兵士として、ある者は冒険者として、ある者は用心棒として、己の腕だけを頼りに稼いでゆく。その稼ぎの何パーセントかがギルドの上納金として納められる仕組みとなっていた。この上納金がギルドの運営を支え、新しい庸兵を生み出す仕組みとなっている。そのギルドにとってヴェイス皇国は上客の一つであった。彼らがいるから庸兵を雇うものがあとを絶たず、戦いがあるから傭兵がいくらでも雇われる。彼らにとってヴェイスは自分たちの生命線とも入れる存在だった。
 「しかし、世情がヴェイスよりだからといって彼らと契約など結べるのだろうか・・・」
 ごく最近ギルドの長になったばかりのアリシアは溜息混じりに呟く。ギルドの幹部会議で決まったことだったが、彼女自身まだあまり納得していなかった。もちろんヴェイスと組むことで多くの庸兵を輩出できる利点を考えてのことだ。いくらヴェイスに対立する国に庸兵を出しても国が滅亡してしまってはその報酬は不払いのまま踏み倒されてしまう。それならば勝てる見込みのある側について金を稼ぐ方がいいというのが幹部連の考え方であった。
 「そう言いますな、お嬢。それにヴェイスの若君は話の分かる方だと聞いていますぜ?」
 「だがな、これで相手を威圧していい条件を引き出そうというのは少しやりすぎじゃあないか?」
 幹部の一人で右腕として頼りにしているバットの言葉にアリシアは自分の後ろに目をやる。2000を越える傭兵が武器を手に整列している。エリウスの出迎えという建前の下、集められた者たちで、実際はエリウスへの無言の圧力であった。話の分かる相手ならばこんなことをしなくてもいいと思うアリシアであったが、幹部連の最初が肝心の言葉に押されてこういった出迎えとなってしまった。
 「まあ、まあ。そろそろ時間でっせ、お嬢」
 同じく側近の一人、アリババにそういわれたアリシアは視線を海上に移す。陸上を来る可能性がない以上、海から来るはずだという考えからハイザンデの港での出迎えとなった。相手が会談のためにここに来てもこの傭兵たちを見たら萎縮せずに逆に起こってしまうのではないかとアリシアは内心ハラハラしていた。
 「ん、来たみたいでっせ」
 アリババの言葉にアリシアは視線を移す。確かに水平線の彼方に何かがこちらに向かってくるのが見える。今の時点であの辺りでは時間より少し遅れるかもしれないな、とアリシアは思いながら会談をどう薦めようか考えながら海上を進むものを見つめていた。
 「って・・・あれ?」
 ぼんやりと海上の物体を見つめていたアリシアはその異常に気がついた。こちらに進んでくる速度が船が進む速度よりはるかに速いのだ。みるみるうちに黒い影はその姿をはっきりとさせてくる。影は2つ。船ではない。空を飛んでいるのだ。大きな翼を広げ、尻尾を振りながら白と緑の物体が高速でこちらに向かってくるのがよく分かった。
 「ド・・・ドラゴン・・・?」
 こちらに向かってくる最強種族の姿にアリシアは自分の目を疑った。だがそれは間違いなくドラゴン族であった。神竜と呼ばれる種族。色から考えてブリザード・ドラゴンとストーム・ドラゴンに間違いはないだろう。名前が分かったからといって状況が変わるわけではない。
 「じょ、冗談だろう・・・」
 バットは思わず唸り声を上げる。2000の庸兵を配置してあるが、神竜、それも2体も相手にするにはとてもではないが数が少なすぎた。伝説の神竜の姿に傭兵たちの間からも動揺が広がってきている。どういう意図で神竜がここに来たのかはわからない。だが、戦闘になったとしたら街への被害も免れないだろう。
 「ど、どうしろと・・・」
 渇ききった喉に唾を飲み込ませようとするが一滴の唾も出てこない。アリシアの体は小刻みに震え、恐怖に必死に耐えていた。対応を考えていたが、それがまとまるよりも早く二体の神竜は港に飛来する。二体はアリシアたちの眼の前で急上昇すると、勢いを殺して港へと降り立ってくる。その翼の巻き起こす風に必死に耐えながらアリシアはどうすることも出来ないまま成り行きに任せるのだった。港に降り立ったドラゴンは首を垂れてくる。その背中には四人づつ、総勢9人の男女が乗っていた。正確には男一人に女八人である。
 「ヒョウ、ラン。ご苦労様」
 港に降り立った男は二体のドラゴンの頭を撫でてやる。すると喉を鳴らして喜んだドラゴンはその体を輝かせる。その姿は光に包まれたまま縮んでゆき、2人の小さな少女に変身する。2人の少女の頭を撫でた男はくるりとアリシアの方に向き直ると、深々とお辞儀をしてくる。
 「ハイザンデ傭兵ギルドマスター、アリシア殿ですね。お初にお目にかかります。ヴェイス皇国第二王子エリウス=デュ=ファルケンと申します」
 「貴方が・・・エリウス王子・・・」
 笑顔で答えるエリウスであったがアリシアの方は完全の動揺しきっていた。2000名の傭兵で相手を威圧するつもりがたった二体のドラゴンによって逆の度肝を抜かれてしまった格好である。どう対応したらいいものかと迷っていると、いち早く立ち直ったアリババがそっと耳打ちしてくれる。それを聞いて慌てて跪きエリウスを迎える。
 「ようこそおいで下しました、エリウス王子。ギルドマスター、アリシアにございます」
 しどろもどろになりながらも自己紹介を終える。アリシアの自己紹介を受けたエリウスは自分の後ろに控えた少女たちを紹介してゆく。レオナたち"巫女姫"たち全員が次々に紹介され、その著名な名前のオンパレードにアリシアをはじめバットもアリババも圧倒されるのだった。著名な姫君たちとはいえその佇まいは隙がなく、歴戦の戦士並の威圧感を誇っていた。
 「この先に宿を用意してございます。ご案内に致しますので今日はごゆっくりお休み下さい・・・」
 アリシアは俯いたままそう言うと、バットにエリウスたちの案内を任せる。バットに案内されて宿へと向かうエリウスたちの後姿を見送りながら、アリシアはアリババと話し合っていた。
 「今回の我々の作は完全に失敗だったな・・・」
 「まったくで・・・先を取るつもりが完全に奪われてしまいましたな・・・」
 溜息交じりのアリシアの言葉にアリババも同意するしかなかった。相手の出鼻をくじいて話し合いを優位に進める。その腹積もりでいたところにあの神竜である。完全に出鼻をくじかれてしまった格好でこれからの話し合いをどうやって自分たちに優位な方向に持っていくかが最大の懸案であった。 
 「力押しの交渉ではいい条件を引き出すことはできますまい。でしたら少し引いた条件と他の情報でうまく釣るしかないでしょう」
 「うまく釣れると思うか?相手はあの”操りし者”だぞ?」
 「ですな・・・すでに我々がこうして話し合っていること自体、彼の手の内なのかも・・・」
 考えれば考えるほど、エリウスの術中にはまっていく気がしてならなかった。策士の策に見事にはまってしまった自分たちにはどうやっても勝ち目がない、そんな風に思えてくる。やれることは少ないが、少しでも多くの譲歩案を引き出そうと懸命に頭をめぐらせるアリシアであった。

 その夜、エリウスたち宿泊の宿。一流の宿を借り切り、大部屋を一室使ってのお楽しみが繰り広げられていた。部屋にはエリウスと七人の娘たちが一糸纏わぬ姿で絡み合っている。
 「んんんっ・・・あふっ・・・」
 「あむっ・・・あんんんんっ・・・」
 ベッドを繋ぎ合わせた中央にエリウスが寝そべる。その股間に顔を埋めてナリアとアンジェリカが愛しそうに大きく勃起したペニスをしゃぶっている。2人の舌が舐め上げるたびにペニスはヒクヒクと反応を示し、先端から透明な液体を滴らせ喜びを表現する。
 「どうですか、エリウス様。気持ちよろしいですか?」
 「ああ、気持ちいいよ。いいけど・・」
 イシュタルが寝そべったエリウスの顔を覗き込むようにしながら尋ねてくる。エリウスは気持ちよかった。美少女2人にペニスをペロペロ舐めてご奉仕してもらって気持ちよくないはずがない。気持ちよすぎてペニスが破裂寸前にまで大きくなっているのが分かる。分かるのだが返事が少し言いよどんでしまう。
 「何か問題でも?」
 「これは一体どういうことなのかな?」
 首を傾げるユフィナトアにエリウスは縛られた自分の両手を見せ付ける。布でやさしく巻かれているのだが、その上から魔法で硬化させてあるため引きちぎることも、抜け出すことも出来ない。ただ動きを封じられ少女たちのなすがままになっている状態だった。
 「手を自由にするとエリウス様が主導権を握ってしまいますから。今宵は私たちのしたいようにさせていただきます。よろしいですね?」
 唇に指を当てたレオナが嬉しそうに言うと、その指をエリウスのペニスの先端に押し付ける。そのまま鈴口を指先で擦り上げながら、先走りの液体を指になすりつける。指先に絡んだ先走りと、ナリア、アンジェリカのペニスを舐める唾液の音がいやらしい水音を奏でる。
 「エリウス様、好きなときにイって下さいね?」
 上から覗き込んだシェーナがやさしくそういいながらエリウスにキスを求めてくる。唇と唇を重ねあわせ、舌と舌を絡め、唾液と唾液を交換し合う。ただのキスなのに体の奥が暑くなるのを感じながらシェーナは何度もエリウスの舌を求めてくる。
 「エリウス様、もう限界みたいです・・・」
 レオナたちが弄ぶペニスを覗きこんだサーリアがその状態を見てそう宣言する。事実エリウスはもうとっくに限界を超えていた。それでも気力で何とかここまで持ちこたえてきたのだが、それを見破ったサーリアはアンジェリカにさらに舌を刺激するように指差すと、自分は変わりに陰茎に舌を這わせてゆく。
 「うあっ・・・アンジェリカ、そこは・・・」
 エリウスはアンジェリカの奉仕に悲鳴に似た声を上げる。彼女の舌は球袋を舐め上げると、指でそこを揉み解しながらさらにその下、アナルをペロペロト舐め始めたのだ。二人に陰茎を舐められ、指先で鈴口を撫でられ、さらにアナルを舐められてはさすがのエリウスの我慢も限界を超えてしまった。先端から放たれた白い粘液がレオナの手を、ナリアたちの顔を汚して行く。
 「んっ、エリウス様の熱くておいしい・・・」
 手に附着したものをレオナはおいしそうに舐めあげながらうっとりとした表情で呟く。ナリアたちも自分の顔に附着した精液を指ですくい、口に含んでゆく。他の"巫女姫"たちもその附着した精液に舌を伸ばし、舐め取ってゆく。その妖しい狂宴を目の当たりにしながらエリウスは首を傾げる。
 「ところで気になっていたんだけど・・・アリスはどうしたんだい?」
 「アリスでしたら、ランが一緒に寝たいと言い出しまして、今頃ヒョウを加えた三人でお休み中ですよ」
 エリウスの質問にレオナはそっけなく答える。一人減ったことに少しホッとしながらも、これからまだ続く宴にエリウスは少し戦々恐々としていた。そんなエリウスを無視するように娘たちは順番を決めてエリウスにもたれかかって来る。元気を取り戻したペニスにレオナが手を当てる。
 「まずは私からですわ・・・久方ぶりですのでやさしくお願いしますね?」
 レオナはそういいながらエリウスの上に跨ると、ペニスに手を添えて自分の割れ目に宛がう。位置を少し調節すると、そのまま迷い無く腰を落とす。すでにビショビショに濡れそぼったそこは難なくペニスを飲み込んで行く。その温かな締め付けにエリウスは快感を覚えながらレオナに全てを任せる。
 「ああっ、久しぶりです・・・この感触・・・んんっ!!」
 久方ぶりのペニスを膣で感じながらレオナは激しく腰を動かし始める。エリウスのペニスがレオナに膣を突く度に愛液が噴出し、ペニスに滴り落ちてくる。雁首が膣壁を撫で上げ、亀頭が子宮をノックする。久方ぶりの快感にレオナはハイペースに腰を動かして快楽を得てゆく。
 「あああっ、いい、いいです、エリウス様!!もっと、もっと、突き上げて!!あああっ!!」
 エリウスを膣内で感じながらレオナは激しく頭を振る。エリウスもまたレオナに締め付けに耐え切れなくなり、下から激しくレオナを突き上げる。グチュグチュと激しい水音とレオナの喘ぎ声が部屋に響き渡る。そしてレオナの膣道が激しく痙攣し、一際強くペニスを締め付けた瞬間、エリウスは我慢の限界を迎える。
 「あああっ、熱いのが・・・お腹のなかに・・・」
 子宮の中に注ぎ込まれる精液を感じながらレオナはさらに激しくペニスを締めつけて全てを搾り取ろうとする。全て射精し終えるとレオナは恍惚の表情を浮べてままのそのそとエリウスの上から退く。変わってサーリアがエリウスの上に圧し掛かってくる。
 「エリウス様、今度は私をかわいがってくださいね?」
 「あの・・・ひとつ聞いていいかい?もしかして全員・・・」
 「もちろん全員満足するまで頑張っていただきますわ」
 血も涙もないことを笑顔で言われたエリウスは大きな溜息を漏らす。このまま彼女たちを放り出して逃げ出してもいいのだが、後が怖そうなのでやめておくことにした。ペニスが元気を取り戻すとサーリアがそれを膣内へと導いてゆく。他の娘たちも早く自分の番が来ないものかとウキウキした顔で覗き込んでいる。そんな彼女たちの顔を見回しながら、エリウスは明日からの会談の心配をしながら大きな溜息をつくのだった。

 翌日から始まった会談にはエリウスはアリスとレオナを帯同し行われた。前日の宴の影響か少し元気のないエリウスをアリスがサポートする形で会談は進んでゆく。ハイザンデ側では当初エリウス暗殺案も出されていたが、そんな案を採用しなくて正解であったと思うアリシアだった。アリスと共に会談の内容を詰めて行くエリウスの後ろではレオナが一切油断なく構えていて、とても暗殺者が近づける状況ではない。毒物による暗殺もアリスは魔法で飲み物の中身をチェックしているので無駄であっただろう。下手なことをすればこの国に攻め込んでくることは間違いない。軍事力はあっても食糧をほとんど自給でいないこの国では攻め込まれることは負けを意味していた。砂漠というこれまで使えた盾も、神竜を従えたヴェイスの前では何の意味も成さない。
 「あとはわたしの腕次第と言うことか・・・」
 アリシアは苦笑しながら会談を進めてゆく。うまく話を進めてより多くの譲歩を引き出すこと。それが彼女に求められることであり、腕の見せ所であった。傭兵の雇用、各地の冒険者グループへの紹介など色々な条件を引き出してゆくことに成功する。ただアリシアにも気になることがあった。今のところこれといった条件をエリウスが示していないことだ。それがなんとなく不気味に思えた。
 「それで、その見返りなのですが・・・」
 見返りなしで支援を受けられるはずもないなと呟きながらエリウスの出す条件に耳を傾ける。エリウスは条件を切り出す前に懐から一つの箱を取り出す。口をあけその中身をアリシアに見せる。中には赤い水晶が一個収められていた。アリシアは箱を手にとってそれを覗き込む。
 「これは・・・」
 「魔力石といわれる物です。大気中の魔素を溜め込んで置ける石です。まあ、溜め込んでおけるといってもほんの微々たる物ですが・・・」
 エリウスの説明を受けながらアリシアはじっと魔力石を見つめる。こんな小さな石一つで魔法を唱える補助をしてくれる。そんな石をじっと見つめる。だが、それと自分たちのつながりが見えてこない。しばらく考え込んだアリシアは思い切ってエリウスに尋ねる。
 「この魔力石と我々といかなるつながりが?」
 「この魔力石のほとんどがこの砂漠に眠っているんです。それを見つけ出して我々に譲っていただきたい。もちろん適価で買い取らせていただきますよ。それくらいので500といった所でしょうか」
 エリウスの言葉にアリシアは驚きを隠せなかった。そう簡単に見つかるものとも思えないが、それなりの産業としてやっていくことが出来るだろう。これまで無視されてきた石なのだからまだまだ無数に砂漠の下に眠っているはずである。これといった産業の無かった自国にとっては宝の石であった。
 「分かりました。一般市民を使って探させましょう」
 「お願いします。買取はうちの担当のものをここに常駐させますのでそいつを通して行ってください」
 エリウスは簡潔に説明してくれる。アリシアは頷くとエリウスの案を快諾する。この国の新しい方向性が見えてきたことにアリシアは喜びを感じていた。ちょうどそんなときだった。
 「お嬢、大変です!!」
 会談の部屋の扉が乱暴に開け放たれ、バットが慌てて飛び込んでくる。会談の最中の珍客にアリシアは眉をしかめる。エリウスのほうも何事かとそちらに目をやっている。
 「バット、まだ会談中だぞ?もう少し丁寧に応対できないのか?」
 「申し訳ありません。ですが急用でしたので・・・」
 アリシアのお小言にバットは申し訳なさそうに頭を下げる。しかし、すぐに顔を上げるとアリシアに報告をする。報告を受けたアリシアの顔色がさっと青くなる。
 「また奴らが現れたと?」
 「はい。今度はテリバの村が・・・」
 言葉を詰まらせるバットの様子から最悪の結末を迎えたことが想像できる。それを感じ取ったエリウスたちだったがその話を聞かないわけには行かず、遠慮がちに尋ねてみる。
 「奴らとは一体?」
 エリウスの問いにどう答えていいものかとアリシアもバットもしばし考え込んでしまったが、ここで内緒にしておく方がおかしいと全てを話してくれるのだった。
 「奴らとは、元傭兵団の面々のことでございます」
 身内の恥を申し訳なさそうにアリシアは語り始める。ことの起こりはここ一年ほど前のことであった。何度も雇い手を変えてきた傭兵が突然ギルドを離れ、ハイザンデから離れた砂漠の中に新たな本拠地を構えてそこで活動を開始したのである。もちろん傭兵としてではなく、盗賊としてである。
 「奴らはこれまで培ってきた戦いの記憶を物取りに応用し始めたのです。何とか討伐を試みたのですが・・・」
 「うまく行かなかったということですか・・・」
 エリウスの言葉にアリシアは頷くしかなかった。ギルドを抜けた中には上級の傭兵も含まれていたという。
 「さらに奴らに参謀が加わりまして・・・」
 「そいつが策を立てて君たちの裏をついてくる、というわけか」
 エリウスの言葉にバットは素直に頷く。事実罠を何度となく張ってきたのに、ことごとく裏をかかれて逃げられてきたのだから言い訳の仕様がない。その話を聞いたエリウスのほうは、何か面白いおもちゃを見つけた子供のような嬉しそうな顔をしている。
 「エリウス様、まさかその参謀と・・・」
 「面白そうじゃないか。傭兵ギルドの裏を何度となくかいてきたほどの男だよ?やり合ってみたいよ」
 クスクスと笑みを浮べたままエリウスはレオナに返答する。レオナのほうはあ入れ返った顔をして入るがそれを咎めるようなことはしない。それどころか自分もウキウキした顔をしてアリスに白い目で見られている。
 「というわけで、アリシア殿。この一件、我々に任せてもらえませんかな?」
 「か、かまいませんが・・・」
 思いもかけない申し入れにアリシアは少し戸惑いがちに答える。アリシアの許可を得たエリウスはすぐにその盗賊弾に関する資料の提示をバットに要求する。要請を受けたバットはすぐさま部屋を辞し、資料をそろえに行ってしまう。後に残ったエリウスは席に座ったままどうしたものかと考え込む。
 「ここは・・・そうだな。アリス、君はここにユフィナトア、ナリア、ラン、ヒョウと一緒に残って後の詰めをやっておいてくれ。僕はレオナたちを連れてその盗賊団をプチッとつぶしてくる」
 「かまいませんが、弱い者いじめも程ほどに・・・」
 溜息交じりの声で注意するアリスにエリウスは笑顔で答えると、レオナをつれて部屋を辞す。後に残ったアリスは呆然と事の成り行きを見守っていたアリシアに声をかけて交渉の詰めを続けるのだった。部屋を辞したエリウスはバットが持ってきた資料を受け取り、それに目を通してゆく。
 「ふむ・・・なかなか先読みの出来る奴が参謀についているみたいだね。これだけの罠を読みきってくるなんて・・・これは少しは面白い戦いが出来るかも・・・」
 資料を読みながらエリウスは予想以上の敵参謀の智謀に喜びを滲ませる。敵の過去の行動、地図を参考にしてどう動くかを計算してゆく。徐々にエリウスの顔から笑みが消え鋭い眼光に変わってゆく。それは"操りし者"が相手の行動を読み、相手を意のままに操る策を立てるときの眼差しであった。
 「ご主人様、怖いです・・・」
 「今は話しかけないほうがいいわよ、アンジェリカ。あの眼差しになったエリウス様は周りがまるで見えていないし、集中を邪魔されるのを極端に嫌がるからね」
 レオナに注意されたアンジェリカは素直に頷く。もっともそう言われなくても近寄りがたいオーラを出しているエリウスに近寄りたいとは思わない。ぴんと張り詰めた空気があたりを支配する中、エリウスは策を立ててゆき、それを実行に移すのだった。
 
 翌日夕方。ハイザンデの南20キロほどのところにある村、ヨークス。それを見下ろせる陸の上に50騎程の馬に跨った男たちがじっと村を見下ろしていた。
 「ここで大丈夫なのか?」
 「へい。参謀殿が仕入れた情報では今回はプロフの村に兵を配しているとのことです。こっちは完全にノーマークらしいですぜ?」
 報告を受けたリーダー格の男はにっと笑みを浮べる。守り手のいない村ほど襲い易いモノはない。今日も楽勝で好きなものを好きなものを奪いつくせる、そう思うと自然と笑みが漏れてくる。
 「ようし、いいか!食い物は全て、女も好きなだけ奪ってやれ!水も忘れるんじゃないぞ!!」
 リーダーの指示に部下たちは喜びに満ちた声で答える。これから始まる簒奪に思いをはせ、喜びを隠し切らないでいた。今にも飛び出さんばかりの部下たちを制しながらリーダー格の男はしばし間を置いて村への突入を許可する。怒号のような歓声を上げて馬に跨った男たちが村を一目散に目指す。だが丘を下りきったところで無数のトラップが彼らを迎える。砂の中に張られたロープ、熊罠、様々な罠が彼らの行く手を遮る。ある者は馬から放り出されて落馬し、ある者は馬と一緒に転倒し馬に押しつぶされる。それまでの歓喜が悲鳴に変わる。
 「こうもあっさりと罠にかかってくれると面白いですね・・・」
 呆れ顔で罠にかかっていく盗賊たちを見つめながらサーリアがぼやく。エリウスたちは村の入り口に日よけの傘を立てテーブルを置いてお茶会を開きながら盗賊たちの動きを見つめている。アンジェリカの入れてくれた紅茶の香りを楽しみながら次々に罠にかかってゆく盗賊たちの姿にあきれ返っていた。
 「止まるということを知らないからああいうことになるんだ」
 呆れ顔で盗賊たちを見つめながらレオナはバカにしきった口調で呟く。もう少し慎重に動いていればこんな惨劇にはならなかっただろうにとレオナは思うが、そこがこいつらの限界なのかもしれないと思う。その間にも悲鳴は収まらず、次々に盗賊たちが罠にかかっていくのが見える。
 「この分ですと、ここまで辿り着く5人くらいといったところでしょうか?」
 イシュタルの質問にレオナは黙ったまま頷く。5人、多くても7.8人といったところではないだろうか。動けて戦える奴らとなればその程度が限界だろう。阿鼻叫喚の地獄絵図を眺めながらレオナはそんなことを考えていた。そうこうするうちに生き残った者たちが砂煙の中から姿を現す。その数5人。予想通りの数にレオナは苦笑を漏らしながら自分の愛剣を手にする。
 「エリウス様、ここは私にやらせていただきますよ?」
 「ああ、実戦からかなり遠のいていたからね。肩慣らしに好きにするといいよ」
 エリウスの許可を得たレオナは剣を鞘から抜くと1歩前に踏み出す。連続して仕掛けられていた罠をようやく越えた先に待ち構えていたのが美女であることに、盗賊たちは歓喜し我先にと襲い掛かってくる。自分たちが負けるなどとは夢にも思わずに。しばし実戦から離れていたとはいえレオナの太刀筋に翳りはまるでなかった。剣が煌めくたびに盗賊たちは討ち果たされてゆく。ものの一分も持たないで生き残った盗賊たちも討ち果たされてしまう。レオナは剣を鞘に収め、倒れた盗賊たちを厳しい眼差しで見下ろす。
 「一人だけ生かしておきました。こいつから・・・」
 「わかった。アジトの情報を聞き出せばいいんだね?」
 レオナはこくりと頷く。唯一息のある盗賊はエリウスたちの手によって村の納屋に連れ込まれる。意識を取り戻した男が最初に見たものはエリウスだった。鎧から、武器から、服から、全て剥ぎ取られ、全裸で横たわっていた男は慌てて体を起こそうとするが、両手両足とも縛られていて逃げ出すどころか、動くことさえままならない状態だった。エリウスはそんな男の顔を覗き込む。
 「おはよう。早速で悪いんだが、君たちのアジトの場所を教えてもらえるかな?」
 顔を覗き込んだエリウスが静かに尋ねるが、男はふいっと顔を背けて答えようとはしなかった。それが男の意思の表れであると感じ取ったエリウスはそれ以上問いかけるようなことはしなかった。代わりに自分の後ろに控えていたアンジェリカに声をかける。
 「アンジェリカ、好きにしていいよ」
 「はい。アジトの場所を聞き出せばよろしいのですね?」
 エリウスが頷くとアンジェリカは畏まりましたと会釈する。エリウスに代わって男の前に立ったアンジェリカの表情が一変する。それまでの笑みが消え冷たい冷笑が浮かぶ。男の前に跪くとその唇に指を当て妖しく微笑む。
 「どこまで私を楽しませてくれるのかしら、貴方は・・・」
 くすくすと笑いながらアンジェリカはメイド服のボタンを外す。パサリとメイド服が地面に落ち、代わって現れたのは黒い皮製のボンデージだった。ピンヒールを履き、首には首輪がはめられている。巨乳を収めた胸元がプルプル揺れ、いやらしさを醸し出す。その光景を見た男の下半身はピクピクと嫌が負うにも反応を示してしまう。
 「何、もう感じているの?ダメよ、この程度で感じちゃ!!」
 ピクピクと大きくなりかけたペニスを思い切りピンヒールで踏みつける。その激痛に男は悲鳴を上げる。その男の悲鳴が心地いいのか、アンジェリカはそのままぐりぐりと踵でペニスを踏み潰す。激痛に男は頭を振って悶えていたが、痛みに慣れたのか、ペニスはヒクヒクと大きくなってゆく。
 「アラ、これ、気に入っちゃったの?どうしようもない変態ね・・・」
 ヒールで踏みつけるアンジェリカは呆れたように言い放つ。事実男は痛みのなかに痛みとは違った何かを感じていた。それはアンジェリカに踏みつけられるごとに強くなってくる。ヒクヒクと蠢き、射精感がこみ上げてくる。息遣いが荒くなり、耐え切れなくなった瞬間、アンジェリカはペニスから脚を退けてしまう。
 「ふふっ、イき損なって苦しい?でもまだダメよ・・・」
 うっとりとした表情を浮べると男を無理矢理うつ伏せにさせてしまう。そして自分の首筋に手を当てる。
 「そういえば、わたしが何の"巫女姫"であるか教えていませんでしたね・・・わたしは・・・」
 そういうアンジェリカの首筋に浮かんだ紋章から柄のようなものが飛び出す。それを掴むとぐっと勢いよく引き出す。長さ2メートルにも及ぶムチがそこから飛び出してくる。アンジェリカはそれを勢いよく振り回すと容赦なく男を打ち据える。
 「鞭の”巫女姫"ですわ!!」
 一度、二度と鞭が空を切り男を打ち据える。男の背中は肌が裂け、血が滲む。激痛に男はうなだれるがアンジェリカは容赦しない。何度も何度も男の背中を打ち据える。幾筋もの赤い筋が背中に刻まれてゆく。
 「もう少しいい声で鳴けませんの?」
 アンジェリカはそう叫んで今度はお尻に鞭を振り下ろす。激痛に男の体が飛び跳ねる。そこまでしてアンジェリカは鞭を振るうのをやめる。代わりに男の傍にしゃがみこむと、その裂けた傷口に舌を這わせる。裂けた箇所を消毒するように何度も何度も舐めてゆく。
 「うふふふっ、痛かったかしら??」
 アンジェリカは妖しく微笑みながら男のペニスに手を這わせる。激痛の中お預けを喰らっていたペニスは萎えることなく、ビクビクと脈打っていた。そこに指を絡め擦りあげる。柔らかな指の感触が快楽を、傷を舐める舌の動きが激痛を男に与える。その二つの感覚はいつしか混じりあい、男は激痛の中に快感を見出してゆく。
 「ふふっ、イきたい?イきたければ貴方たちのアジトの場所を吐きなさい!」
 激痛と快感に苛まれながらも男は必死に抵抗し、アンジェリカを拒絶する。しぶとい男にアンジェリカはまた妖しい笑みを漏らすとペニスから手を離すと、リボンで根元を縛りつけ、スッと立ち上がる。
 「しぶとい男ね。でもそう言う男、好きよ。虐めたくなるほど!!」
 そう言うとピンヒールでお尻を踏みつける。いや、ヒールをアナルに突き刺す。ずぶずぶとヒールがアナルに埋もれてゆく。その痛みとも快感ともつかない感触に男はぶるぶると震える。こみ上げてくる射精感は出すことの出来ない苦しそれが分かるアンジェリカはぐいぐいとアナルを刺激し、男を狂わせる。
 「ぐうっ!あがぁぁっっ!!」
 「いいなさい。そうすれば楽になれるのよ?」
 アンジェリカはそういいながらヒールをさらに奥へと押し込んでゆく。激痛とも快感ともつかない感覚が男を支配し、ついに男の心を折れさせるのだった。
 「ここから北へ半日ほどの遺跡・・・」
 男はそこまで言うのがやっとだった。アンジェリカはそれを聞くとヒールをアナルから引き抜き、リボンを解き、背中を思い切り打ち据える。その鞭が入れられるたびに男は喜びの声を上げる。
 「うああっ、じょ、女王様・・・もっと、もっとぶって・・・」
 鞭を打ちつける度に男は恍惚の表情を浮べて喜ぶ。一際強く鞭を打ちつけた瞬間、男は大きな絶叫と共に大量の精子をぶちまける。口をだらしなく開き、涎をたらし、快感に浸りながらそのまま意識を失う。男が気絶するとアンジェリカは鞭を元に戻し、メイド服を着こんでエリウスの前に跪く。
 「ご主人様、これでよろしいでしょうか?」
 「ああ、ありがとう。アンジェリカ・・・」
 アンジェリカの顎をしゃくってキスをするとその体を弄ぶ。男を攻め立てるうちに快感を貪っていたアンジェリカはその攻めに喜びの声を上げる。エリウスはアンジェリカのご褒美をあげながら、次の一手を考えていた。
 (砂漠の遺跡か・・・)
 盗賊団壊滅をしてハイザンデに恩を売るのもいいことだと思っていたが、もう一つ気になることもあった。この国にいあるはずの"巫女姫"のことである。いくら気配を追ってみても探り当てることができずにいた。もしかすると先ほどの遺跡に封印されている可能性もある。 
 (もしそうなら、僕自身で向かないとな・・・)
 もし自分自身で攻めるのならば、早い方がいいだろう。相手の軍師はそれなりに頭の切れる奴らしい。村を襲撃しに出た奴らが戻ってこないとわかればアジトを変えかねない。
 (さっさとつぶしておくほうがいいな)
 エリウスはそう考えると自ら盗賊団壊滅に動くことを決める。そんな彼の腕の中ではアンジェリカが悦楽の表情を浮べて快楽に身を任せていた。砂漠の夜に女の嬌声が響き渡る。それは新たな戦いの狼煙でもあった。


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