第25話 遺跡


 「いやっ・・・あああっ・・・・んんっっ!」
 甘い女の声が暗闇から響く。五人の男が一人の少女に群がる。まるで砂糖に群がるアリのように。
 男たちは少女を前から後ろから思うがままに犯す。ヴァギナも、アナルも、口も、両手も、一切余すところなく少女に奉仕させ自らの快楽に利用する。
 「おら、もっと腰振れよ!!」
 少女を貫いた男の一人がそのお尻を叩きながら怒声を上げる。涙目の少女はそれに必死にこらえながら男たちに奉仕する。村が襲われここにつれて来られてからどれくらいの日が経ったのだろうか。自分と同じく村から誘拐されてきた少女たちは無事なのだろうか。少女はそんなことを考えながら男たちに犯される。
 すでに何十回となく男たちの性欲処理の相手をさせられてきた。
 (このまま一生ここでこいつらの玩具にされるのかな・・・)
 少女はそんなことを考えながら男たちのなすがままに犯されるのだった。ここに連れられて来て以降、この個室から出た事はない。首輪でつながれ、逃げ出すことも叶わない。食事は一日一回、両手が使えないため犬のように食べるしかない。排泄は木製の便器にさせられ、ここにきて以来、太陽も空も見たことがない。
 (今昼なのかな、夜なのかな?)
 昼夜の感覚も麻痺してしまっている。昼も夜も関係なく続く男たちの陵辱劇に少女は疲れ切っていた。捕まってすぐにこの部屋に押し込められ、複数の男たちによって処女を散らされた。何度も何度も犯され、ヴァギナも、アナルも、口も、胸も、男たちのペニスが触れていない所はない。
 「うぐっ!いい締め付けだ!だすぞ!!」
 男はそう叫ぶと容赦なく少女の子宮内に大量の精液を吐き出す。熱い液体が子宮に当たるのを感じながら少女は何度も絶叫し、体を震わせる。
 すでに何度も射精された少女の膣からは男たちの欲望がドロリと滴り落ちてくる。膣だけではない。アナルも顔も精液でまみれている。
 (今日、危険日だって言ったのに・・・)
 危険日だろうと安全日だろうと男たちはまるで気にせず、膣内に射精してくる。このまま妊娠しても誰が父親かなど分からない。分かったとしても責任など取ってくれるはずがない。
 もし妊娠してしまったときどうなるのかと想像していると、その答えが遠くから聞こえてきた。
 「ふぎゃああああっっつ!!!」
 こんな場所に似つかわしくない赤ん坊の泣き声。それがどこかと奥の部屋から聞こえてくる。それと女の泣き声も聞こえてくる。それを聴いた男たちがニヤニヤしながら話を始める。
 「ありゃ、四号室の奴だな。いい感じに腹が膨れていたからな」
 「おいおい、こんところでガキが生まれたら困るだろう?どうすんだよ?」
 「んなもん決まっているじゃねえか。売るんだよ!」
 背筋の寒くなるような男の言葉に、少女はびくりと体を震わせる。妊娠し、子供を生んでしまった後どうなるか、その話を男たちがしている。聞きたくないと思いつつ、耳を澄ましてしまう。
 「売るって、誰にだよ?」
 「買い手はどこにでもいるぜ?好事家、邪神教団、奴隷商人、娼館。好きモノ、生贄、先行投資。色々な理由で買い取ってくれるって寸法さ」
 少女はがたがたと震えだす。たとえ望んで生んだ子供ではないといっても、自分のおなかを痛めて産んだ子供の末路に同情するしかなかった。生みたくない。こんな男たちの子供など生みたくない。生まれてくる子供が不幸になると分かっているのだ。絶対に生みたくはなかった。
 「さてと、一休みしたし、続きを始めるか!」
 男たちはまた少女に群がってくる。膣を貫き、アナルを貪る。飽くことなく少女を蹂躙し、犯し続ける。精を吐き出し続け、少女を汚してゆく。絶望の淵に立った少女はどうすることも出来ないまま暗闇へと落ちてゆく。
 ただ男たちの性欲処理のための道具と化したのだった。いくつもに分けられた部屋で同じように性欲処理の道具と化した少女たちの嬌声と、すすり泣く声がいつまでも響いていた。
 ここは砂漠の遺跡。盗賊団のアジト。誰も助けに来れない難攻不落の要塞であった。


 「それでお前はエリウス様お一人で行かせたのか!!」
 ユフィナトアの怒号が宿屋に響き渡る。日が昇り、エリウスの元を訪れたユフィナトアはエリウスが一人遺跡に向かったことをアンジェリカから伝えられ、大いに怒り狂った。当のアンジェリカも済まなさそうな顔をしている。昨晩エリウスにかわいがられ、疲れた体は眠りを欲していた。
 眠りから覚めたときにはすでにエリウスの姿はなく、慌てふためいていたところにユフィナトアが来たのだ。ユフィナトアの怒声に起きてきたほかの"巫女姫"たちが慌ててユフィナトアをなだめすかす。
 「ユフィナトア様、アンジェラをお責めにならないで・・・彼女とて・・」
 「わかっている!エリウス様が気配を消して出て行かれたら我々とてそれを察するのは難しい。分かってはいるのだが・・・」
 わかっていても怒りをおさめることはできなかった。アンジェリカもそれが分かっているからこそ何も反論はしない。そんな2人を見つめていたレオナは大きく溜息をつく。
 「ユフィナトア。そんなことを言っている場合ではないでしょう?アンジェリカ、盗賊団のアジトの正確な場所は分かりますか?」
 「はい、レオナ様」
 「よし。今からエリウス様を追うぞ。アリス、お前はユフィナトア、ナリアと共に残り昨日の交渉の詰めを頼む。後のものは私とエリウス様を追う。いいな?」
 レオナの言葉に他の"巫女姫"たちは頷く。相当遅れての出立である。エリウスが盗賊ごときに後れを取るとは思わないが、気になるのが相手の参謀である。ただの人間ならば気にする必要もないが、"九賢人"であったらという心配が付きまとう。
 「まあ、あれがついているから大丈夫か・・・」
 「何か仰いましたか、レオナ様?」
 「いや、なんでもない。急ごう!!」
 レオナは自分の心配が無駄に終わってくれることを願いつつエリウスのあとを追う。


 ちょうどそのころエリウスは盗賊団のアジト、遺跡の前まで来ていた。ピラミッドのような遺跡を見上げながら大きく息を吐く。ここから先は敵のテリトリー。いかなる罠が待ち構えているかわからない。
 「さてと、どう攻めるのがいいかな?」
 腕組みをして考え込む。遺跡の周りにはラクダや馬が何頭か繋がれている。おそらく盗賊の所有物だろう。どうやらまだ仲間が捕まったことに気付いた様子はない。話に聞いた慎重派の参謀が未だにここにアジトを置いているのがその証拠だろう。
 「まだ気付いていないか、はたまたこちらを誘っているのか・・・」
 エリウスは考え込んだまま立ち尽くしてしまう。しかしここで立ち尽くしていても答えが出るわけではない。決着をつけるべくエリウスは遺跡の中へと足を踏み入れる。
 石畳の通路は意外に広く大人三人くらいならば並んで通れるくらいの広さを有していた。
 「はてさて、どんなお出迎えをしてくれるのやら」
 あたりに気配を配りながらエリウスは石畳の通路を慎重に進んでゆく。時折立ち止まり辺りを見回す。
 「気配はするのにな・・・手を出す気はないということか・・・」
 気配はすれど攻撃をしてくる様子がないことにエリウスはやや拍子抜けといった感じで進んでゆく。こちらが先に進めば何かしらリアクションがあるだろう。
 そのときを待つことにしたエリウスが移動を開始すると、気配も移動し始める。エリウスにつかず離れずの位置を保っている。
 「いつまでもついて来られるのも鬱陶しいな・・・」
 エリウスはそう呟きながら、腰の水筒を手に取ると呪文を唱える。水筒の中に懇々と水が湧き出してくる。さらに呪文を唱えその水を沸騰させる。にっと笑うとエリウスはそれを床に思い切りぶちまける。石畳の下でなにやら騒ぎ声が聞こえてくるがわざと無視する。
 「いまのでそろそろ我慢しきれなくなるんじゃないかな?」
 エリウスが独り言のように呟くと彼の前後に男たちが武器を手に姿を現す。総勢二十人ほどがエリウスを取り囲む。全員頭から濡れ鼠でずぶ濡れであった。全員目を血走らせて怒り狂っている。
 「くそ!参謀殿の言葉どおりに罠まで手出ししないで行かせようと思ったのに、そんなの止めだ、止めだ!!ここでぶっ殺してやる!!」
 先ほどの熱湯が相当効いたのか男たちは怒り狂っている。ただでさえ相手が一人なのに手を出すなといわれてきたところにこの仕打ちである。怒り狂って当然であった。もちろんエリウスもそこまで読んでのことだったが・・・
 男たちは武器を振りかざしてエリウスに襲い掛かる。
 「死ねや、こらぁ!!」
 怒号を響かせてエリウスに切りかかる。しかしエリウスは相手の武器を受け流して他の武器を弾く動作で男たちの攻撃をかわして行く。一太刀を浴びせることも出来ないまま男たちはエリウスにいなされてしまうのだった。
 「悪いけど、一人で来ている訳じゃないよ。出ておいで」
 男たちの攻撃をかわしたエリウスは目を閉じて床に向かってそう言い放つ。その言葉に答えるようにエリウスの影が伸び盛りあがってゆく。盛り上がった陰は人型をなして行く。
 「ゾフィス、好きにやっていいよ」
 ”心得ました、若・・・””
 エリウスの命令にゾフィスは言葉少なに応じる。ゾフィスの影が伸び、数人の男たちの影を捉える。ゾフィスは手を動かし始める。それに習うかのようにゾフィスに影を絡め取られた男たちも武器を手に他の男たちに切りかかってゆく。
 「おい!何しやがる!!」
 「なにするって、わからねえんだよ!体が勝手に!!」
 ゾフィスに影を食われた男たちはまるで操り人形のように他の男たちを攻撃してゆく。抗おうにも抗うことは叶わず、次々にお互いに攻撃しあう。ある者は仲間を殺してしまい、ある者は仲間に殺される。凄惨な同士討ちが繰り広げられるのだった。
 「くそ、卑怯なまねしやがって!!」
 攻撃を掻い潜った者たちがゾフィスに迫る。攻撃が命中する瞬間、ゾフィスはその姿を影の中に隠す。攻撃が空振りした男の背後に回りこみ、逆に影でその男を支配してしまう。その男もまた同士討ちに加わらざる得なかった。
 「ダメだ、近付いても操られるだけだ!弓で攻撃するんだ!!」
 後方に控えた面々からそんな声が聞こえる。エリウスが目をやると、後方に隠れていた男たちが弓を手にしてずらりと立ち並んでいる。そしていっせいに弓を射掛けてくる。無数の矢がエリウスに迫る。だがゾフィスは落ち着いて男たちを操ってエリウスの壁に使う。次々に仲間の矢で男たちは絶命してゆく。
 「このままだと時間を食いすぎるな・・・ゾフィス、少し本気でやっていいよ。ここには誰もいないから」
 ”畏まりました、若・・・”
 エリウスの言葉に答えたゾフィスが動きを止める。何事かぶつぶつと唱えると、体を覆っていた影がずるりと削げ落ち、ゾフィスが素顔を晒す。黒髪に黒い瞳。吸い込まれるような白い肌。長い手足を包み込んだ黒いドレス。そこには絶世の美女が楚々と佇んでいた。その背筋の寒くなるような美しさに男たちはドキリとした。
 「許可が出ました。少し本気でお相手しましょう・・・」
 ゾフィスがカッと目を見開くと、男たちの影が男たちの体にまとわりつき包み込んでゆく。男たちを包み込み始めた影はどんどんその面積を広げてゆく。どんどん体が影に侵食されてゆく。
 「影が完全にあなた方を飲み込んだとき、貴方がたはわたしの一部になる・・・」
 「な、なんだと?冗談じゃねえ!!」
 「食われてたまるか!!」
 ゾフィスの言葉に男たちは慌てて自分たちにまとわりついた影を引き剥がそうとする。しかし影を掴むことなど誰にもできるはずがない。影に体を浸食されあちこちで悲鳴が響き渡る。
 「愚かな。影を掴むことなど私とエリウス様以外誰にも出来ない。誰にもな・・・」
 うっすらと笑みを浮べたゾフィスは淡々と言葉を紡ぎだす。その言葉どおり影は男たちを完全に取り込むと、元の影に戻り、ゾフィスの影の中に集まってゆく。すでに息絶えた者たちも影に取り込まれ、ゾフィスに吸収されてゆく。
 後には男たちの投げ捨てた武器しか残っていなかった。
 「ゾフィス、ご苦労様・・・」
 「いえ。これで配下が増えました。こいつらを使ってこの遺跡を探索しましょう・・・」
 エリウスの労いの言葉を受け流して、ゾフィスは今取り込んだ影たちを自分の影の中から実体化させる。
 「お前たち、遺跡の中の罠や兵の配置を調べてきなさい。ボスの居所も忘れないように!」
 ゾフィスの命令に従うように影たちは姿を消し遺跡の中に散ってゆく。しばらくすればこの遺跡の中の状況はよく分かるだろう。その間にゾフィスは自分の影をその身に纏いその素顔を隠してしまう。そんなゾフィスの姿をエリウスは哀れみを持って見つめるのだった。
 「ゾフィス、すまない。お前にそんな姿で過ごさせてしまって・・・」
 ”お気になさらず、これが我が使命ですので・・・”
 ゾフィスは首を左右に振って静かに答える。レオナたちがエリウスに追いついたのは、ちょうどそのときだった。
 「エリウス様、ご無事で!!?」
 レオナたちがエリウスを取り囲み、心配そうに声をかける。その輪から離れてゾフィスは配下の影からの情報を収集してゆく。次々に影から送られてくる情報を順次整理し、参謀の居る間を探索してゆく。そんなゾフィスにレオナが声をかける。
 「ゾフィスもすまない。エリウス様のことよく守ってくれた。礼を言う・・・」
 ”レオナ様、それほどの事はしておりません。それに私は私の為すべきことをしたまでです”
 レオナの礼にゾフィスは首を振って答えると、情報整理に集中し直す。そんなゾフィスをじっと見つめながらレオナはふっと笑みを漏らす。そのレオナの仕草に傍らに居たアンジェリカが不思議そうな顔をして尋ねてくる。
 「レオナ様、前々から気になっていたのですが、ゾフィス殿と第三軍とはいかなる部隊なのですか?」 
 「わたくしも気になっていました。誰に聞いても詳しくは知らなくて・・・」
 アンジェリカの質問にイシュタルも同調する。その場にいる"巫女姫"誰もが疑問に思っていた。
 エリウス直下の八大軍団、第三軍だけがその詳しい構成などが分からない謎の部隊であった。ただおもな仕事は情報収集と、時には暗殺もこなす部隊と言われていた。そしてその構成は軍団長のゾフィスしかその存在が知られていない。副団長を含め他の構成員はまるでその正体が分からない部隊であった。
 「第三軍は影族で構成された部隊だ。といっても構成しているのはわずか5人だがな・・・」
 「影族って、あの影を自在に操れる部族のことですか?」
 レオナの言葉にサーリアは驚きを隠せなかった。名前は聞いたことはあってもその姿を見たものは皆無といわれる部族。それが影族であった。部族といっても子孫を残す手段を持たない影族は突発的に出現する種族で、寿命は数千歳といわれていた。ゾフィスもまたそんな突発的に生まれた影族であった。
 「ゾフィスが生まれたのは僕と一緒、僕の傍だったんだよ」
 エリウスが代わって"巫女姫"たちに説明する。エリウスの影、常に傍にある者、それが彼女であった。人としての姿を保ち、強力な魔力を有し、影を従える存在。そんな彼女が第三軍を任されたのは収集した情報をすぐにエリウスに上げられる点だった。
 「言っておくが単体としても高い能力を持っているぞ。それに影族に入り込めない場所はない。いかなる場所であろうとも影は入り込んでいけるのだからな」
 レオナの言葉に他の"巫女姫"たちは黙り込んでしまった。自分たちの侵攻の成否を握る情報を集めていたのが目の前に居る影、ゾフィスであった事実は彼女たちにとって驚くものであった。
 "エリウス様、情報収集終了しました"
 レオナが説明している間も情報収集をしていたゾフィスは簡潔にエリウスに報告する。
 ”この先にいくつか落とし穴が仕掛けられています。他にもいくつか罠がありますがそれはすでに解除済みです。ご安心を。そこを抜けますと大広間に出ます。そこに一人の女性が待っています”
 「女性?そいつが参謀かい?」
 ”分かりかねます。ただ静かに何もせずにお待ちになっています”
 ゾフィスの報告を聞いたエリウスはしばし考え込む。待っているのが"九賢人"だとしたら何もしてこないのは不気味だった。何が目的で、誰を待っているのかは分からない。
 「他に何かわかることはあるかい?」
 ”盗賊団は地下に下り宝物庫内のものを移動させようとしています”
 「なるほど・・・ゾフィス、そいつらを好きにしていい。一人として逃すな!」
 エリウスの命令を受けたゾフィスは小さくうなずくとエリウスの影の中に姿を消す。後にはエリウスたちだけが残されていた。
 「さてと、こっちも噂の参謀殿にお会いしに行きますか・・・」
 エリウスはレオナたちにそう促し移動を開始する。長い通路の先、大広間で待つという噂の参謀の少女に会うために。


 「結構厄介な罠だな・・・」
 通りの罠を越えながらエリウスはぶつぶつ文句を言う。ゾフィスが解除したとはいえ、まだいくつか罠が生きており、それらを越えながらの進軍となっていた。落とし穴はどうにかなるものの、壁から飛び出す槍や、床に仕掛けられた爆弾は厄介なことこの上なかった。
 「まったく。おかげで服が汚れちまったじゃないか・・・」
 肩口についた煤を払いながらエリウスは文句を言う。本当なら煤ぐらいでは済まないくらいの罠を平然と渡ってきてこの言い草である。罠を仕掛けた当人がみたら泣き出したくなるような結末である。
 それでもエリウスには煤がついたことも許せないことでブツクサ文句を言っている。
 「エリウス様。お嫌でしたら変わりますが?」
 シェーナが一歩前に進み出て自分が先頭を歩くことを提案する。しかしエリウスもそれはそれでいやらしく、シェーナの願いを懇切丁寧に断りまた先頭に立って歩き出すのだった。目的の大広間まではそれほどの距離はないだろう。ゾフィスからもらったデータからすればこの先の角を曲がってすぐが大広間のはずであった。
 「まあ、急いでいくとしますか・・・」
 エリウスは"巫女姫"たちに促して先を急ぐ。その先には落とし穴が二つ仕掛けられていたり、天井が落ちてきたり、正面から矢が飛び出してきたりしたが、傷一つなく大広間へと到達する。
 「ここが大広間か・・・」
 大広間に入ったエリウスは広間全体を見回す。広間の中には何もなく、ただ一人の少女が整然と佇んでいた。彼女がおそらくゾフィスの言った少女だろう。
 「君が噂の参謀かい?」
 「・・・・・」
 エリウスが問いかけるが少女は無表情のままじっと真正面を見つめたまま答えようとはしなかった。気になったエリウスは彼女の顔をじっと覗き込む。そして小さく舌打ちをする。
 「ちっ。こいつは外れだ・・・」
 「外れとはどういう意味ですか、エリウス様?」
 「こいつはホムンクルスだ。人間じゃない!」
 その言葉に反応するかのように少女の首がエリウスたちのほうに向く。無表情のままじっとエリウスたちを見つめていた少女はガバッと口をあけると無数の牙を剥き出しにしてエリウスたちに襲い掛かる。さらに石畳が跳ね上がり同じ顔をした少女たちが同じように牙を剥き出しにして襲い掛かってくる。
 「罠、ということですか?」
 「そう言うことだな。みんな好きにやっていいぞ!」
 エリウスはそう言いながら一歩後ろへと退く。変わって前に出たレオナ、アンジェリカが武器を構える。シェーナが盾を、サーリアが鏡を構え、イシュタルが冠を額につけ祈りはじめる。
 「遅い!!」
 レオナの剣が閃きホムンクルスたちを切り刻む。
 「おほほほっ!いい声でお泣きなさい!!」
 アンジェリカのムチが唸りをあげ、ホムンクルスの体を引き裂く。
 「誰も傷つけさせません!」
 シェーナの盾がホムンクルスの攻撃を遮る。
 「お帰りなさい、あるべき場所へ!」
 サーリアの鏡の光がホムンクルスを消し去る。
 「癒しの風よ。皆を癒したまえ」
 イシュタルの祈りがレオナたちの傷を癒してゆく。
 予想以上の数のホムンクルスに苦戦はしたものの、レオナたちは全てのホムンクルスたちを討ち果たす。レオナたちに負けたホムンクルスは煙を上げて消滅してゆく。エリウスはそんなホムンクルスたちを哀れみの眼差しで見つめる。
 「エリウス様。どうかなさいましたか?」
 「彼女たちの冥福を祈ったところだよ・・・」
 エリウスの言葉にレオナたちは首を傾げる。エリウスは無言のまま消え去ったホムンクルスの傍にしゃがみこみ、彼女たちが身につけていた衣服を手にとってみる。砂漠の民独特の風通しのいい服であった。
 「それが何か?」
 「おそらくここに連れて来られた村娘たちだったんだろうね、このホムンクルスたちは・・・」
 エリウスの言葉にレオナたちは衝撃を受ける。襲い掛かってきたホムンクルスたちは二十ではきかない。それだけ多くの砂漠の民の少女が犠牲になったということである。間に合わなかったこと、少女たちがホムンクルスにされたことへの怒りにレオナは壁を思い切る殴りつける。
 「エリウス様。これをやったのは噂の参謀でしょうか?」
 「分からない。だが僕たちがここまで来ることを計算に入れてホムンクルスを仕掛けておいた奴がいる。それが参謀だろうね」
 レオナは頷き辺りを見回す。討ち果たされたホムンクルス以外この部屋には居らず、ほかに誰かが隠れているようには思えなかった。
 「ここにはいないようですね?」
 「ああ。可能性としては地下、ということになるだろうね・・・」
 「ではゾフィスが?」
 「まあ、彼女としても存分に戦えるから僕たちがいないほうがいいんだろうけどね・・・」
 エリウスはそういいながら大きく息を吐く。そして一人地下へと向かったゾフィスのことを思いながら大きな溜息をつくのだった。

 地下に下りたゾフィスは目的地へと直行する。宝物庫に忍び込んだゾフィスを待ち構えてちたものは武器を構えた戦士たちだった。それぞれが静かに武器を構えゾフィスが来るのを待っていたかのように佇んでいた。
 影から浮き上がったゾフィスは大きく跳躍して戦士たちの攻撃をかわす。ゾフィスが数瞬前までいたところに無数の武器がつきたてられる。一瞬でも動くのは遅ければ串刺しにされていたかもしれない。
 ”待ち伏せ、ということですか・・・”
 「そうだ。お前という影族を捕まえるためのな!」
 戦士たちの後ろに隠れていた老人が大声で叫ぶ。老人は笑みを浮べてゾフィスが現れたことを喜ぶ。どうやら罠にはめられたようだとゾフィスは思った。この分だとエリウスたちのほうも何かしら罠が張られているに違いない。
 ”私を捉えてどうなさるおつもりで?”
 「決まっているだろう?影族の影を操る力、それを解析し、我がホムンクルスに付加してやるのよ!!」
 老人は恍惚の表情を浮べる。影族の力は特有の力でドクターですら解析できていない力の一つである。それをこの男に解析できるはずもなかろうにとゾフィスは思う。しかし悦に入っているこの男になにを言っても聞きはしないだろう。ならばここにいる敵全てを討ち果たし脱出するまでだった。
 ”シャドウメイル、セットアップ!”
 ゾフィスは胸元に手を当てて起動のキーワードを唱える。体を覆っていた影が離れ宙に浮かぶ。それはいくつかに分かれると、黒い鎧を構成し、ゾフィスの体を覆ってゆく。手甲、胸当て、足甲、流れるような黒髪はポニーテイル状になり、黒い髪留めで固定される。背中には黒鉄色に輝く六枚の鋼の翼が装備される。最後に杖が舞い降り、ゾフィスはそれを手にする。ゾフィスの本当の戦闘形態、それがこの黒い鎧を身に纏った姿だった。
 「なんと!影族は影を物質化する力まであるのか?す、素晴らしい!!」
 狂気に満ちた笑みを浮べた老人は自分の周りを固めていた戦士たちにゾフィス捕縛を命じる。無表情の戦士たちは武器をかざして次々にゾフィスに襲い掛かる。
 「時間の無駄です。さっさと消えてもらいます」
 ゾフィスは無表情のまま呟くと、黒い翼をはためかせて宙に舞う。宙を舞った自分を見上げる戦士たちのほうを見下ろしながら杖を構える。
 「影よ、槍となりて敵を討て!”シャドウ・ランサー"!!」
 ゾフィスの呪文に答えて影の槍が出現する。それは狙いを外さずに戦士たちに命中する。影の槍に打ち貫かれた戦士たちはもがいてそれから脱出しようとしていたが、影はどんどん戦士たちを侵食し、影の中に彼らを取り込んでゆく。体が影に完全に飲み込まれ、溶けたかのように影の中に溶け込んで行く。
 「なんだ、何をした?」
 なにが起こったのか、わからない老人は呆然と事の成り行きを見守っていた。その間にも2体、3体と次々に戦士たちは影に取り込まれてゆく。それを阻むことは誰にも出来なかった。
 「クソ、あんな力があるとは・・・槍に気をつけろ、当たれば取り込まれるぞ!!」
 老人の言葉に戦士たちは陣形を代える。しかしそれはゾフィスの予想範囲内だった。ゾフィスは今度は槍の呪文を使わない。杖をかざして別の呪文を唱える。
 「影よ、走れ!異界の門となれ!”シャドウ・ゲート”!!」
 ゾフィスの呪文が完成し、先ほど戦士たちを取り込んだ影が地面を走る。他の戦士の影に取り付き、その足元に影の門を作り出す。開いた扉は戦士たちを飲み込んでゆく。
 「影よ、全てを断ち切る刃となれ!!”シャドウ・ブレイド”!!」
 影の門に戦士たちが食われ始めたことで陣形が崩れ始めた隙をゾフィスは逃しはしなかった。
 新たな呪文を唱え追撃する。杖の先に影が集中し剣となる。それを振りかざしたゾフィスが空中から戦士たちに襲い掛かる。それを察した戦士たちは盾をかざしてこれを迎え撃つ。
 「無駄だ!!」
 ゾフィスの言葉どおり、ゾフィスの影の刃はいとも簡単に戦士たちの盾を真っ二つに切り裂いてしまう。そしてそのままその体すら真っ二つに切り裂いてしまうのだった。切り裂かれた戦士は鮮血を撒き散らして床に倒れ伏す。そこに影の門が現れそいつらも飲み込んでゆく。
 それに恐れをなしたのか戦士たちはゾフィスから距離を置き始める。しかしそれも無駄なことだった。
 「影よ、世界を打ち貫け!”シャドウ・ブレイク"!!」
 ゾフィスの呪文に反応し影がゾフィスに集まる。そしてそれが爆発し、無数の影の矢が辺りに発射される。いかなる防具をも貫く影の矢を止める術を戦士たちは持ってはいなかった。それはその老人も同じであった。肩を、脚を貫かれ悶え苦しむ。
 「あがぁぁっっ!!わしの・・・わしのホムンクルスたちが・・・」
 予想もつかなかった事態に老人は肩を押さえて脂汗を浮べる。自信を持って送り込んだホムンクルスたちは相手になるどころか傷一つ着けられずに全滅させられてしまった。しかも自分は肩と脚を怪我して動けない状態である。この先に待っていることを想像し、老人は背筋が寒くなるのだった。
 「あなたの処分はエリウス様に任せます。”シャドウ・ゲート"!!」
 ゾフィスの呪文に答えて老人の足元に影の門が現れる。老人は悲鳴を上げるまもなくその影に飲み込まれてゆくのだった。そして影の門は同じく討ち果たしたホムンクルスたちを喰らってゆく。一分もしないうちにそこにはゾフィスしか残されていなかった。
 ”余計な手間を・・・”
 ゾフィスは鎧を影に戻すと身を包みなおす。エリウスたちがゾフィスの元にたどり着いたのはすべてが終わったそのあとだった。綺麗に片付いた部屋を見てエリウスは溜息を漏らす。
 「やっぱり、余計な心配だったか・・・」
 ゾフィスはエリウスより一歩下がってこれを出迎える。そのエリウスの後からレオナたちが室内へと入ってくる。だが、彼女たちが見たものは死体すらない綺麗に片付いた部屋だった。
 「エリウス様、これは・・・」
 「全部死体はゾフィスが片付けたんだよ。何か手がかりは?」
 ”一人だけ男を捕まえておきました”
 ゾフィスはそう言うとゲートを展開して先ほどの老人を影から解放する。ゲートから解放された老人はあたりを敵に囲まれ、味方が一人もいない状況を理解し青ざめる。そんな老人にエリウスは凄みを持った眼差しで問い詰める。どうすることも出来ないと察した老人は素直にエリウスの問いかけに答えるのだった。
 「ワシはアイツに・・・ドクターに勝ちたかっただけなのに・・・」
 ここにとどまりエリウスの足止めをする役目を買って出た老人は全てを話し終えると、最後に一言そう呟いた。ドクターとは同じ研究者仲間であったが、一歩も二歩も先を行く彼に嫉妬し、ゾフィスの力を取り込んだホムンクルスで一発逆転を老人は狙っていたのだ。しかしその狙いも見事に潰え、落ち込みきっている。このままにしておいても害はなかろうとエリウスはそのまま奥へと進んでゆく。
 「エリウス様、この先に何か?」
 「んっ、少し気になることがあって・・・」
 エリウスはそう言って奥へと進んでゆく。レオナたちもそれに続いてゆく。狭い通路を抜けた先にはもう一つの部屋が広がっていた。そしてその中心にはうす桃色の水晶が飾られていた。
 「あれは・・・ああっっ!!」
 不思議そうに水晶を覗き込んだサーリアが驚きの声を上げる。水晶の中には一人の藍色の髪の少女が白い服を身に纏い、目をつぶり水晶に封印されていた。
 「彼女は・・・」
 「その子がこの国の"巫女姫"だろうね。こんな風に封印されていたら僕でも気配を感じ取れないや・・・」
 やられたなと頭をかきながらエリウスは呟く。魔力を内包した水晶がエリウスに"巫女姫"の探知をさせなかったのである。いつからこんな風に封印されていたのかはわからないが、エリウスの探知能力を知っている人物、"九賢人"の誰かの仕業であることは間違いなかった。
 「”巫女姫"・・・ですか?では水晶を破壊して・・・」
 「ダメだよ、レオナ・・・そんなことをしたらキミまで取り込まれてしまう」
 水晶を破壊しようと腰を落として剣を構えたレオナをエリウスが押しとどめる。エリウスに止められたレオナは怪訝そうな顔をする。
 「その水晶はただの水晶じゃあない。”クリスタル・トラップ"。触れたものを異次元に吹き飛ばす効果を持った水晶だよ。いい趣味しているよ」
 エリウスはあきれ返った顔をして水晶に近寄る。剣で水晶を破壊しようとすれば剣が、下手をすれば自分までもが異次元に飛ばされると分かったレオナはどうすることも出来ない自分に悔しそうな顔をする。それはレオナ以外の"巫女姫"たちも一緒だった。こちらから手出しが出来ないからこそ、こうやって守護者もなしに放置されていたのだろう。
 「エリウス様。我々にはどうすることも出来ないのですか?何か彼女を解放する手段はないのですか?」
 「あるよ。中の彼女が目覚めればいいんだ。そうすれば内側から簡単に破壊出来る。ゾフィス!!」
 エリウスの呼びかけにゾフィスが答える。影から姿を現した彼女は新たに影の門を作り出す。
 「こちら側から起こせないなら、向こう側にいって起こすだけだ」 
 影の門を開けたエリウスはその中へと進んでゆく。エリウスの姿が門の向こう側に消え扉が締まるまでレオナたちはその後姿をじっと見つめ、主の無事を祈るのだった。


 扉の向こう側に消えたエリウスは暗闇の中にいた。視界はかろうじて利くがほとんど何も見えないといっていい。
 「こんな闇じゃあ、何も見えないか・・・」
 エリウスはあたりの様子を伺うと、指をパチンと鳴らして光を灯す。暗闇の中に光が差し込めあたりを照らし出す。その明かりを頼りにエリウスは辺りを見回す。そしてすぐに目標の少女を見つける。エリウスは少女の方へと流れてゆく。
 「迎えに来たよ、お姫さま・・・」
 藍色の髪の少女に近寄るとエリウスは畏まってそんなことを言う。しかし少女はエリウスの存在に気づいていないのか目を覚ます気配はなかった。首をかしげながらエリウスはその頬をつついてみる。ふにふにと柔らかな感触が指先に心地いい。しかし少女はそれでも起きる気配がない。
 「おーい、起きろー?」
 頬を指先で摘みながらエリウスは少女の目覚めを求める。それでも少女は目を開けようとはしなかった。何をしても反応を示さない少女にエリウスは少しイライラしていた。
 「起きないと、エッチな事しちゃうぞ?」
 そういいながらエリウスは少女のスカートの裾をつまみ上げる。何か反応を示すかと期待していたが、それでも無反応なのでやむなくスカートを一気にたくし上げる。白い腿と白い下着がエリウスの視界に広がり消えてゆく。その光景を嬉しそうに眺めながらエリウスはにやりと笑う。
 「起きないともっとエッチな事しちゃうよ?」
 少女が起きないことを確認すると、エリウスは少女のスカートの中に頭を滑りこませる。目の前に広がる白い下着があり、そこからかぐわしいメスのにおいがしてくる。それをかぎながら下着を指先で軽く撫でてやる。布越しに感じる陰毛を掻き分けて少女の秘部をやさしく撫で上げる。クニクニと股間の柔らかさを感じながらいじっていると下着が湿り気を帯びてくる。
 「うーんいい感じ。じゃあ、次行こうか・・・」
 少女が気付かないことにエリウスは嬉しそうにそういいながら下着をずり下げてゆく。藍色の陰毛に隠れた割れ目から溢れ出した愛液が下着との間に糸を引く。下着を脱がせるとエリウスは脚を割りその間に体を滑り込ませ、割れ目に口を近づける。つんとした雌の香りがエリウスの脳を焼く。
 「うん、いいにおいだ。味の方はっと・・・」
 香りを楽しんだエリウスは割れ目に舌を這わせる。チロチロと舌を這わせ、割れ目を舐めあげてゆく。舐めれば舐めるほど少女の割れ目からは蜜が滴り落ちてくる。意識のないはずの少女の息遣いも荒くなり、腰をくねらせ始める。
 奥から耐えずに滴り落ちてくる蜜をエリウスは今度は音を立てて啜り上げる。
 「いい反応だ・・・」
 ヒクヒクと震える膣道を舌で感じながら今度は指を膣内に押し込んでみる。2本同時に押し込み、その締め付けを感じながらエリウスはクニクニと指を動かし蜜を絡め、膣を刺激してゆく。
 空気と絡まった蜜がクチュクチュといやらしい音を奏で始める。その水音のハーモニーを聞きながらエリウスはさらに激しく指を動かしてゆく。
 「んっ・・・んんっ・・・」
 眠っている少女の口から喘ぎ声が漏れ始める。息遣いも荒く内腿に汗を滲ませる。さらに激しく指を動かすと、少女は腰をくねらせてそれを喜ぶ。指で膣内を弄繰り回しながらエリウスは大きく肥大したクリトリスの皮をむき舌先でつついてやる。ビクビクと全身を戦慄かせながら少女が腰をくねらせる。
 「気持ちいいんだね・・・ならそのまま・・・」
 エリウスはそのままクリトリスと膣を同時に攻め立てる。絶え間なく襲ってくる快楽に少女は喘ぎ腰をくねらせる。エリウスの攻めが激しくなるにつれて少女の声を大きくなってゆく。一際強くクリトリスを舐り、膣内を撫でた瞬間、少女の体が大きく反り返る。ビクビクと何度も痙攣を繰り返し、絶頂を迎えたことを示す。
 「これでもまだ起きないのか・・・」
 呆れ顔のエリウスはモソモソと下半身を解放し、ペニスを取り出す。少女の痴態に反応したペニスは大きく肥大し、反り返っていた。そのペニスに少女の膣からあふれ出し手を汚した愛液をなすりつけてゆく。愛液をまぶされたペニスがキラキラと煌めく。
 「じゃあ、遠慮なくいかせてもらおうかな?」
 先端を潤った割れ目に宛がい一気に貫く。狭い膣道を押し開き、侵入を拒む扉をこじ開けてペニスが少女の最奥に到達する。
 扉を開けた瞬間少女の体が大きく飛び跳ねたが、それでも目覚めることはなかった。仕方なくエリウスは抽送運動を始める。最初はゆっくりと、徐々にスピードと勢いをつけてゆく。
 「んっ・・・んんっ・・・」
 ペニスの動きを手助けするように愛液が滴り少女の口から喘ぎ声が漏れ始める。少女を突き上げるたびに愛液が噴出しペニスをぬらしてゆく。それに答えるようにエリウスの動きも激しく、力強くなってゆく。
 「もうそろそろ・・・限界かな・・・」
 狭い膣道に締め付けられたペニスが悲鳴を上げているのが分かる。それが分かるエリウスは少女の両腿を抱え込み、奥へ奥へとペニスを導いてゆく。少女の声も艶を増し、息遣いも荒くなってゆく。体をくねらせ彼女の限界も近いことを教えてくれる。
 「これで終わり・・・だ!!」
 ズンッ!と一際強くペニスを奥へと押し込む。子宮口を押し広げ奥へと到達する。その瞬間少女の体が大きく震え、プルプルと弛緩し始める。さらに膣道もギュッと締め付けエリウスに最後のときを求めてくる。それに抗うことはエリウスには出来なかった。大量の白濁の液体が少女の子宮に注ぎ込まれる。
 「んっ・・・あ・・・ああ・・・」
 子宮に精液を補充されるに従い少女の意識が覚醒してゆく。うっすらと目を開け、エリウスの顔を見つめる。
 「と・・・う・・・さ・・・ま・・・」
 少女はエリウスの顔を見つめたまま力なく呟く。その言葉を聞いたエリウスは無言のままこくりと頷く。それを見た少女は目に涙を浮べ、エリウスの頬に両手を添える。そしてそのまま思い切りその両頬を捻り上げる。
 「今まで何をなさっていたんですか、父様!!」
 完全に意識が覚醒した少女はエリウスの両頬を捻り上げたまま大声で怒鳴りつける。両頬を捻り上げられたままガクガクと揺すぶられたエリウスは何も答えることができない。少女はそれが気に食わないのか、さらに大声で捲くし立てる。
 「私、半分以上覚醒して父様を待っていたんですよ!そうしたら"九賢人"にここに封印されてしまって・・・」
 そこまで捲くし立てると少女は両手を離しエリウスに縋りつく。そして大声を上げて泣き出すのだった。エリウスはそんな少女の頭を優しく撫でてやる。
 「ごめん。迎えに来るのが遅くなった・・・本当にごめんよ、プリスティア・・・」
 大声で泣き叫ぶ少女の髪を撫でながらエリウスはそっと少女を迎え入れる。そんなエリウスにプリスティアはさらに力を込めて縋りつく。その少女の首には"翼"の紋章が煌めいていた。


 プリスティアを封じていた水晶に亀裂が走り、砕け散る。中から解放されたプリスティアが地上に降り立つ。自分たちの元に戻って来た新たな"巫女姫"をレオナたちは暖かく迎え入れる。影の門を通り帰還したエリウスはその光景をじっと見つめているのだった。
 ”若・・・誰か来ます・・・”
 空間転移を察知したゾフィスが警戒を促してくる。同じくそれを感じ取ったエリウスは構えを取る。空間が歪みそこへと現れたのはキールであった。空中に放り出され、顔面から地面に着地する。
 「どうしたんだ、キール?」
 「エリウス様!一大事です!!」
 キールをここまで送ってきたのはフィラデラであろう。その彼女がここまでこれず、代わり来キールに伝言役を命じて送ってきたからには何かとんでもないことが起こった予感にエリウスは息を呑む。そしてキールが呼吸を整えると、言葉を続ける。
 「魔天宮が乗っ取られました・・・」
 「・・・・・・・・・えええええええぇぇぇぇっっっっ!!!????」
 エリウスの、レオナの、"巫女姫"たちの絶叫が遺跡中に響き渡る。砂漠の戦いはまだ終焉を見せていなかった。


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