「ああああああああ!」
青白い閃光が狂ったような明滅をくり返す。
「あああああ! うあああああ!」
焦げたような匂いと、歯の浮くような金気くささが部屋に充満している。閃光とともに響く騒音は、巨大なハチが怒りのうなりをあげているようだ。
「はああ……ああ、いやあ……!」
ワルキューレの絶叫も、ともすればかき消される。否、絶え間ない絶叫で喉が嗄れかけていた。
白い体が、水を浴びたような汗に濡れている。手足に鉄の枷をはめられて、鋼鉄の責め台のうえで大の字に引き伸ばされている。
その部屋全体が、責め装置そのものであった。周囲の壁も、天井も、鋼鉄の奇怪な装置でおおわれている。さまざまな突起や管がうねり這うさまは、海中の岩に似ている。
天井には、巨大な黒い宝珠が埋めこまれている。ある。宝珠のなかでは、黒い煙のようなものがうごめき、白い輝きがたえずひらめいている。まるで嵐の前の黒雲をそのまま封じこめたようだ。
責め台の四隅からも、同じ種類の黒い小宝珠をてっぺんにはめた塔のようなものが突き出ている。
巨大な宝珠がうなりをあげる。放たれた青白い電光が、責め台の四隅の小宝珠へと疾る。落雷そのものの音が響き、ワルキューレの体が台上でのたうちまわった。
「ぐはあ、はああ、あああ……!」
痙攣する体にべっとりと濡れた金髪を絡みつかせ、胃液を吐き散らし、とめどなく唾液を流す。青い眼は焦点をうしなっている。
「はああ! ああああ! うあああああ!」
ハチがうなるような音をたてて、四隅の塔から放出された電光の糸が、ワルキューレの体表にまんべんなく注がれる。電光を受けた肌に煮えたぎるような熱と、肉がめくれ返りそうな痺れがつきささる。
「お前のために用意したイナズマ責め装置だ。苦痛は充分とみえるな」
ゾウナの指示のもと、ロボティアンがレバーを切り替えていくと、塔から放たれる電光が、しだいに三つの場所に集束していった。
ふたつの実りの頂点、そして広げられた足の間である。
「ひぎいいいいいい!」
電光は踊るように三ヶ所に流れこむ。乳首を灼け火箸ではさまれて振り乱されているようだ。焼いた鞭で股間を叩かれ、柔らかな肉門に焼きゴテを押しつけられているようだ。繊毛が縮れ、焦げた異臭をふりまいた。
「ひい、やめて、もうやめてーーーーッ!」
快楽ではなく保護のために、足の間から淫水があふれだした。
ゾウナは笑い声をあげた。
「そろそろ色責めをされたくなってきたようだな」
「ひいい、ちが、あ、ああ、やめてええ!」
「私はどちらでも構わないのだ。お前の悶えくねる姿を楽しめることには変わりないからな。よし、ロボティアンよ、連続落雷責めをはじめろ」
「そ、それはやめてえええ!」
ロボティアンがレバーを切り換えた。四つの塔の電光が、それぞれの宝珠に滞留して、低いうなりをあげた。
対照的に、天井の巨大宝珠が地鳴りを思わせる音をたてて震えだす。宝珠のなかで黒雲が嵐のように乱れ、激しい白光が室内を白と黒に切り取った。
ロボティアンが巨大なレバーを一気に倒した。
「……あああああああああ!」
落雷の音を立てて、白いエネルギーがワルキューレにたたきつけられた。全身の骨がばらばらになるような苦痛が四肢をゆさぶった。金髪が逆立ってうねり、燃えるような熱さに放りこまれる。
「まずは、一回」
ロボティアンがレバーを戻す。巨大宝珠は、またエネルギーを高めると、今度は先ほどよりも時を要さずに白光をはなちはじめた。
ロボティアンがまたレバーを倒した。
「うあああああああ!」
ワルキューレの体が弓のようにそりかえった。そのまま胸をつきあげて、びくびくと四肢を痙攣させる。不随意の動きによって、乳房が気まぐれに揺れ動く。
「二回。このまま気絶するまで続けるぞ……望みがあるのなら早く言え」
ゾウナは身をのりだして眉をあげる。ワルキューレは息を切らし、力なく首をふった。
「い、いや、やめて……」
目の前で、巨大宝珠がまたエネルギーで充満していく。ワルキューレは手足をよじって、虚しく逃れようとし、みじめな声をあげた。
「はあ、ああ、いや、あああああああ!」
大音響がひびく。落雷に打ち抜かれて、ワルキューレの体が大きく跳ねた。そのまま、糸が切れたように動かなくなる。
気を失ってはいなかった。見開いたままの青い目から、涙の筋がこぼれている。
「これで三回だ。そのようすだと前回よりも続けられそうだな。さあ、何度でも落としてやる。いくらでものたうつがいい」
「い、いやあ……く、苦しい……もうやめて……」
涙と唾液をこぼしながら、ワルキューレはみじめな声をあげて首をふった。ぐしゃぐしゃに乱れた髪が、汚れた顔にからみついた。
「では、色責めに変えてよいのだな」
「ひっ!」ワルキューレの顔がひきつる。「い、いや、それはやめて!」
「ならば、気絶するまで落雷を受けるのだ」
巨大宝珠がそれまでにも増してうなりを高め、めまぐるしい白光を明滅させる。ワルキューレは青ざめ、首をふり、せわしない恐怖のあえぎをもらした。
「は、ああ、いや、落雷はやめて! もうやめて……! お願い、やめてえ!」
憎い敵に哀願することに、屈辱を覚える余裕もない。
「色責めに変えて欲しいのだな」
「は、か、変えて! もう変えて……も、もうイナズマはいや……!」
ワルキューレは新たな涙をこぼし、力なくゾウナを見あげる。ゾウナは眉をあげ、考えこむ仕草を見せた。やがて一人うなずき、楽しげに笑う。
「いいだろう。だが、せっかくここまでイナズマを高めたのだ、最後の一撃は食らってもらおう!」
「ひい、ひいいいいいいいい!」
……電光とともに轟音が響いた。責め台の鋲がはじけとび、うめくような音をたてて鋼鉄の板がねじれた。
歪んだ責め台の上で、ワルキューレは気を失い、痙攣する。足の間で小水の溜まりが広がっていった。
◆
巨大な井戸の底のような部屋だった。頭上には深い闇が広がり、その中から二本の太い鎖が伸びて、ワルキューレの両手を鋼の枷で戒めて吊りあげている。力抜けした両脚は、かろうじてつま先で石床をとらえていた。
「んん、ああ、やめて……」
紫色のたいまつが勢いよく燃えさかり、ワルキューレの体を妖しい色合いに照らし出す。なめらかな肌がぬめるような艶を帯びてうごめいている。金髪が乱れて体にまといつき、両手の鎖が耳障りな音をたてる。
「……はああん……!」
コアクマンの手が、ワルキューレの乳房を背後から執拗に揉みつぶす。ぬらぬらと動く悪魔の舌が、耳元を首筋を舐めまわし、熱い唾液をぬりつける。
「いや、ああん、いや、いやあ……」
両脚にもコアクマンがとりつき、腿を左右に広げさせ、敏感な肌に手をすべらせながら、舌での愛撫をくりひろげる。
「んん、ううう、ん、んんんん!」
脚の間にはヤリの柄頭があてがわれ、繊毛の茂みから谷間にかけて、まんべんなくしごきたてられている。淫らな粘液はとどまるところを知らず、ヤリを伝ってコアクマンの手元まで流れ落ちていた。
「はあ、あ、ううう、あ、あああ!」
ヤリの動きにつれてワルキューレの腰がくねくねと揺れ、びくんびくんと跳ねあがる。快楽の蜜が床にしたたり落ちる。
「はあ、も、もうだめ、やめて……」
エンマコンダの責めへの忍耐の結果がこれだった。強力な媚毒をふくむ液体を注がれ、飲まされ、塗られ続けたワルキューレは、ささいな刺激にも性の快楽を引き出されてしまう淫らな体となってしまったのだ。
「ああ、おねがい、やめて……ああーッ!」
ヤリの柄がワルキューレに突きこまれた。濡れて開ききった肉門が嬉々として呑みこんでいく。内壁をすりあげられる快感が、ワルキューレの中心を打ち抜いた。
「はううう!」
ぐいと奥まで貫かれて、ワルキューレの腰がそりかえる。金髪が背を流れ落ちる。顔を上向け、口を半開きにして、唾液をあごやのどへとあふれさせる。
「んんん、はああ、あ、あああああ!」
汗に濡れた白い双臀にも、ヤリの柄が押しつけられ、ぐいと裏門に差しこまれる。
「はああん、あ、あああ、尻が……ああ、あああ、開くううう!」
準備もなしの強引な挿入にたいし、ワルキューレの裏門は驚異的な伸びを見せた。収束するヒダを卑猥にうごめかせながら、さも美味そうにヤリの柄を吸いこんでいく。
「んんん、はああ、両方なんて、だ、だめ、ああん、そんな!」
両脚がそれぞれ抱えあげられ、左右に広げられ、つま先が宙に浮く。腿をほぼ水平にひろげ、ひざから下を垂直に垂らした不様ながに股である。
「あ、ああ、ああ、あああーーっ!」
前から後ろから、挿入されたヤリが突きこまれ、かきまわす。抜き差しで責めたてる。
「んんん、あ、いやあ……ああああ!」
開脚の中心から、熱い蜜が失禁のように流れ落ちる。手荒い突きこみでこね回される臀が、みずみずしく揺れ動いている。
「んん、あんん、はああ、あああ……!」
跳ねまわる乳房を追いもとめられ、つかまれては乱暴に揉みほぐされ、先端をひねりつぶされ、全体をねじりあげられる。
ワルキューレは舌をだらしなく突き出し、目じりを下げて顔を火照らせる。淫欲に酔いしれた顔だったが、心のうちは絶叫していた。
(いや、こんな、こんなに感じるなんて……ああ、もうやめて、ああ、ああ……!)
「はあぁぁぁぁぁんッ!」
イナズマに打たれたように体を震わせ、ワルキューレは絶頂を迎えた。前後の肉穴が熱く燃え、なおもヤリの柄の硬さを食い緊めて味わっている。
「いやあ……っ!」
また達した。両腿が震え、頭がのけぞる。青い目から涙がこぼれた。
「どうだ、神の子よ。つまらぬ意地をはった報い、思い知ったであろう」
荒い息をつくワルキューレの顔に、ゾウナの冷たい白い手があてがわれた。闇の衣に身を包んだ長身が、無防備に開かれた汗だくの体に押しつけられる。布地に肌を擦られ、ワルキューレはうめき声を殺して身をよじった。
「こんなに淫らになって、これからどうするつもりだ? このように敏くなっては、下帯ひとつ身につけられまい」
前のふくらみを指先で押しあげられ、ワルキューレは甘い声をあげてしまう。
「もっとか。誘うなら応じてやろう」
「ち、違う、はなして……ああん!」
だが、ゾウナの両手がワルキューレの乳房を揉みたてると、青い目が潤み、紅唇が開いて唾液をこぼした。頬を染め、荒い息をして、つらぬかれたままの腰を振りはじめる。ゾウナは笑い声をあげた。
「まだまだもの足りぬようだな。もはやコアクマンでは不足と見える」
「は、ああ、違、ああ、あああん!」
ゾウナの手管に乱されながら、ワルキューレは首を振る。だが、前後を貫くヤリがコアクマンたちに操作され、じっくりと突きあげられこね回されると、目の奥に火花が散り、快感が全身を覆いつくした。
「あああ〜〜〜〜ッ!」
乳房を揉みたてるリズムに合わせて、ワルキューレは何度も絶頂のイナズマに貫かれ、腰を上下させ、頭をのけぞらせた。
「ひいいいいい!」
乳房を揉みくしゃにされながらふたつの穴をかき回され、連続絶頂に腰をびくつかせた。
だらりと舌を出し、白目を剥いて気絶したワルキューレを、ゾウナは満足そうに見つめた。ヤリを抜き取らせ、汗まみれの体を回復の水で洗い流させると、みずから口移しで回復の薬を飲ませた。青い目がぼんやりと開く。
ゾウナは残忍な笑みを浮かべて口を離した。
「淫らなお前にうってつけの相手を用意してある。行って存分に楽しむといい」
指を鳴らす。ワルキューレを吊るす鎖が音高く巻きあげられた。ワルキューレは長く尾を引く悲鳴をあげて、いずこともつかぬ闇のなかへと消えていった。
◆
崩れかけた半地下の広間であった。むっとするような体臭がたちこめていた。倒れた石柱や壁の断片の合間に、黒ずんで汚れた人影が、思い思いに身を横たえ、うなったり、いびきをかいたりしてる。高みの空気窓から外の光が薄く差しこんで、もじゃもじゃの髪や身にまとった獣の皮、巌のような手足が透かし見える。
からからと滑車が回った。広間の高みにわだかまる闇のなかから、白い姿がゆっくりと降りてきた。
人影のひとつが顔をあげ、獅子鼻をひくつかせる。おう、おおうと獣めいた声をあげ、身を起こし、鎖に吊られて運ばれてきた姿を食い入るように見つめる。
いまや、広間中の人影が身を起こして注目するなか、ワルキューレは彼らの頭上に吊り下げられた。
広間を埋め尽くしていたのは、タッタであった。力がとりえの原人である。その中でも、火を操る力を持つ高位の戦士たちであった。誰もが黒い髪と鬚をぼうぼうに伸ばし、黒い獣の皮を身につけている。
吊るされたワルキューレを取り巻いて、タッタたちが寄り集まる。息をあらげ、大きな目玉でワルキューレの裸身を眺めまわす。ワルキューレはほっそりとした腿を虚しく閉じ合わせ、金色の茂みへの視線を逃れようとした。
両手の枷がはずれ、ワルキューレは落下した。埃が舞いたち、すえたにおいが広がる。そこは、古びた毛皮が厚く重ねられた巣のような場所だった。
放りこまれたワルキューレに、タッタたちが近づいた。体臭が強くなる。白くしなやかな体に、丸太のような腕がいっせいにつかみかかった。
「……あああーーーーーーっ!」
ワルキューレは嫌悪に絶叫した。先んじたタッタの一体が、ワルキューレの両脚をつかみ、人形のように左右にひっぱった。金色の髪が床を擦る。抗おうとした両手は別の手に捕らえられ、振り乱れる乳房にごつい指が食い込んだ。
「ああ、ああ、いやああ!」
荒々しい巨大な手が乳房を揉みしだく。両腕が引き抜かれそうなほど引っぱられ、左右からべろりと生温かい舌にわきの下を舐められる。タッタたちがうなり声をあげる。
「いや、いや、いやあああ!」
太腿を、つま先を、そして谷間を、タッタの舌がいっせいに舐めまわす。硬い大きな手が肌を撫で、肉をつねる。タッタたちの獣じみた喜びの叫びが高まっていく。
「あんん、あ、あ、いやああ!」
ワルキューレの体も、荒々しいタッタたちの愛撫に反応し、鮮やかに上気していた。嫌悪にもがく心とはうらはらに、全身を這いまわる手に、かげりの肌を好んでしゃぶる舌に、ぞくぞくするような快感を覚えてしまう。両手両脚をひっぱられ、押さえこまれ、不様な姿勢に拘束されるのもすでに慣れた仕打ちだ。むしろみじめな快美感が広がっていく。
興奮したタッタが毛皮を脱ぎ捨て、素裸になった。股間の尤物をつかみあげ、ワルキューレの口に押しつけた。不潔な体臭が口いっぱいにひろがった。
他のタッタたちも裸身となり、一物をワルキューレに押しつけた。なめらかな肌にごしごしと擦りつけてうっとりと目を細める。あるいは優美な手にむりやり握らせ、手を重ねて操ってしごかせる。
(か、体中が……汚されていく……!)
握って持ちあげられた両乳房にも、黒々と太い肉棒が食いこみ、乳首を押ししごかれる。土踏まずに、足指の股に次々とあてがわれ、こすりつけられる。
「んぐううう!」
口の中に青臭い熱がほとばしった。抜き取られず、あふれた唾液ごと飲まされる。飲んだのを確かめて抜き取られる。ざらつく感触が喉にひっかかり、ワルキューレはむせた。
「はうう、あ、ああ……あぐうう!」
次のタッタが一物をねじこむ。大きな手で頭をはさみ、激しく腰を使って抜き差しする。
喉の奥を衝かれてワルキューレはうめいた。白い体が苦しげにはねる。
「んん、ううう、ふぐううう!」
片ひざが胸につくほど折り返される。みずみずしい臀が揉みしだかれ、太い中指が柔らかな裏門を貫いた。ぐりぐりとかき回し、つけねまでねじこむ。
「んん、んんん、んんん!」
意に反し、収束するヒダが伸縮をはじめた。タッタの指を食い緊めて、中へ中へとひっぱりこむ。タッタはいやらしい笑みを浮かべ、親指で茂みをさぐった。ひくつく尖りを見つけ出すと、力をこめてぐりぐりしごく。さらに、人差し指を谷間につっこむ。
「んぐうう、ん、んん、ふうう、んんん!」
太い指で三箇所を乱暴にかき回されているというのに、ワルキューレの秘所は洪水のような秘蜜をあふれさせた。もう一方の脚もひきあげられ、ひざを立てたぶざまな開脚をさせられて、三箇所責めに狂う秘部を衆目にさらけだされる。
「んんんんーーーーーっ!」
ぐいぐいと乳房をこねまわされ、ワルキューレはたまらずに絶頂に達した。体内の指を吸いあげるように締めつけてしまう。タッタの笑みが大きくなった。
「うぐ、ううう、んんんん!」
口の中にまた放たれてもがくワルキューレに、タッタたちが次々と白濁を浴びせかける。大きな手にまんべんなく塗りこまれ、美しい肌が粘りを帯び、異臭につつまれる。髪にも白濁が染みこんでいく。
「いやあ! やめてえ!」
タッタたちは、ワルキューレの体のすみずみまでに触れ、舐め、男根を擦りつけ、白濁を浴びせかけた。人形のように手足をねじまげ、振り回し、両脚をさまざまに広げて鑑賞した。そして絶えず乳房を揉み続けた。
「は、ああ、ああううう!」
ゾウナの指の長い優美な手や、コアクマンの細い手とはまったく違う。硬く、ごつごつとした力強い手に揉みくしゃにされて、ワルキューレの乳房は快感が沸騰する肉袋と化していた。指が強く食いこんだり、乱暴にひねられたりするたびに、細腰をはねあげて絶頂に達した。
「んん、ああ、尻はやめて……はあああ!」
タッタたちは、ワルキューレの果実のような尻も気に入ったようだった。飽かず双臀をこじ開けて裏門を眺め、指先でこじる。臀肉をくねくねと揉みほぐし、手のひらで叩いて赤みを帯びさせる。そして鼻息あらく顔を沈め、ヒダを舌先で押し揉み、舐めまわす。
「はああ、あ、あああ、ああああ!」
不浄の門まで舐められる刺激に、指を押しこまれた谷間がさらなる蜜を流す。タッタの手がワルキューレの蜜でぬるぬるになる。その手を引き抜くと、タッタはそのぬめりをワルキューレの腹や腿にこすりつけた。
「ふ、ぐうう!」
十人めから数えるのをやめていた相手が、口の中に放つと、どうやら一巡したらしい。ワルキューレは毛皮の上に放りだされた。
おそらくはもっとも上位のものが、あごをしゃくる。ひとりが進み出てワルキューレの両手をつかんで吊りあげた。別のふたりが両脚をつかみ、左右に広げて支え持った。
上位のものが石柱によりかかって寝そべると、猛りたった肉塔を握りしめて構えた。ワルキューレはその上へと運ばれ、寝そべるタッタのものへとおろされていった。
谷間に圧倒的な太さが押しつけられる。両脚を持つタッタたちが、ワルキューレの股をさらに広げさせ、肉塔へと沈めていく。
「あ、あ、ああああーーーーーっ!」
悲鳴が広間に響き渡り、周囲のタッタたちが手を打って喜んだ。
「あああ! あああ! ああああ!」
三人のタッタによって、ワルキューレの体が肉塔に打ち降ろされる。寝そべったタッタも腰を使って迎え撃つが、主にワルキューレを支える三人が体を上下に動かし、肉穴で肉塔をしごかせる。
「は、激し、あ、ああ、やめて、やめてええ!」
無理やりの深衝きに子宮まで震撼させられ、ワルキューレは悲鳴をあげて身をよじった。
やがて寝そべるタッタがまたあごをしゃくった。三人はワルキューレを引き抜いて持ちあげると、宙で回転させて後ろ向きにした。
「あ、ああ、そこは、ああああ!」
濡れた肉塔が双臀にあてがわれる。寝そべるタッタが身を起こし、ワルキューレの臀を両手でこじ開けて、小さなヒダ穴に図太い肉塔をむりやり押し込んだ。
「ひいいいい!」
のけぞりもがくワルキューレを、タッタは後ろから抱きすくめ、胸を揉みながら尻を犯しはじめた。
「はあ、いや、いや、やめて、ああ、ああ、だめ、だめええ!」
ワルキューレの尻が限界まで伸び、内側を熱い肉竿でしごかれる。
「あんん、んんん、は、ああ、感じ、あ、ああああ、感じるうう!」
両手を吊られてわきの下を晒し、両脚を持ち上げられて貫かれた場所を衆目に晒しながら、ワルキューレは衝きあげられ、揉みしだかれ、のけぞって果てた。
(く、狂う……こんな、もう……ああ……)
ワルキューレの体は運びあげられ、次のタッタに手渡される。あぐらをかいたタッタの膝の上に座らされ、背後から胸を握りしめられると、熱い凶器で股間を刺し貫かれた。
「あはあああ!」
タッタたちがはやしたてる前で激しく突きあげられ、こね回され、髪を振り乱す。タッタがうなり、顔を真っ赤にして果てると、ワルキューレの体は次のタッタに引き抜かれて持ち去られた。
「は、あああ、だめ、だめ、ああああ!」
床にあおむけに寝かされ、カエルのように両脚を曲げられ、覆いかぶさられて犯されはじめる。
(……いつになったら終わるの……誰か、誰か助けて……!)
のたうつ白い体は、タッタたちの中に埋もれ、見えなくなった。
◆
「満足したか、神の子よ」
あおむけに倒れたワルキューレを、ゾウナは靴先でつついた。
ワルキューレは青い目を見開いたまま、されるがままだった。白濁にまみれた乳房が荒い呼吸に動いている。金色の茂みも白濁を盛りつけられ、だらしなく開いたままの足の間からは白い粘りが床に垂れていた。
体には、荒々しい愛撫の痕跡が赤く黒く刻まれている。指あと、歯型、ひっかき傷。ゾウナは身をかがめ、それらをいとおしげに指で撫でた。ひとつひとつが神の子に与えた苦痛と屈辱を思うと、深い快楽がこみあげてくる。
触れられて、ようやくゾウナの存在に気づいたらしい。ワルキューレの青い目がわずかに焦点を結んだ。小さく声をあげて、おそらくは逃れようとしたのだろうが、体はまったく動かなかった。
「タッタどもは寝んでいる。お前も疲れを癒すといい」
ゾウナは闇の衣の下から回復の水を詰めた小さなクリスタル瓶をとりだした。そのときに、腰帯にはさんだ短刀がワルキューレに見えるようにした。
ワルキューレの体に薄こがね色の水を注ぐ。口元にもあてがって無理やりに飲ませる。白濁やほこりまでは清められないが、その下の肌は完全になめらかな艶を取り戻した。
「殺して……」
完全に生気をとりもどした神の子は、苦痛に満ちた表情でゾウナを見あげ、うめく。ゾウナは笑みを浮かべて首をふる。乳房に手をかけ、ひねりあげ、快楽の叫びをあげさせてほくそ笑む。
「殺さぬ。お前が乱れ陥ちてゆくさまを最後まで堪能したいからな。これからも肉の快楽で責め抜いてくれる。お前はやがてこのような仕打ちを喜ぶ牝となろう。肉の快楽に溺れ、その美しい顔をとろけさせ、その小鳥のような声でさらなる肉の悦びをねだるのだ」
「……だれがそんな……」
「なる。お前には分かっておろう。タッタどもに激しく犯されようと、もはや苦痛だけではなかったであろう」
「エンマコンダの毒の効能だ……私の意思ではない!」
「お前の意思であろうとなかろうと、快楽は快楽だ。お前のすべてを押し流し、変えてゆくことには変わりない。お前は変わる。神の子の使命も忘れ、肉の快楽に溺れる牝奴隷になるのだ」
「いやだ……ならない……あああ!」
「心地よかろう? そろそろタッタどもも目覚めよう。また激しく可愛がってもらうがいい。今度こそ新たな世界が見えてこよう」
「い、いや……いやあ!」
寝ていたタッタたちが次々と起きあがる気配に、ワルキューレは悲鳴をあげた。だが、ゾウナに胸を揉まれて両脚が萎え、体は熱く燃えて、自由がきかなかった。逃げ出すこともできず、次第に足の間が濡れていくのを感じていた。
(い、いやだ、神の子の化身たる私が肉欲に溺れるなど……ああ、でもこのままでは正気を保てない!)
そのとき、ゾウナの腰帯で、黒金の柄がきらりと光った。ワルキューレは震える手を伸ばし、それをつかんだ。
なおも胸を揉むゾウナの手に切りつけた。
黒い血しぶきが乳房にふりかかる。
ゾウナは手を引っこめた。ワルキューレは身を起こし、立ち上がろうとして、よろめいた。
「そんなもので私を倒してみるか? タッタどもを切り伏せて逃げのびてみるか?」
ゾウナは傷口を舐め、嘲笑した。
ワルキューレはあたりを見回した。近寄ってくるタッタの数は三十はくだらないだろう。火の玉を操る剛力の集団を相手に、ワルキューレは裸身であり、か細い短刀のほかには武器もない。魔法はすべて封じられたままだ。
抵抗して勝てるはずもなかった。
だが、このままではまた激しい陵辱に晒されてしまう。あれを繰り返されて、いつまで正気を保てるものか。
「さあ、そんなものは捨てるのだ。大人しくまたその身を愛されるがよい。今度は私もお前を狂わせてやろう。快楽に溺れて牝奴隷になるまで、犯しぬいてくれよう」
ゾウナはこの上ない美しい笑みとともに、恐るべき未来を予言する。ワルキューレは短刀を握りしめた。
「いやだ……お前の思いどおりになどならない!」
神の子たる自分が、悪魔にこれ以上穢されるわけにはいかない。
ワルキューレは短刀を逆手に持ちかえた。切尖を喉にあてがい、一気に貫く。
冷たい、死の感触が、突き抜ける。
(神よ、私に誇りある滅びを……!)
ゾウナの笑い声が響いた。
第三話 完
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