第六章【 崩壊の波動 】

( 3−4 )

 
 【 運命の日 二人の少女の宿命 サイト 】

 シンルピア帝国領の南西に位置する、孤島のパフリシア城には、雲一つない夜空には満天の星空が輝き、この季節にはめずらしく綺麗に弧を描いた月面が、白亜の城と周辺の湖を明るく照らし出す。
 まるでこの日を祝うかのように、二人の少女の門出となる、運命の日を祝福するかのような天候ではあった。

 このパフリシア領の領主となったサトー・マクスウェルは、運命の時を迎えるレンヌの準備を部下に任せ、彼は民衆の主だった代表たちの御礼を受けた。
 運命の夜が迫っていただけに、楽しみを焦らされたようなサトーではあったが、これも領主の務めと諦め、ささやかながら豪勢な会食の場を設けたのである。無論、招いた民衆代表の中には、サトーらが手を廻していた者も当然、会食の場に招いている。
 (まぁ、俺も食って体力をつけておかなければ・・・・)
 また、わざわざ会食の場を開いたのには、新領主である彼には別の明確とした狙いがあった。
 この時点でサトーの胸の内には、二つの未来の選択肢がある。
 あくまでも帝国に従属して、後にレンヌ皇女を介し、帝国そのものを乗っ取る未来。もしくはパッフィー姫の身体を利用して、パフリシア王国を再興し、大陸に覇を唱える未来。
 と、である。
 前者の長所と欠点は、まず事が起きるまでは帝国有力諸侯の一人である彼には、その準備の時間と資金には余裕があり、レンヌ皇女の傀儡ももはや完璧に事なったものである。ただし、それだけに計画が長期的なものになり、今年、三十九歳を迎える働き盛りのサトーでも、彼が帝国の支配者となれる頃には、晩年を迎えている頃であろう事だろう。
 後者の長所と欠点は、とにかく事が興し易く、もはやパッフィー姫も彼の手の内にある。ただ欠点としては、まずロンバルディア王国の健在が不可欠であり、その他にも色々と不確定要素が多いのである。
 ただ、どちらの選択図にも、パッフィー姫に課せられた運命は定まっており、その辺の民衆の反応を伺っておきたかったのである。
 確かに彼の旧《アレックス》の部下たちの中にも、民衆に勝るとも劣らない【聖女】パッフィーの崇拝論者はいるが、彼らはサトーを畏怖する部下であって、民衆が必ずしも同意権であるとは限らないのだ。
「よほど酷い目に遭わされていたのだろう。中々、人前には姿を現す事はなくなってしまったようだ」
 パッフィーが公然の場で、カリウスにレイプされた事実は、このアースティアの世界に広く知れ渡っている。それだけに民衆代表も、その一大の英雄と称えられる領主の言葉に頷いたものである。
 無論、彼らはサトーの素顔を、その胸に秘める秘事を知る由もない。
 先の大戦から今日に至るまで、パッフィー・パフリシアの人生は、災難続きだったのだと案じる民衆たちは、新領主の秘める思惑などに気付くこともなく、同意の言葉を漏らした。
「パッフィー姫には・・・・このまま静かに、この美しい生誕の地で余生を楽しんで貰いたいものですな」
「そうですな」
 その中で代表の一人が持ちかける。
「私などは、いっそう・・・・サトー閣下と結ばれれば、これ以上の姫の幸せはない、と愚考するものですが・・・・」
 それは予めサトーの賂が行き届いている者の発言ではあったが、その彼にしても、「できれば、パッフィー姫を娶りたいと思う」という、サトーの願いが、純粋なものだと信じていた者であった。
「パッフィー姫は既に、カリウスの元に嫁いだ身であり・・・・民衆も、姫本人もどう思うだろうか!?」
「なんの、サトー閣下。あんなものは強要されたものに決まっている。無効です、無効ですよ!」
「閣下は一大の英雄であられます。もし、サトー閣下とパッフィー姫、新旧のパフリシアの血が結びつけば、それは民衆にとっても喜ばしい事でありましょう」
「敵本拠地から救い出した閣下を、姫も悪くは思っておられますまい。いえ、むしろ容易に心を開く事でしょう。私は、サトー閣下とパッフィー姫の関係を歓迎しますぞ」

 議題は最初から最後まで、サトーの望む意志に沿って進められた。手配した民衆代表の操作もさながら、これほど事が順調に運ぶとは吉兆という以外に他ならなかった。
 こうしてサトーは、名実共にパッフィー姫を抱く事に、新領主という立場からでも民衆に気兼ねする事なく、事が運ぶのである。


 だが、そのパッフィー・パフリシアを抱くよりも先に、済ませておかなければならない出来事があった。
 レンヌ・カスタネイド皇女の種付けであり、それによって、アンミストルウムによる傀儡が完成するのである。
 サトーの寝室には、二つのモニターが映し出され、右はパッフィーが最終教育の過程で見たものと同じであり、左の映像がサトーのベッドに横たわっている少女の子宮を映し出されたものであった。
 《 パッフィー・パフリシア 妊娠中 》
 《 レンヌ・カスタネイド 排卵前 》
 サトーは、神から配された最初の裸体を一瞥して、二年前に破瓜した当時より、更に女性らしく、美しく成長を遂げた少女の身体を認めた。
 そう、光栄にもレンヌ・カスタネイドは、自分に抱かれるだけの身体に相応しい、と改めて認められたのである。
 そして今一人の彼に認められたパッフィー姫も、いよいよ最終教育の過程を終えて、運命のこの場所に向かっている頃である。

「何も思い残す事がないように、たっぷりと注いでやろう」
 それは同時に、レンヌの受胎を決定させる予告でもあった。
 レンヌの排卵間近は当人が申告していたように、それは既に確認済みであり、アンミストルウムの媚薬によって性感が高まり、間違いなく今回の性交過程によって排卵が始まるはずである。
 また二年前に打たれたアンミストルウムの、未だレンヌの身体に残った抗体が新たな投薬によって覚醒し、その最初の男が一致する、身体に刻まれていた本能の記憶が、運命の男を、今か、今かと待ちわびていた状態なのである。
「・・・・んっ! ああぁぁっ・・・・」
 サトーの手が、眠れる帝国皇女の胸に触れるだけで、彼女の乳首は劇的にも急激な反応を示した。アンミストルウムを放たれてから既に数時間の時間が過ぎており、媚薬効果が発揮されるのに十分な頃合である。それだけに、もはや愛撫なしで運命の結合を迎えられる状態ではあったのだが、レンヌにとっては、まさに人生の転機という時期と、発情しているパッフィー姫に見せ付ける予定とが、サトーとの結合を先送りさせていた。
 既に準備態勢が整っている、そのレンヌの膣口に中指を突き刺し、
 《ズブッ・・・・ズブズブッ・・・・》
「くぅ・・・・ああっ・・・んんんんっ・・・・」
 そして突き刺した中指が、二年前に極上の快楽を提供してくれた膣内に出し入れさせていく。
 《ズブッ、ズボッ、ズブッ、ズブ・・・・》運命の男の中指に応じて、レンヌの肉襞が蠢き、アンミストルウムの媚薬効果と、彼女本来の性感によって、彼女の体の膣内は熱く沸騰しているような錯覚を与えたものであった。
 (ほぉ・・・・こちらも中々・・・・)
 二年前に比べて、レンヌもまた、この運命の日の為だけに精進を続けていたのだろう。指からでも、その成長を遂げた相当な締め付け具合と、男を悦ばせる壷を備えた構造には、目を見張るものがあった。
「あっ! あっ!! あっ! だぁ! あっ!」
 意識のないレンヌの四肢が、サトーの肩に抱えられた両脚が、痙攣したように振動するが、アンミストルウムの支配下にある女性は、その膣内で男のスペルマを受け止めない限り、絶頂に到達する事は許されない。
 レンヌの身体は、絶頂のその寸前を繰り返し、噴き出すような汗を全身に纏わせている。
 そして・・・・
 《 レンヌ・カスタネイド ノ 排卵 ガ 開始サレマシタ 》
 モニターの左側には、いつの間にか、くっきりと映し出されている存在があり、その絶頂寸前の繰り返しによって、彼女の卵巣から慌しく卵子を排出させたのだ。
 サトーは喘ぎ悶える少女の、艶やかな紅色に染めて眠れる少女に嘲笑を浮かべた。
「あっ・・・・んんっ、い、イク・・・イクゥ・・・・あっ、も、もう!」
「ククッ・・・・こっちの準備はもう万全だというのに、お前が憎む女は酷い女だな・・・・」
 その悪態がついた頃だった。
 誰にとっての、待望の時であったのか?
 部下たちによって誘われて、今日、サトーに抱かれる事を運命に義務付けられた、もう一人の少女が到着したのである。

「さぁ、パッフィー姫・・・・姫の順番はこの後ですから」
 副官が向かいのソファに席を進め、特等席からの運命の結合を見届けさせる事になった。
「よし、挿れてやるか・・・・」
 意識のないも悶え苦しんでいるレンヌとは違って、理性と思考力だけが奪われたパッフィーが、この彼女の後に、受け止める事を許された唯一のペニスに羨ましく、食い入る。
 レンヌの苦しみは今日一日でのものであったが、パッフィーはこの一ヶ月近く待たされ続けたのである。そんな彼女が羨望の眼差しを向けるのは当然の事ではあったのかも知れない。
 サトーが遂に、レンヌの背後から片脚を抱え上げた。既に彼女の身体は全ての準備を終えており、後は膣内に出されたサトーの遺伝子を卵子に結合させるだけである。
 《チュプッ・・・・ズブッ・・・・》
「ああっ!」
 僅かなサトーの先端がレンヌの入口に入り・・・・
「あっ・・・・んんっ、」
 《ズブッ・・・・ズブブブッ・・・・》
 後側位から、結果的に二年前に下準備した事になる子宮に目掛けて、ゆっくりと挿入を果たしていく。その結合していく瞬間を、羨望の眼差しで見届けるパッフィーは、サトーの動きに合わせて、自分の指を突き入れていた。
「姫、あれが・・・・」
 自慰に耽るパッフィーに、サトーの副官が左のモニターを指差す。それは彼女が最終教育課程で見せられたものと同様の・・・・カリウスとの愛の結晶が息づいているのを、モニターに表していた。
「この元凶を解消させないと、順番が廻ってきても・・・・姫にはまだ、運命の時を迎えられませんよ」
「ああっ・・・・い、いやぁ・・・・」
 パッフィーは弱々しく、副官の言葉に頭を振った。
「あ、あれを・・・・あれを・・・・くっ、下さい!」
「隊長、宜しいですか?」

 その頃のサトーは正常位によって、彼が初めて最初に評価を認めた“アースティアの極上の名器”を堪能している最中であった。
「んっ、ああっ・・・・んんっ・・・・」
 サトーがレンヌの肩を抑え、身体を重ね合う毎に、皇女の口からは甘美の声が漏れた。そしてその声は、身体を重ねる男だけではなく、順番待ちを余儀なくされた少女をも刺激するのだ。
 サトーに初めて抱かれる事ができた二年前の頃においても、同世代の少女に比べて、レンヌ・カスタネイドの身体は成熟していた名器ではあったが、その後の帝国の温室によって育まれてきた環境と、先帝皇帝トュエル・カスタネイド・ジェームズ一世が注いだ愛情によって、見事に極上の名器は昇華されていた。
 その環境を物語る名器だけに、サトーは一度、高ぶり始めていた射精感を治めるべく、深く突き刺したままの体勢で、順番待ちする発情状態の少女を見据えた。
 それはパッフィーが、カリウスとの子を認めた、あの対決以来の対面であった。
「俺からは強制しない。それが約束だったからな・・・・」
 サトーはレンヌと繋がったまま、今一人の少女だけを見据えた。将来の地位的価値を持つのは、レンヌの身体の名器ではあるが、それ以上に魅力的な肉体を持つのは紛れもなく、後に極上の名器だと診断したパッフィーの身体の方である。
「敢えて今一度、問うぞ・・・・いいんだな?」
「あ、あれを・・・・私に、流産決行、排卵促進剤を下さい・・・・」
 まるで啜り(すすり)泣くように哀願した。
 パッフィーは確かに、自らの口から、流産決行・排卵促進剤の名称でもって求めたのである。その理性による意志はともかく、それだけは紛れもない事実であった。
「解った、認めてやろう。あれ(流産決行・排卵促進剤)を渡してやれ」
「はっ!」
 パッフィーはようやくにして、その妊娠状態から打開してくれる、ベージュ色の液体を、流産決行・排卵促進剤を譲られたのである。煌々とした瞳には何の迷いもなく、これから自らの手で処断してしまう恐ろしさも、この時の彼女には見受けられなかった。
 《ゴクッ・・・・ゴクッゴクゴク・・・・》
 その小瓶開けては、口につけて・・・・一気に飲み干していく。
 流産決行・排卵促進剤の効果があるのは、個人差はあれ、だいたい一分から二分の間である。パッフィーは飲み干した後、食い入るようにして、モニターを凝視する。
 次第に、体内の異変とモニターの変化が同時に起こった。何かが暴れたような錯覚に痛みを憶えたが、それが胎内の最後の異変であり、モニターには明確に映し出されていた胎児の姿が、次第に真っ赤な背景に中に溶け込んでいった。
 (・・・・・)
 副官が指摘した元凶を・・・・カリウスとの間で待ち望んでいた男児の胎児の最期を見据えて、パッフィーは煌々とした瞳から、自然と涙が流していくのだった。
「あっ・・・・ああっ・・・・」
 言葉にならない言葉だけが漏れていく。
 (・・・・)
 何故、自分は泣いているのか、今の彼女には定かではなかった。ただこれによって、自分はこの苦難な状態から・・・・過去の過ちを清算し、自分に課せられた運命の時を、運命の方を・・・・サトーを迎えられる事ができるのである。
「おめでとう、パッフィー姫・・・・元凶は取り除けましたよ。後は誓約を果たして・・・・ここに、《ズブッ、ズブブッ・・・・》ここに挿れてもらうだけですね」
「ああっ! んっ! んんっ!」
 涙だけでなく、全身のあらゆる体液を噴出させながら、パッフィーは絶頂寸前までに容易に達し、モニターへの違和感、潜在的な悲しみなど、すぐに消し去った。
 この絶頂に達しきれない状態ほど、今の彼女に与えられる苦痛はなかったのである。
 そして、そのパッフィーに与える苦痛は、目の前で再開された、レンヌ(未だパッフィーは彼女を知らない)と自分にとって運命の相手と位置付けされた男との性交の激しさである。
「あっ、あっ・・・・んんっ・・・・」
「くっ・・・・」
 レンヌが無意識にサトーにしがみついて、無意識なまでに腰を動かし続け、サトーの射精感を促していく。パッフィーの目の前で、流産決行・排卵促進剤を飲み干して事によって、この後に挿れて貰える事が叶ったペニスが、彼にしがみつくレンヌの身体によって、包まれては視界から隠されていく。
 (これでは、誰がこれを見ても、レンヌ自身が膣内出しを希望しているようにしか見えないだろうな)
「だ、出すぞ!! このまま膣内に出すぞ・・・・いいんだな!」
 快楽だけを貪り続ける事に没頭するレンヌには、もはやサトーの言葉も自身の理性が諌める悲鳴も届く事はなかった。
「うぅおっ――っ、ぐっ・・・・」
「ああっ・・・・あ、・・・・ああっ・・・・・」
 レンヌはサトーのスペルマを膣内で受け止め、ようやく四肢を痙攣させて、絶頂に到達する事が許された。そしてそれは、彼女の傀儡による人生の始まりに過ぎなかったのである。

 そして・・・・その瞬間だった。

 《 パッフィー・パフリシア ノ 排卵 ガ 開始サレマシタ 》
 《 レンヌ・カスタネイド ノ 受精確認 受胎確定サレマシタ 》

 ほぼ同時に二人の変化を告げる機械音声が響いた。
 パッフィーはそれよりも、絶頂を極める事ができたレンヌの姿と・・・・その彼女が繋がっているモノだけしか意識が向いてなかったのである。
 (ああっ、いよいよ、んんっ、わ、私の順番ですわぁ・・・・)
 だが、彼女がそう思い込むのは、早計というものであった。
 パッフィーがサトーを受け入れられる事に当たって、もう一つの約束事が彼女にはあったのだ。
「あ、・・・・」
 《ズブッ・・・・・ズブブブッ・・・・》
 運命の男であるはずの、そのサトーのペニスは、またもや目の前にある女性の膣内に埋め込まれていった。一度とはいえ絶頂を極めてもいるその膣内に・・・・順番待ちしている自分を差し置いてである。
 理不尽なまでのそれに、パッフィーは唖然と見据えた。
「んっ? パッフィー・パフリシアよ・・・・何、物欲しそうに、物恨めしそうに見据えている?」
「ううっ・・・・くぅ・・・・も、もう・・・・ゆ、許してぇ」
「この女のように、俺に抱かれたいか?」
 パッフィーは懸命に哀願し、サトーの言葉にしがみつくように頷いた。もはや身体の疼きは我慢の限界を越えており、順番がいざ廻ってきた、と思っていた矢先だっただけに、もはやパッフィーは形振り構って居られなかった。
「パッフィー姫よ、俺に抱かれたい、と言うのなら、この俺に誓う事があるはずだ・・・・その魔法の首輪を填めてな」
 副官から差し出された、その魔法の首輪を彼女は手に取った。三つの誓約が成立すれば、それが実際に遂行されるか、誓約した人物の手によって外されない限り、二度と取り外す事が許されない。
 パッフィーは、その【誓約の証】を首に填めていく。
「その首輪を填めた、という事は、そのプレートの名にある俺こそを、姫自らが運命の人と認め、誓約する事になる・・・・解っているな?」
 首輪の中央にあるミスリルプレートには、《サトー・マクスウェル》の名前が刻まれており、誓約者がこの名前に誓約する三つの誓いは、未来永劫に渡って有効となる。
 そして、この魔法の首輪に誓約した、誓約内容に関する全ての記憶が誓約する者から抹消されるが、その誓約を違える事は不可能で、誓約に履行する行為は、自然と身体が拒絶されるようになっているのだ。

 (クククッ・・・・アンミストルウムが切れた時の、お前の顔は、さぞ見物だろうなぁ)
 そしてそれは当然、パッフィーの理性と思考力に関わらず、本能だけで答えたとしても変わらないのである。
 パッフィーは副官に教わった通りに、誓約する相手の名が刻まれているプレート(喉元)に指を当て、念じるように言葉を紡ぐ。もっとも限界にきたしている身体だけに、その口調には些か心許ないが、最終教育において刷り込まれた誓約内容は、完璧なまでに身体に記憶されていた。
「御霊の精霊よぉ、大地の精霊に基づき、わ、私・・・・パッフィー・パフリシアは、んっ、ここにある名のサトーなる方を、わ、たくしの運命の人として認め・・・・この方のために・・・・んんっ・・・・生き続ける事を・・・・こ、ここに誓います・・・・」
 指先が当てられたプレートが光を帯び、パッフィーのその誓約が叶えられた証左であった。この瞬間からパッフィーは、サトーとの運命を共有していく未来を、永遠に誓約したのである。
 これによって、彼女はカリウスの元に逃げる事も、自殺する事さえも決して許されなくなったのである。
「我の言葉に風縛をとかれし、古の神々よぉ、私、パッフィー・・・・パフリシアは、この名に記された運命の方に対して、む、んっ・・・・無条件で股を開き、わたくしのぉっ、んっ、身体で可能な限りにぃ、愉しませる事を、ここに誓います・・・・」
 再び、プレートが光輝き、そのパッフィーの誓った言葉が叶えられた瞬間であった。
「アースティアの神々よぉ、私、パッフィー・パフリシアは、んんっ、この名のある方の言葉を絶対とし・・・・如何なる、事があろうとも、この方の期待に背く事がないよう、ここに・・・・誓います!」

 パッフィーの誓った最後のその誓約が叶えられ、魔法の首輪が持つ呪力によって、強固な錠が締められる。同時に、パッフィーの記憶から誓約した三つの誓いに関する記憶を抹消され、首輪だけが所有する事になる。
 この瞬間、パッフィーはサトーを確かに運命の人物だと認め、彼の意思に沿うべく、彼女の未来と、身体とを捧げる事を誓約してしまったのである。だが、これによって、パッフィーはサトーに抱かれる事が許されて、この無限にも思えた苦難から、ようやく解放されるのである。
 その目先の快楽の為だけに、彼女は、カリウスとの子供と、自身の未来を犠牲したのである。

「ククククッ・・・・良く言った。これで貴様は、俺のものだ!」
 (クククッ・・・・待っていたぞ。この瞬間を!)
「あっ!」
 サトーはようやくにして、名実共に手に入れた小柄な少女の身体を掴み上げて、ベッドの上へと叩き付ける。そしておもむろに、辛うじて原型を留めていたドレスを引き裂いては、遂に手に入れた極上の名器を観姦するように凝視する。
 (クククッ・・・・もし、カリウスの奴が生き延びたら、さぞ驚く事であろうな)
 この瞬間をカリウスに見せ付けてやりたかった。我が身を呈してまで庇った最愛の妻が、今ではサトーの意のままになる、愛玩動物に成り下がったのであるから。
 パッフィーは乱暴なまでにベッドに押し倒されながら、疼き続ける股間をサトーの前で曝け出した。それが魔法の首輪による呪力によるものか、アンミストルウムによってきたした、限界の極致によるものか、は定かではない。
 だが、紛れもなく、パッフィーはサトーに対して、自ら股を開いたのである。
「もう濡れ濡れじゃないか・・・・それほど、目の前で見せ付けられた性交に興奮したのか!?」
「あっ! くっ! ああっ! ダっ、ダメぇ! もう! あぅ!!」
 触れるだけで既にパッフィーは絶頂寸前であり、運命の人物が触れるたびにパッフィーの身体は面白いように波打った。
 先ほどまでレンヌをよがらせていた、パッフィーが羨望の眼差しを向けていたそれが、彼女の眼前に突き出される。
「これが・・・・欲しいか?」
 返答はなかった。言葉には・・・・
 パッフィーは無言のまま、肯定する頷きをうち、自らの両脚をサトーの身体に向けて大開脚する。その細い両脚を掴み上げ、サトーはその燃え滾(たぎ)っているような【聖女】の入口に口を添える。
 《ジュルジュジュジュ・・・・・》
「いゃああっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――!ャ―!!!!!」
 パッフィーは懸命に頭を振って、激しく断続的に、四肢を震わせる。その絶頂寸前の悶え苦しむ悲鳴を露わにし、溢れ出す愛液を飲み干されていった。
 運命の人物と認めた者だけに味合わせる、完成した彼女の、紛れもなくパッフィー・パフリシアの体内で精製された体液を、その人物だけに提供したのである。
 そしてそれは、彼女が愛したカリウスでもなければ、想い抱いていたアデューものでもない。ほんの数週間前まで、憎悪の対象にしかなりえなかった男である。
「・・・・もう・・・・許してぇ・・・・」
「ああ、挿れてやる・・・・俺としても、壊れてもらっては困るからな」
 サトーはようやくパッフィーの入口に宛がい、パッフィーは待ち焦がれた運命の時を遂に、今かと待ちわびていた。
「俺とカリウス・・・・どちらを愛している?」
「なっ・・・・」
「俺を愛している、と言えば・・・・望みどおり、こいつで掻き乱してやる」
 サトーはパッフィーの素股にペニスを滑らせ、そして彼女から期待通りの返答を受け取る。魔法の首輪に誓約した以上、彼女の返答からは彼の期待する言葉だけしか吐かれないのだ。
「あ、貴方です。貴方を愛して見せます・・・・貴方だけを。ですから!」
 それが首輪だけの呪力によるものであったかも知れないが、今のパッフィーに愛の言葉を吐かせるそれ自体に意味がある。
 後日、パッフィーはアンミストルウムの呪縛から解かれて、これまでの記憶が一気に蘇る事になるだろう。即ち、これが強要された強姦ではなくて、あくまでも同意による和姦であったのだと、彼女自身が認識するのである。
 そして、その蘇る記憶の中にも、既に魔法の首輪に誓約に関する記憶は消去されており、パッフィーは知らず知らず、魔法の首輪に誓約した行動を余儀なくれるのである。


「そうかそうか・・・・だったら、その愛する男のペニスの味を、たっぷりと受け取りな!」


 《 ズブッ、シュ・・・・ズボォォォォォ・・・・・》
 サトーとパッフィーは・・・・神に配剤されし運命の二人は、一気に互いの身体を重ね合いあった。
 遂に完成したパッフィー・パフリシアの身体は、サトー・マクスウェルを未来永劫、運命の人と自らに戒めてから、その運命の二人は初めての結合をするのである。

「ぐぉっ!!」
 王都ロンバルディアから拉致した際に、パフリシア城まで散々弄んできた身体ではあったが、アンミストルウムの教育に、魔法の首輪によって成立した誓約によって、完成するまでに至った彼女の身体は、数週間前の身体とは遥かに別物であった。

 その一突き、一突きごとに、サトーを受け止める彼女の膣内では、異なる光景と、彼女の思い、願いが込められており、それを身体と繋げるサトーにも伝えていく。
 これまでのパッフィー・パフリシアの追憶を・・・・この運命の結合を迎えるこれまでを、身体を繋げる運命の二人は共有するのだ。
 (こ、これは・・・・?)
 まず、子宮入口に到達するサトーのペニスと、それを懸命に締め付けて受け止めたパッフィーの膣肉は、【パフリシア王宮とはまた異なる場所において、彼女とイズミが魔族の手から、小船で王宮から逃れていく】、光景を共有する。
 そのパッフィーの身体は、この運命の日に、彼女自らが運命の人と定めたサトーに抱かれる事だけを全てに、魔族の執拗なまでの追撃から逃れてきたのである。
 《ズブッッッ!》
【その日の食材を森林に求め、なれない狩りに興じるイズミ。わたくしの味付けも、決して良くはなかったけど、それでも心が温まるような楽しい食事でした・・・・】
 その食事においても、この日にサトーを受け止める膣内を育むためだけに作られたものであったのだ。《ズブッ、ズブッ》と貫いていくペニスを懸命に締め付け、受け止めていくパッフィーの膣肉が、そのように自己主張するかのようであった。
 《ズンッ!》
【真森の中で山賊に捕らわれたパッフィーは、騎士見習いアデューの手によって救われていく光景】
 パッフィーにとって運命の人は、想いを寄せ合っていく、そのアデューではなかった。彼女自身がそれを認めたのである。サトーこそを運命の人だと定め・・・・未来永劫に渡って、誓っていく事を・・・・
 《ズズンッ! ズブブブッ!》
【覇王ギルツの当極に、相対する少女の身体。想い寄せるアデューの深手の責任から、一度は生への渇望を止め、大地剣(アースブレイド)の頂にある宝珠の力で黄泉がえりし、【聖女】の身体】
 《ズヴァ! ズブッ! ズヴゥ!》
【魔王ウォームガルデスとの対決。カリウスとの出会いと激しく破瓜された瞬間。そして次第に身体が開発されていった日々・・・・】

 今、パッフィーと交わりし男に、パッフィー・パフリシアの名器が如何にして育まれてきたか、この運命の男に味合わせるためだけに、十六年の歳月を生きてきた軌跡を、垣間見せたのである。
 パッフィーの身体の膣内で語られる物語は、魔法の首輪によって、彼の期待に沿うように成立されたものであったが、パッフィーの身体の膣内で語られただけに、それが彼女の真実へ、と成り立っていくのである。
 少なくても、彼女の身体はそのように自己主張し、サトー自身にもそう思えてはならない。
 (ククククッ・・・・それは、さぞご苦労だったな・・・・)
 気に入った。そこまでして、この運命の男を立ててくれる極上の名器であり、彼女の想いである。それに応える為にも、存分に味わってやる事が彼女への・・・・このパッフィーへの礼儀というものであろう。
 《 パァン! パァン! パァァン!! 》
 運命の二人の身体が弾け合い、激しい性交の証左のように荒々しい息と汗が飛びかう。
 《 バァスン! バァスン! バァスン! 》
 サトーは受け止めている小柄な身体ごと、ベッドに叩き付け、パッフィーはサトーの腰元に脚を絡ませる。それによって、更なる締め付けが加われ、男が享受する快楽は、もはや快楽と言う言葉だけでは表せなかった。
 パッフィー・パフリシアの身体は、サトー・マクスウェルの為だけにあった。極上の名器によるサトー専用機であったのだと、彼は断言できた。
 この完成されたパッフィーの身体は、サトーだけのものであり、彼女が誓約したそれは、二度と取り外すが許されない首輪が保証するのである。
「ククククッ、いいぞ、この身体・・・・もっとだぁ、もっと締め付けて見せろ! お前が自ら認めた運命の男、お前が愛すると言った男のものをもっと愉しませてくれ!」
 サトーは深々とパッフィーの身体と繋がったままの体勢から、寝そべり、変わってパッフィーの身体が、サトーの身体を跨ぐような体勢になる。
 サトーは掴み取った両腕をちぎれんばかりに、引き寄せて・・・・
              「ふんっ!!」
 股間は一気に、深々と突き刺さっている身体を突き上げた。
       《 ズン! 》
「ふぎゅ!!」
 パッフィーの身体は、反動をつけられて、一気に股間から突き上げられた。カリウスでさえ到達していない、愛する者にも許していなかった一部の膣奥までが、サトーによって貫かれたのだ。

 サトーのペニスが、パッフィーの完成した身体の子宮、その入口寸前まで到達したのである。それは即ち、サトーの剛直を全て受け止めた瞬間であり、まるで型を合わせたかのように、サトーのペニスとパッフィーの膣道は・・・・この運命の二人による性器は、まさに一寸のズレもない完璧なまでに、ピッタリであったのだ。

「あっ・・・・あっ・・・ん・・・・」
 とにかくパッフィーは、絶頂寸前を繰り返しており、そこに到達するまで、勝手に腰が動き続けるのである。
 かくしてパフリシアの王女による、【封印の魔女】【聖女】とさえ崇められてきた少女の、裸体による乗馬が始まったのだった。彼女が跨る馬となるのは、サトーであり、彼女は騎手である。
「ほら、もっと腰を振らないと・・・・俺は満足できない、いつまでも終わりにはならず、お前も満たされないぞ」
「あっ、あっ、んんっ、くっ・・・・はぁ、はっ、・・・・」
「くくくっ、いい眺めだぞ。こりゃ、絶景ものだぜ」
 (クククッ、是非とも、カリウスに見せたいものだな・・・・)
 パッフィーの裸体による乗馬は、神が定めし配剤の二人による共演の、まさに人馬一体のようであった。サトーのペニスを繋げて、パッフィーはただ貪欲に満たされる事を求めて腰を振り続けた。
 サトーのペニスは、完成したパッフィーの身体に申し分になく、過不足なしに受け止める。それでなくても熱く凝縮した、柔らかくも鍛えられし膣道はサトーを歓迎するように締め付けて、締め付けて、締め付けていくのである。
 サトーが再び身を起こし、繋がる小柄な少女の身体を抱き寄せる。パッフィーもしがみつくようにサトーに両腕を廻した。互いの肌が重なり、互いの熱が触れ合い、互いの鼓動が知れ渡る。
「このまま、膣内に・・・・出していいのか?」
 例え拒絶されても膣内射精を決行するサトーではあったが、質問する事それ自体に意味がある。そして、アンミストルウムと、彼女が誓約した魔法の首輪の呪力によって、パッフィーには、運命の人と定めた男の言葉に期待に反する言葉も、まして拒絶する事も絶対に許されないのである。
「膣内に・・・・膣内に・・・・出して・・・・下さい」
 想定した返答を受け取って、サトーの内心は笑いが止まらなかった。
 そしてそれは、サトーがパッフィーを抱き続ける限り、これから未来永劫に渡って繰り返されていくのである。アンミストルウムの効能がきれ、彼女が理性と、これまでの記憶を蘇らせた、その後も・・・・

「今、膣内に・・・・出せば、間違いなく・・・・俺の子を孕むぞ?」
「うっ、産みます・・・・あ、貴方の子供を産んでみせます、から!」
「俺は・・・・お前との子供・・・・などに興味などは・・・・ない」
「わたくしが、せ、責任持って・・・・育てます・・・・わ、わたくしに・・・・貴方の子供を・・・・産ませて・・・・ください」
 膣内出しされなければ満たされる事がないと、本能で気付いていたのか、それともこれは魔法の首輪の呪力が為せる業が、はたまた教育の中で「その最後まで求めれば、膣内に」という教育の賜物か。パッフィーはただ一重に膣内出しされる事を切望した。
「そこまでの覚悟なら、膣内にくれてやる・・・・孕ませてやる・・・・俺の子を産ませてやるぞ・・・・いいんだな!」
 サトーにしがみつきながら、パッフィーはコクコクと頷く。
「くっ・・・・い、いくぞ・・・・いくぞ、しっかり受け止めろよ!」
「あっ・・・・あっ・・・・」

 《 ドックン!! 》

「あっ・・・・ああっ・・・・」
 それがつい先ほど、レンヌの膣内で射精した者とは思えないほどの、量と勢いがパッフィーの子宮を激しく叩いていく。そして受け止めたパッフィーの身体が、サトーの精を全て搾り取るかのように凝縮しては、貪欲なまでにペニスから迸る濁流を吸い上げていった。
 《 ドッピュ、ドックン・・・・ドクン、ドクン・・・・ 》
「ああっ、あっああああっ―――ぁぁぁ・・・・・!!!!!」

 パッフィーは運命の相手と定めたサトーの受精をその身体の膣内で受けて、ようやくにして待望していた絶頂を極める事ができたのだ。サトーのペニスを受け止めたまま、激しいまでの潮吹きが二人の連結部から催され、壮絶なまでの瞬間の余韻がパッフィーの身体に染み込んでいた。
 生殖の営む際に、至上の快楽を伴うという事は、カリウスによって教え込まれてきた。だが、今回の・・・・この運命の相手と定めたサトーとの性交は、「快楽」という言葉だけでは表現できなかった。

 モニターに映し出されたそこには、排卵を促されたパッフィーの卵子が先ほどのサトーに膣内射精されたスペルマが到達し、何千何万匹という、サトーの遺伝子が子宮までの困難な道のりを跳ね除け、確認されただけでも、三個の卵子に殺到しては襲い掛かっていった。
 サトーとパッフィーの遺伝子が、そのまま順調に結びつけば、三つ子の誕生である。(受胎後、細胞分裂と融合を繰り返すため、確実ではない)だが、現時点で確実だという事は、パッフィーの妊娠はもはや明らかであり、その胤の父親がカリウスではなく、このサトー・マクスウェルだという事である。


 《 パッフィー・パフリシア ノ 受精確認 受胎確定サレマシタ 》


「くくくくっ・・・・ハハハハッ・・・・・・」
 サトーはこの日、レンヌ・カスタネイドとパッフィー・パフリシアを一晩に渡って性交し続け、このアースティア最高峰の容姿に、極上の名器を併せ持った少女たちを、たった一夜にして孕ませるという前人未到の大事に成功させたのである。
 これはカリウスも、カルロスにさえも到達できない、サトーの偉業とも呼べよう。


 そして、そのサトーの偉業に立ち会えた彼の副官は、これが完全なる和姦に基づいてものであり、二人は確かに自ら望んで、サトーの胤を宿したのである。と、証言した。
 その副官の証言するそれが、完全に正しい言葉とは言えなかったが、全くの虚言であったと言う訳でもなかった。そして、その差異を指摘できる者は、もはや皆無に等しかった。
 当人であるレンヌ・カスタネイドは、アンミストルウムによって、サトーに忠実な奴隷としての人生を余儀なくされ、一方のパッフィー・パフリシアも、魔法の首輪に自ら誓約する事によって、サトーに身体を許していく未来を選んだのである。


 こうして、レンヌ・カスタネイドと、パッフィー・パフリシアに課せられた サトー・マクスウェルとの運命の一日を終える。これにより二人の少女は、夫であった者、夫となる者とは異なる胤を、その身体に宿す事が許されたのであった。
 そして、それ以後・・・・彼女たちの未来までも、その運命の男の手によって、想うがまま握られていくのであった。



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