CHAPTER 14  嵐の日を越えて



弄内洋太は駅に向かって走っていた。

そして、先程の電話の内容を思い出していた。

電話は早川もえみからであった。

もえみの声は、消え入りそうなか細いものであった。

「・・・・ごめんね・・・さっきは・・・・。」

もえみは電話口の向こうでそんな切り出し方をした。

「私・・・・怖いの・・・でも・・・でも、弄内くんと離れたくもないの・・・・・。私・・・・私・・・・わかんないの・・どうしていいか・・・・。」

そんな弱いもえみの声に洋太は反応する。

「もえみちゃん!いま何処にいる!?」

洋太が叫ぶ。

「・・・・えっ・・・・ああ・・・いいの・・・・今日は・・・・。」

もえみの声は一寸鼻にかかっているようであった。

(もえみちゃん・・・泣いている??)

洋太はそう感じ受話器の向こうの様子を窺う。

電車の発車のアナウンスがかすかに聞こえてくる。

「・・・駅だね!今から行くから、待ってて!!」

洋太は電話を切って、玄関に向かおうとする。

玄関に立つ天野あいと目が合う。

どこか悲しそうな顔をあいはしていた。

洋太は先ほどの、あいが帰って来た時の彼女の言葉を思い出す。

『久しぶり・・・元気だった?』

洋太はあいの事も気になった。が、今はもえみの方がもっと心配だった。

「ヨータ・・・。」

あいは洋太に何か言いたそうであった。

「あいちゃん・・・一寸駅まで行ってくる。話はその後だ。」

洋太はそれだけ言い、家を飛び出した。













駅の改札の前。

ハァハァハァ・・・。

洋太は息を弾ませながら、周囲を見回す。

柱の陰にもえみが佇んでいる。

(もえみちゃん!!)

洋太が声をかけようとしたとき、もえみも洋太に気付く。

二人の目が合う。視線が交錯する。

その瞬間、もえみの目から涙がぶわっと溢れ出す。

そして、もえみは洋太の腕の中に飛び込んでくる。

「も・・・もえみちゃん!?」

洋太はもえみを抱きしめつつ、そのもえみの行動に驚きを感じた。

「ごめんなさい!・・・私・・・私・・・やっぱり・・やっぱり弄内くんと・・・・!!」

そこからは言葉にならなかった。

泣き続けるもえみを洋太は優しく抱きしめ続ける。

洋太はもえみの華奢な身体が小刻みに震えているのを感じ取る。そのことが、洋太のもえみに対する保護欲をかきたてていく。もえみを抱きしめている洋太の両腕に力が入る。

洋太は、こんな状態のもえみを一人にしておく事はできなかった。

「・・・もえみちゃん・・・、とりあえず家に戻ろう・・・。」

洋太はもえみを促し、自分の家に彼女を連れて帰ることにする。

そんな洋太に対しもえみは泣きながら頷く。













再び洋太の家。

もえみを促し洋太は家の中に入る。

もえみの事が心配で、洋太は彼女をいったん家に連れて来たが、その事をどう天野あいに話したら良いか、洋太は悩んでいた。

あいが帰宅の際に告げた『久しぶり・・・元気だった?』という謎めいた言葉を洋太は気にしていた。どう考えても普通でなかった。

しかし、家に入ってみると、そこには誰もいなかった。あいの姿はなく、シーンと静まりかえっていた。

(あれ・・・?・・・あいちゃんは・・・?)

洋太はあいの不在に不安を感じる。もえみを休ませつつ、あいを探しに行きたい衝動も湧いて来る。しかし、あいの事も心配であったが、やはり今はもえみの方がもっと心配であった。

不安は感じつつも、洋太は今はあいの事を忘れようと思った。

もしここで洋太があいの事を探しに行っていたら、洋太には違う未来が訪れていたかもしれないのだが、洋太はそんなことを気付くこともなかった。

「大丈夫?もえみちゃん・・・。」

洋太は家に入ると、もえみにそう声をかける。

そんな洋太にもえみは再び抱きついてくる。

「も・・・もえみちゃん・・・!!」

洋太は驚きつつも、そんなもえみを軽く抱きしめてあげる。

「・・・・・強く・・・・。」

もえみが、小さな声で呟く。

「え・・!?なあに??」

洋太はその声が聞き取れず聞き返す。

「・・強く・・・・・・・もっと、強く抱きしめて!!・・・お願い!!」

もえみの声が先程より強く発せられる。

洋太はもえみの声に従い、ぎゅっと彼女を抱きしめる。

「ああ・・・・。」

もえみが苦しさとも歓喜とも取れるように声を出す。

「大丈夫?」

洋太がもえみに語りかける。

「・・・うん・・・でも強く・・・強く抱いていて・・・お願い・・・。」

もえみが言う。

洋太はもえみが望むまま、強く彼女を抱きしめている。最初はもえみのことが心配で気付かなかったが、時間が経つにつれ、もえみの形の良い胸が洋太の胸板に押し付けられている事実に意識が集中してきてしまう。

洋太の中で、もえみに対する保護欲ともえみの身体を感じたい性欲とがせめぎあってくる。

洋太の身体がもえみの身体に反応する前に、洋太は自分の腕の中からもえみの身体を解放させる。もえみがゆっくり洋太を見上げる。目はまだ涙で濡れていた。

洋太はその顔を見た瞬間、もえみの事が世界で一番愛おしいと感じる。唇をもえみの唇にゆっくりと近づけていく。

もえみも同じことを求めていた。もえみはゆっくりと目を閉じていく。

洋太の唇ともえみの唇が重なり合う。

もえみの中で、再び歓喜の念が溢れだしてくる。

洋太が激しくもえみの唇を吸う。

(・・・あ・・ああっ・・・・!!・・・・弄内くん・・・弄内くん!!)

もえみも洋太の事を求めていく。

激しく洋太の唇を吸っていく。

洋太はたまらず、愛しいもえみの頭を両腕でいだき、さらに激しく彼女の唇を吸う。

二人はお互いに何か足りないものを求めあうかのように激しいキスを続ける。そして、その行為は二人の身体を如実に反応させていく。洋太の股間のモノは熱く硬くなり、ズボンの中で膨れていた。もえみは服越しにその熱い塊の存在を感じる。

(あ・・・・ああ・・・弄内くんが・・弄内くんが求めている・・・!!)

そう思った瞬間、もえみの身体もそれに呼応するかのように反応を始める。下腹部の女性を現す器官が活発に動き出す。熱い液体がもえみの中で溢れだしていた。

(・・・ああ・・・やだ・・・・はずかしい・・・・・・・。)

もえみの女性が熱くなるにつれ、もえみの身体の力も抜けていく。もえみは洋太の身体に必死につかまりながらキスを続ける。

(やだ・・・・身体が・・身体が泣いている・・・。)

もえみの身体の奥がキュンキュンと泣いていた。

その事に気付いたのかわからないが、洋太が唇をゆっくりと離していく。

洋太の目がもえみを見る。もえみの目はうるんでいた。

「・・・もえみちゃん・・・・いい?」

洋太が聞く。

もえみは恥ずかしく顔が紅潮していくのを隠すように、頷く。

「・・・部屋・・・行く?」

洋太も恥ずかしさを抑えつつ聞く。自分の言葉ながら大胆だな、と感じる。

もえみは洋太の胸の中に顔を隠しながら、それでも頷く。

二人の心臓がどんどん高鳴ってくる。

洋太はもえみの肩を抱き、彼女を自分の部屋の方へ促していく。

(・・・いいの?・・・・本当にいいの・・・?)

もえみは心臓が高鳴っていくのを感じつつ自問する。

(・・・・怖い!!)

一瞬、もえみの中を恐怖が走る。

もえみの足が止まる。

洋太が少し驚いたような顔でもえみの顔を覗き込む。

「・・・大丈夫?」

洋太が言う。

もえみはそんな洋太の顔を見る。心配そうな洋太の真剣な顔が目に入ってくる。

目から涙が溢れてくる。

(・・・・私には・・・私にはもう、この人しかいないのに・・・。)

もえみは再び洋太の胸の中に飛び込む。

「・・・大丈夫・・・・ごめんなさい、ごめんなさい・・・大丈夫だから・・・行こう、弄内くんの部屋・・・・・・。」

洋太はもえみの頭に軽くキスをすると、彼女を部屋の方へ促していく。













洋太の部屋の中。

二人は部屋に入ると再びキスをする。

それは、熱くて長いキスであった。

(・・・・弄内くん・・・弄内くん・・・!!)

もえみは洋太の名前を心の中で呟きながら洋太を求めていく。

(もう、弄内くんしかいない・・・・逃げちゃ駄目なの・・・もう、もえみ・・・逃げちゃ駄目なの!!)

洋太が唇を離す。

もえみは糸のとれた人形のように力が抜け、洋太のベットの上に、倒れ込む。

洋太はそんなもえみの上にのしかかる様に覆いかぶさってくる。

「もえみちゃん・・・・。」

洋太の目もうるんでいた。そのまま今度はもえみの首筋にキスをする。

「あっ・・・・・!!」

もえみのその首筋から身体中に電流が走る。

さっきと同じである。もえみはその快美な感覚に身をまかせようとする。

(弄内くん・・・・。)

洋太は首筋を愛撫しながら。手をもえみの胸に持ってくる。そのまま優しくその胸を揉み解す。

「あっ・・・はあああ!!」

今度は胸から気持ちの良い電気が走り抜ける。

「ああ・・・・・いい・・・・・。」

もえみは恥ずかしさから横を向き、そしてその快美な感覚を受け入れようとしていく。

(弄内くん・・・弄内くん・・・・・もっと・・・もっと触って・・!!)

もえみは自分が物凄く恥ずかしいことを考えていることに気付く。身体が羞恥心で真っ赤に染まっていくのがわかった。でも、それを受け入れようともえみは考える。

洋太の手がもえみのシャツのボタンに手がかかる。

数時間前と同じである。

「もえみちゃん・・・・いいの?」

先程の拒絶の事もあり、洋太が心配そうにもえみを見る。

彼が嵐の日の事を気遣ってくれているのが、もえみにもよくわかる。

「・・・・うん・・・。」

もえみは恥ずかしさを我慢しつつ、身体に正直に答える。

「弄内くん・・・・。」

もえみが洋太に言う。

「え?」

洋太がちょっと驚いた顔でもえみの顔を覗き込む。もえみが話しかけてくるとは思っていなかったのだ。

「・・・忘れさせて・・・・・・お願い・・・。」

もえみが蚊の泣くような小さな声で呟く。

その声はあまりに小さく消え入るような声であり、洋太の耳には届かなかった。

「えっ、何?」

洋太が聞き返す。

「・・・・ううん、いいの・・・・・・・来て・・・。」

もえみは両腕を洋太の身体に巻き付けて行く。

洋太はもえみのシャツのボタンを一つずつ外していく。

一つ目・・・。

二つ目・・・。

三つ目・・・。

もえみのシャツの前が開き、ブラジャーが顔をのぞかせる。

大丈夫であった。前回のように体はこわばらなかった。

もえみは少し安心しつつ、洋太の行動に身をまかしていく。

そして洋太の手がもえみのブラジャーのホックにかかる。フロントホックである。そのホックが外されると、もえみの形の良い胸が露わになる。

(恥ずかしい・・・・・)

もえみは顔を横に背ける。洋太の事をしっかり見ることが出来ない。

洋太は愛撫を首筋からもえみの胸へと移動させていく。

「あっ!!はあああ!!!」

洋太の唇がもえみの胸の、一番恥ずかしい先っぽに触れた瞬間、電流のような刺激が全身に走る。もえみはその刺激の強さに耐えられず、声を漏らしてしまう。

洋太自身はその声にさらに刺激されてしまい、もっと、この声を出させたいと感じる。

洋太は唇と両手を使って、もえみの胸を刺激し続ける。

「あっ!!駄目!!!や・・・・・はあ!!つ・・・強すぎる・・・・・はあああああああ!!」

もえみは胸からのその感覚に翻弄される。

洋太は両手でもえみの両胸を刺激する。乳首の周りをゆっくりと、わざと敏感な乳首に触れない様に揉み解していく。

「・・・あっ!はあ!!・・・・いい!・・・いいの!!弄内くん!弄内くん!!」

もえみは胸から溢れ出す快美な電流に身をまかしていた。頭の中が完全に真っ白になり何が起きているかもわからない状態になっていく。

洋太は両手でもえみの胸を揉みながら、再び唇で彼女の右胸の乳首を咥える。

「あっ!や!!ひい!!」

もえみが耐えられない刺激に悲鳴を上げる。

洋太は右胸の乳首を唇で刺激しながら、左手で揉んでいる左の乳房の先を刺激してみる。

「はああああ!!!いいい!!・・・凄いの・・・・・ああっ・・・駄目!・・・弄内くん!!弄内くん!!・・・強すぎるううう!!」

もえみが悲鳴を上げ始める。

洋太は、もえみの様子にどんどん興奮していく。もう誰も洋太を止める事はできなかった。

洋太は唇で愛撫していた右胸の乳首を軽く噛んでみる。

「ひ・・・!ひいいいいいいいいいいいい!!」

もえみが首を振りつつ、悲鳴を上げる。

「・・・・駄目・・・・弄内くん!!・・・ああ・・・強い・・・・強すぎるのぉぉ・・・!!」

両胸から起こる凄まじいほどの刺激は、もえみの身体中を駆け巡る。そして、とりわけ彼女の女性としての器官を刺激していく。もえみは自分のそこが熱くなっていくのを感じ取っていた。

「ああ!!駄目・・・・!!私・・私・・・・・おかしくなってくる・・・ひ・・・ひいいいいいい!!」

洋太はもえみの胸を揉みほぐしながら、両乳首を交互に舌で刺激したり歯で噛んだりし、彼女に刺激を与え続ける。

「あああああ!・・・ひ!!・・・ひいい!!・・・・や・・・訳わかんない・・・・・!!・・・ああ、弄内くん!弄内くん・・・もっと!!」

もえみは、もう何が身体に起こっているかわからなかった。首を振りながら、その激し過ぎる快感に身をまかせていた。

洋太は、先程まで胸を揉んでいた左手を、スーッともえみの下半身に移動させていく。

「・・・えっ・・・う・・・あう!!」

洋太の左手がもえみの太ももを、ズボンの上からではあるが、撫で上げていく。その感覚にもえみの意識は下半身の大事な部分に集中する。

(ああ・・・いや・・・はずかしい・・・・!!)

洋太の手が、ズボンの上からもえみの女性の部分に触れる。

その瞬間、今まで感じていた以上の強い刺激がもえみの身体を駆け上がる。

「は!!ひい!!」

短くもえみが悲鳴を上げる。

洋太はそこを何度も撫で上げる。

そのたびに、もえみのそこは、滾々と熱い液体を湧き出させていく。

(やだ・・・・もう・・・あそこが・・・・どんどん・・・ああ!!止まらない!!)

もえみは、胸を揉まれ、乳首を吸われ、そして服の上からではあるが彼女の女性自身も撫でられている。その動きに合わせ、もえみの女性は活発に動き、身体を熱くし、愛液を溢れさせていた。そしてもえみの奥は、そこに刺激が欲しいかのように、キュンキュンと泣いていた。

もえみはそのもどかしさに、だんだん我慢が出来なくなってきていた。

「ああ・・・・駄目・・・・・・弄内くん・・弄内くん・・・・・お願い・・・・きて・・・、きて・・・・・・。」

もえみは息も絶え絶え、洋太に訴えかける。

「もえみちゃん・・・。」

洋太はもえみの名前を呼ぶと、決心したかのように、もえみのズボンのベルトを外す。そしてチャックを下げる。もえみの下着がストッキング越しに見える。

(・・・ぃや・・・見られる・・・!)

下着を見られる恥ずかしさに耐えかねて、もえみは目をつぶってしまう。

洋太の左手が、ズボンの中にスルッと入りこんでくる。

ストッキング越しに彼の指がもえみの女性を触る。

「ああ!」

洋太が思わず声をあげる。

洋太にとり、初めて触る女性のそこは、とても柔らかく、そしてストッキング越しでもわかるくらい、熱く濡れていた。

その事に洋太は感動し、洋太は思わず声をあげてしまった。

洋太はそこのことをもっと知りたいと思う。

洋太は左手を一回もえみのお腹の辺りまで戻すと、今度はストッキングの中に侵入させる。

「・・・あっ!!!そこは・・・・そこは駄目・・・・・!!・・・は・・・・・ひいい!!」

もえみの女性に洋太の指が触れる。

更に強い刺激がもえみの中を走り抜ける。

愛液も今まで以上に溢れだす。

(・・・・や・・・こんなに濡れて・・・・・はずかしい・・・・!!)

もえみのそこはもう口が開いていた。触れた洋太の指がスルッともえみの中に滑り込む。

(・・・凄い・・・女の子の此処ってこんなになっているんだ・・・。)

洋太は感動していた。

洋太は本能に従いもえみの中に入った指を動かしてみる。

「ああああ!!は!・・・・ひいいいいいいい!」

その指の動きに反応するかのように、もえみが悲鳴を上げる。

(・・・・ああ・・・駄目・・・・弄内くん・・・そんなにされたら・・そんなにされたら・・・・・私・・変になるうううう!!!)

もえみは自分の奥の方まで刺激が欲しくなってくる。

(・・・駄目・・・・・駄目・・・弄内くん・・そんなに苛めないで・・・・・!!)

「は・・!!ううう!!ひ!・・・・ああ・・・・いいの!!!」

もえみは何を口走っているか、全くわかっていない。

完全に快感に呑まれていた。

ただ、どこか満たされないもどかしさも同時に感じていた。もえみの身体はそれが何かをしっかり知っていた。

「ああ・・・・弄内くん・・・・お願い・・・・・・・・そんなに・・苛めないで・・・・・・お願い・・・・・・・・・・・。来て・・・!!」

もえみは遂にその言葉を口にしてしまう。

言った瞬間、もえみは恥ずかしく洋太の顔が見れなくなる。

が、もえみは彼女の顔を覗き込む洋太の視線を感じていた。

「・・・・もえみちゃん・・・。」

洋太の声が聞こえる。

もえみが目を開ける。洋太ともえみは視線を合わせる。

「いい?」

洋太は優しい顔でもえみに聞く。

もえみは恥ずかしくて顔を背けつつ、それでもしっかり頷く。

洋太の手がもえみのズボンに伸びていく。

洋太はもえみのズボンを、そして、下着ごとストッキングを脱がす。

洋太は初めてということもあって、余裕がなかった。洋太の分身ももう先程からはちきれそうになっていた。限界が近かった。

洋太も自分の服を脱ぎ、寝ているもえみの上に覆いかぶさる。

洋太ははちきれんばかりの自分のモノをもえみの股間にあてる。

一瞬、恐怖心がもえみの中に甦る。

「あっ、待って・・・!」

もえみは思わず口走ってしまう。

「えっ?」

余裕のない洋太は、その言葉に一瞬たじろいでしまう。

「お願い・・・その前にキスをして・・・。」

もえみは、本能的にキスをしてもらうことでその恐怖心が払えると感じていた。

たじろいだ洋太の顔が、元の優しい顔に戻る。

「ああ」

洋太はそう応えると、ベッドに横たわるもえみの唇に再びキスをする。

もえみの身体が、再び歓喜で満たされる。

(ああ・・・弄内くん・・・来て。)

心の中で呟いた声が洋太にも届いたかのように、洋太は自分のモノをもえみの股間にあてる。

「あ・・・ああ・・・。」

もえみの口から喘ぎ声があがる。

(・・・来る・・・弄内くんが・・・!!)

しかし、洋太は初めての経験である。自分のモノをどこにどう入れたらよいのか、良くわからない。

「・・・あっ・・・そこちがっ・・・その横・・・・ああ・・・そこ・・・・あっ!!はあああああ!!」

洋太は何度か失敗しながらも、もえみと協力し合い挿入にこぎつける。

「あああああ!!そこ!!そこなの!!!来て!来てええええ!!!」

洋太はもえみの女性の中にググッと入ってくる。

「あああ!!!!いいいいいいいいいいいいいい!!」

心地良い圧迫感がもえみの中を駆け抜けていく。

「ああ!!弄内くん!!弄内くん!!」

刺激に耐えるように、もえみは洋太にしがみつく。

洋太ももえみを強く抱きしめ返す。

その洋太も、もえみの事をしっかり感じていた。

(す・・・凄い・・・。これが・・これが女の人の・・・・もえみちゃんの中!!)

それは優しく洋太の分身を包みこんでおり、そしてきつく締めつけてもいた。

洋太は激しく腰をもえみの中に打ち付けたい欲望を抑え、もえみの顔を見る。

もえみは涙を流しつつ洋太に微笑を返していた。

「凄いよ・・もえみちゃん。今オレら一つになっているんだ。こんなの・・・こんなの想像できなかった。オレ、もうもえみちゃんを離さない。」

洋太はもえみの中に感動しつつ、その想いをもえみに伝える。

もえみの目から涙が溢れ出す。

「・・・うん。絶対・・絶対一緒にいてね・・・・。」

もえみの身体は歓喜に包まれていた。それは、キスをした時を遥にしのぐ歓喜であった。

「動くよ?」

洋太が言う。

「うん。」

もえみが応える。

そして、洋太はゆっくりと腰を動かし始める。

「あっ!!はあああ!!」

股間から全身へ鋭い刺激が走り出す。先程、胸を愛撫された時とはまるで違うレベルの刺激であった。もえみはその刺激に完全に流されていた。

「あっ!いいい!!!・・・・凄い!・・・・強い!」

洋太のモノは決して大きいわけではなかった。山田のモノよりたぶん小さかったかもしれない。でも、もえみの身体はそれを気にしていなかった。愛する者との交わりによる快感は、そういった肉体的な大小の問題では全くなかったのである。

もえみ自身が無意識に感じていた怖さは、実はそれに由来していた。山田や花崎に感じてしまった快感を、洋太との交わりで感じられなかったら・・・それを恐れていた。しかしその恐れも杞憂であった。

(ああ・・・・凄い!!なんて逞しいの!・・・ああ・・・いい・・・・・もっと!もっと、突いて!!)

洋太の腰の動きも激しくなる。

「ああ!!凄いわ!!弄内くん!!は!ひいい!!いい!!」

もえみの艶めかしい喘ぎ声が洋太をどんどん興奮させていく。

「ああ!もえみちゃん!もえみちゃん!!」

洋太ももえみの名前を呼びつつ、自分の欲望に耐えきれず、腰の動きを早めていく。

あっという間に限界が来そうであった。

「うっ・・・あっ・・・!!もえみちゃん・・・・もう行きそうだ!!」

初めて女性と交わった洋太は、まだ己の性をコントロールできない。あっという間に登りつめていく。

「あっ・・・うっ・・も・・もう出る!!」

激しく腰を使う中で、洋太の中で一気に射精感が強まってくる。

「うっ・・・出そう!!」

洋太はもえみの膣内に出さないように、己のモノをもえみの中から引き抜こうとする。

もえみは激しく快感に翻弄されつつも、洋太のその動きを感じ取る。

「あっ・・・駄目!!」

もえみの両脚が洋太の体に巻きつき、己のモノを引き抜こうとする洋太の身体を引き留める。

「えっ?!」

洋太が驚いた顔でもえみを見る。

「・・・お願い・・・中で・・・膣内にして・・・・。」

もえみは恥ずかしさで顔を真赤にさせながら、洋太に言う。

「でも・・・・。」

洋太が心配そうに言う。

「いいの・・・・弄内くんの・・弄内くんのモノで私をいっぱいにさせて・・・。」

もえみが言う。そしてその言葉の内容を裏付けるかのようにもえみの膣が洋太のモノを締めつける。

もえみは無意識のうちに、山田との性交の記憶を消したがっていた。そのためには膣内も山田のモノの事を忘れるほど、洋太のモノでいっぱいにして欲しかったのである。

もえみの締め付けにより、洋太の射精感がますます高まってくる。

洋太は激しい腰使いを止められなくなっていた。

(ああ・・・・・いく!!)

洋太はもえみの中に射精することを覚悟する。

激しく腰を動かす。

「ああ・・・もえみちゃん・・・・いくよ・・いくよ!!」

「いい・・・ああ・・・弄内くん・・・・きて・・・きてえええ!!」


その瞬間。洋太の欲望がもえみの中ではじけ飛ぶ。

ドピュ!!

「ああああ・・・・いいいいいいいい・・・・・・・・・。」

もえみも絶頂に到達する。

もえみのそこが更に洋太を締めつける。

「う!まだ出る!!」

ドピュピュッ!!

洋太は再度、もえみの中で射精する。

「はああああああぁぁぁぁぁ・・・・・。」

もえみは身体の奥深くが洋太の熱いものでいっぱいに満ちていく事を感じ取っていた。

(ああ・・・・弄内くんの・・弄内くんのモノでいっぱいに・・・・・・・。)

もえみは激しい歓喜の念を感じ取る。

汚れきっていた自分の身体の奥が、洋太によって洗い流されたように感じていた。

(嬉しい・・・弄内くん・・・。)

洋太の身体が力尽きたかのように、もえみの身体の上に倒れ込む。

もえみの身体が洋太の暖かい身体を感じとる。

もえみの中にもう山田の影はなかった。

洋太との明るい未来しか、もえみには感じ取れなかった。













続く


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